2012年5月27日日曜日

I support Ishihara's Comment on the Olympics

【今日、国際ニュースより】日本の国益を第一に!

●日本よ、ギリシャを助けるな!

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

日本よ、ギリシャに、手を出すな。
助けるな。
まず自国の利益を第一に考えろ。
「冷たい」「卑怯」と言われても、構わない。
今の日本に、そんな余裕はないぞ。

いい子ぶるな。
お人好しになるな。

ギリシャは、すでに破綻している。
そんな国に5兆円(IMF)も注いでどうなる。
どうする。
最後にババを引くのは、この日本だぞ!

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●100兆円!
 
 まずブルームバーグの記事。
こうある。

 『世界の銀行業界を代表する国際金融協会(IIF)のダラーラ専務理事は、ギリシャのユーロ圏離脱のコストが手に負えないほど膨らみ、協会がこれまで予想していた1兆ユーロ(約100兆円)を上回る公算が大きいと警告した』(2012ー05-25)と。

 ぞっとするような金額である。
そういう数字を示しながら、「ギリシャを離脱させてはいけない」と。

 その上で、『6月にメキシコのロス・カボスで開催される20カ国・地域(G20)首脳会合を前に欧州首脳は、(5月)26日、世界経済の回復に向け欧州と日米中3カ国は、責任を共有するとして、日米に財政再建を求めるとともに、中国には改革を断行するよう促した』(ロイター)と。

 すでにアメリカは、イチ逃げた!
IMFへの拠出金額、ゼロ。

 が、これですむとは、だれも思っていない。
『スペインのカタルーニャ州政府のアルトゥール・マス知事は25日、中央政府に対して支援を重ねて要請した』(ブルームバーグ)と。

 つづいて『スペイン政府が今月初めに国有化した同国銀行3位のバンキア・グループは、不動産融資とそれ以外の融資の引当金を準備するため、190億ユーロ(約1兆9000億円)の公的資金による追加支援を申請する』(ブルームバーグ)と発表した。
これについて、大和キャピタル・マーケッツのエコノミスト、トビアス・ブラットナー氏(ロンドン在勤)は、25日の電話取材に対し、「われわれが最初からずっと指摘してきたようにバンキアは氷山の一角にすぎない」(ブルームバーグ)と答えている。

 氷山の一角!

●資本主義社会のリシャッフル

 トランプ(ゲーム)では、ときどきカードをリシャッフルする。
こうしてゲームの公平性を保つ。
同じように今、世界で、富のリシャッフルが起きている。

 それほど働かなくても、優雅な生活ができる人たちがいる。
その一方で、働いても働いても、貧しい生活を強いられる人たちがいる。
今のところこの日本は、前者の「優雅な生活ができる国」に属している。
貿易収支(モノ)が赤字でも、資本収支(金貸し)で、何とかカバーしている。
が、こんな状態がいつまでもつづくとは、だれも思っていない。

 その先陣を切ったのが、(「先陣」というのも、おかしいが)、EUということになる。
もともとアメリカのドルに対抗し、EUが生まれ、ユーロが生まれた。
当初、ユーロはドルを凌駕(りょうが)するほどの勢いを見せた。
相対的に、アメリカドルの地位は衰退した。
日本が橋本政権だったころの話である。

 その結果、今のEUが生まれた。
ギリシャを含む南欧世界が生まれた。
みな、それほど働かなくても、優雅な生活ができるようになった。

 が、ここにきて、EUの国家経済が、つぎつぎとおかしくなってきた。
まさに「リシャッフル」が、始まった。

●映画『ファミリー・ツリー』

 ところで私とワイフは、おとといの夜、ジョージ・クルーニー主演の映画『ファミリー・ツリー』を見てきた。
内容はまさに、アメリカのハリウッド映画。

 仕事中心主義の夫。
その夫で、さみしい思いをしていた、(=ヒマをもてあましていた)妻。
それを理由に、妻は不倫。
(セックス第一主義の、実にアメリカらしい、発想!)
その最中、妻はボート事故で、植物人間に。
事故のあと、夫は、妻が不倫を重ねていたことを知る。

 私はあの映画が始まると同時に、即座にこう思った。
「何だ、このド・ぜいたくな生活は!」と。

 うそだと思うなら、そういう視点で、あの映画を見てみたらよい。
映画は一応、(家族の絆の大切さ)をテーマにしている。
しかしそんなことは、ド・ぜいたくは、アメリカだからこそ、言えること。
少なくとも、世界の標準ではない。
今の今も、世界の人口の3分の1の人たちは、じゅうぶんな食料もなく、飢餓状態であえいでいる。

 「何が、家族だ!」
 「何が、不倫だ!」
 「何が、子どもの教育だ!」と。

 まさに飽食映画。
ド・ぜいたく映画。
それが『ファミリー・ツリー』。
そしてそれがさもあるべき、人間の生活であるかのように、私たちに見せつける。
「これがあるべき本来の生活だ」と。

 あのね、どうしてアメリカ人だけが、ああした、ド・ぜいたくな生活ができるか、それを一度、考えてみたらどう?

