●映画『ザ・ウォーカー』(The Book of Eli)
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昨夜、映画『ザ・ウォーカー』を見てきた。
デンゼル・ワシントン主演。
荒廃したアメリカの大地を、1人の男が
一冊の本をもって、西へ、西へと歩く……。
映画は、星3つの、★★★。
デンゼル・ワシントンもこの映画の中で、55歳に
なったという。
私は彼の出る映画は、すべて観ている。
55歳を感じさせないアクションに、感動した。
が、予告編で、何度か見るうちに、「その本」と
いうのは、「聖書」であるということが、わかって
しまった。
見終わってから、ワイフに、「なっ、聖書
だったろ?」と言うと、「私もそう思ってた」と。
なお英語のほうでは何度か、「キング・ジェイムズ
版の聖書」という言葉が出てきた。
字幕の方では、ただ「聖書」と訳していた。
私は「キング・ジェイムズ版」という言葉を
聞くたびに、私がもっているキング・ジェイムズ
版の聖書のことを頭に思い浮かべた。
読みにくい聖書だった。
そこでそのことを二男の嫁に話すと、すぐ、別の
聖書を送ってきてくれた。
Ryrie版の聖書だった。
それは平易な英語で書かれていた。
また金文字で、「Hiroshi Hayashi]
と印字してあった。
私の名前である。
「うちへ帰ったら、久しぶりに読んでみる」と言うと、
ワイフもうれしそうに笑った。
で、映画そのものよりも、いくつかのセリフが気になった。
悪党の1人が、こう言う。
「聖書があれば、それを利用して、この世界を
支配できる」(記憶による)と。
つまり神の言葉を語れば、人心を思うがまま、
操ることができる、と。
遠い昔、日本に仏教が入ってきたのも、
そういう理由による。
ときの為政者たちは、仏教という宗教の力を
借りて、人心をひとつにまとめようとした。
つまり宗教には、そういう力がある。
が、これはもちろん両刃の剣。
善人に利用されるのはよいとしても、
悪人に利用されたら、たいへんなことになる。
映画を観ながら、私は別の心で、そんなことを
考えた。
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●聖書
1 THE CREATION OF THE WORLD
世界の創造
A The begining of Creation
創造の始まり
In the begining God created the heavens and the earth.
最初に神は、天と地を創造した。
Now the earth was formless and empty, darkness was over the surface of the deep, and the Spirit of God was hovering over the water.
そのとき大地は、形がなく、空だった。
暗闇が深淵の表面をおおい、神の霊が、水の上をただよっていた。
B The Days of Creation
創造の日々
And God said, "Let there be light", and there was light.
そして神はこう言った。「光よ、あれ」と。すると光が現われた。
God saw that the light was good, and he separated the light from the darkness.
神は光がよいことを知った。そこで神は、光を暗闇から分けた。
God called the light "day", and the darkness he called "night".
神は光を、「昼」と呼び、暗闇を「夜」と呼んだ。
And there was evening, and there was morning-the first day.
そして夕方と朝があった。それが第1日目だった。
●Ryrie版聖書
映画の最後のシーンで、デンゼル・ワシントンが、これらの言葉を、口述する。
が、たったこれだけでも、1ページの10分の1以下。
Ryrie版の聖書は、このあと2200ページ(MOODY出版)もつづく。
……このあと神は、地上のもろもろのものを創造し、第6日目に、「自分に似せて、人間を創造する」(So God created man in his own image, in the image of God he created him; male and female he created them.)
独特のリズム、独特の言葉、それに加えて、平易な英語。
読んでいて、心地よい。
乾いた大地に水がしみこんでいくように、聖書の言葉が、頭の中に入ってくる。
学生時代、友人のだれかがこう言った。
「ヒロシ、この世界で、もっともすばらしい本は、聖書だよ」と。
「聖書の中には、すべてが書かれている」とも。
60歳を過ぎて、やっと彼の言った言葉の意味がわかるようになった。
当時の私は、「キリスト教を信仰している人は、そういうふうに思うだろうな」程度にしか、考えていなかった。
どうであれ、一度は読んでみる。
最初から最後まで読んでみる。
その結果、私がどう判断するか。
どうなるか。
それは私にもわからない。
しかし一度は、読んでみる。
今、そう心に決めた。
もしどこかで『ザ・ウォーカー』という映画を観たら、「はやし浩司は、そんなことを考えたのだなあ」と思ってほしい。
そういう形で、「心」を共有できたら、すばらしいことだと思う。
2010/06/21
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