 言うまでもなく、強大な軍事力に支えられた、強いドルが、それを可能にしている。
いくら印刷に印刷を重ねても、世界の人たちは、ドル紙幣をほしがる。
言うなれば有名画家の絵画と同じ。
サラサラと描いても、数万ドル、数10万ドルで売れる。

●自業自得

 私もあるとき、息子の1人にこう言われたことがある。
(だからといって、その息子を責めているのではない。誤解のないように!)
「パパは、仕事ばかりしていて、家庭を顧みなかった」と。

 事実、そうだったから、反論のしようがない。
私は仕事ばかりしていた。
が、私たちが生きた時代は、そういう時代だった。
多かれ、少なかれ、みな似たような生活を送っていた。
孤立無援。
その中で、家族にだけは、ひもじい思いをさせたくないとがんばった。
学費だけは、惜しみなく出してやろうと願った。

 が、最近の若い人たちは、私たちが経験したような時代を知らない。
ボットン便所すら知らない。
知らないばかりか、アメリカの生活を基準に、こう言う。
「戦争を起こしたのは、パパたちの世代だ。自業自得」と。
(戦争を起こしたのは、私たちではないのだが……。)

 不幸なことに、本当に不幸なことに、豊かな生活は、天から降ってくるものと思っている。
映画『ファミリー・ツリー』の中で見るような生活が、世界の標準と思っている。

●アメリカの尻馬

 が、豊かであることは、悪いことではない。
ショッピングセンターに行けば、モノや食料品が山のように積んである。
電気やガスも、今のところ無事、使うことができる。
「水資源」が豊かなのは、本当に、ありがたい。

 が、その豊かな生活に、このところ陰りが見え始めた。
簡単な計算だが、あなたの現在の生活から、1000万円x(家族数)の現金を引いてみればよい。
(3人家族なら、3000万円を引く。)
それが日本人の、現実の(力)ということになる。
(国の借金を、1人=1000万円で計算した。)

 そのとき、あなたの周囲に、何が残るか?
ふつうは、何も残らないばかりか、借金が残るはず。
が、それでも、何とか今は、豊かな生活ができる。
なぜか?

 理由は簡単。
アメリカの尻馬に乗り、かろうじて(円)の力を維持しているからにほかならない。
辛らつな言い方に聞こえるかもしれないが、事実は事実。

●日本の国益

 が、日本人の私たちは、それでも日本の国益を最優先する。
理由がある。

 日本を一歩外に出れば、そこは野獣うごめく、無法地帯。
弱肉強食の論理だけが通用する、野蛮世界。
食うか、食われるか。
見た目はともかくも、資本主義経済というのは、原罪的にそういった宿命を負っている。
そういう中、もしここで日本が気を緩めれば、日本はあっという間に、野獣の餌食になってしまう。
(すでになってしまっているが……。)

 スポーツと同じとまでは言わないが、はじめから「負けてもいいや」では、勝負にならない。
勝つことはできない。
懸命に戦っても、現状維持が精一杯。
そんな中、冒頭の結論に戻る。

いい子ぶるな。
お人好しになるな。

●ちまちました人間

 たまたま昨日(5月25日)、石原東京都知事は、20年夏季五輪招致に対する国内支持率を批判し、こう言った。

「一体、日本人は何を望んで、何を実現したら胸がときめくのか。
ちまちました自分の我欲の充実で、非常にやせた民族になった」(定例記者会見)と。

 国際オリンピック委員会(IOC)の調査で、国民の支持率が47%と低かったことについて、である。

 私はまったく同感である。
が、それに対して、若い人たちの反応には、驚くべきものがある。
2チャンネルへの書き込みを、上から選択しないで、10個だけ、転載させてもらう。

★お前がオリンピックやろうとしてることが我欲の充実なんじゃねえかw

★国民が望んで無い事を都知事が勝手に突っ走って何を考えているのか?

★オリンピックをなぜ欲しがるのかさっぱりわからん

★我欲の塊のジジイがなんか言ってら

★オリンピックよりも先にやらなきゃならんことが山積みだから反対してんだろ。
バカかこのジジイは

★そもそもなんで運動のできる人に金払って、遊ばせておくのか意味がわからん

★栄えるのは東京だけ

★五輪は欧米でやるからこそ有難味があんだろ

★オリンピックなんかやらなくていいよワールドカップだけ誘致すればいい

 敗戦後の混乱期。
その中からはい上がった日本人。
その日本人は、あの東京オリンピックに、「光」を見た。
未来につづく「希望」を見た。
精神だけではない。
もちろん東京オリンピックが日本にもたらした経済的利益には、計り知れないものがある。

 今の若い人たちに、それを理解せよと言っても、無理なのかもしれない。

●負け戦

 今日も、こんなニュース。
 
 リコーがデジタル複合機の国内主力工場である御殿場事業所(静岡県御殿場市)を、2013年3月末までに閉鎖するという(26日)。

昨日(25日)、半導体大手のルネサスエレクトロニクスが、従業員約4万2000人のうち、1万~1万2000人をリストラすると発表したばかり。
これによって、『この2月に経営破綻し、経営再建中のエルピーダメモリにつづき、国内電機大手の共同出資による「日の丸半導体」メーカーは、さらに苦境に立たされることになる』(以上、時事通信)と。

 つまりこの先、こんなニュースが毎日つづくようになる。
日本という国家は、少しずつ終焉を迎える。
これを私の世界では、「負け戦」という。
が、この負け戦ほど、神経を消耗し、腐らせるものはない。

 だからここは、なりふり構わず、ふんばる。
繰り返す。

いい子ぶるな。
お人好しになるな。

 今の日本に、そんな余裕は、ないぞ!
2012/05/27夕方記


Hiroshi Hayashi+++++++May. 2012++++++はやし浩司・林浩司

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