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子育て最前線の育児論byはやし浩司 6月 4日号
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【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
●菅直人前首相の英断(菅直人前首相、あなたは日本を救った大恩人だ!)
●2011年5月6日
今朝(2012年4月11日)の中日新聞は、
1面トップで、菅直人前首相の英断を報道している。
要約してみる。
時は2011年の5月6日。
時の経産省は、「浜岡原発を停止する見返りとし、他の原発の再稼働を画策していた」(大見出し)。
その趣旨に沿い、経産省は、
(1)午後4時から「大臣会見」を行う。
(2)経産省側の意見に沿い、「浜岡を止め、他の原発を立ち上げるシナリオ」を発表する。
(3)「法律で何とかならないか」と迫る経産省側。
(4)それに難色を示した菅直人前首相。
(5)その結果、午後4時の「大臣会見」は見送られた。
(6)その後、総理執務室で、経産省の幹部と、官邸の主要メンバーが集まり、再び会議が開かれた。
ここからが重要だから、とくに注意してほしい。
そのとき菅直人前首相は、(7)「経産省の発表では、他の原発を再稼働するのを容認しかねないと警戒」(同記事)。
(8)菅直人前首相は、午後7時10分に、「おれが会見する」と発言し、「主導権を握った」(同記事)と。
●日本を救った英雄
さらに要点だけを簡単に言えば、こうだ。
原発の再稼働を画策する、経産省(官僚側)。
それに危機感を抱いた菅直人前首相は、経産省主導の大臣会見を拒否。
自ら会見を買って出た。
そういうことになる。
常識で考えても、あの時点で、(原発事故から2か月もたっていない時点で)、原発の再稼働を画策するほうが、おかしい。
爆発事故もつづき、被害の全容すら、よくわからなかった。
一方、経産省と電力会社は、一心同体。
経産省は電力会社の代弁者としての立場にあった。
もしそうでないというのなら、なぜ経産省という、ただの役人集団が、原発の再稼働を画策していたのか。
だいたいこの図式がおかしい。
オーストラリアでも、アメリカでも、役人が政治家にたてついたら、その場でクビ。
実際には、政治家、とくに内閣行政府にたてつく役人は、いない。
そんなことが野放しになっている国は、この日本だけ。
日本が「官僚主義国家」と言われている所以(ゆえん)は、こんなところにもある。
それはさておき、このあと、猛烈な菅直人叩きと、菅直人降ろしが始まる。
結果は、みなさん、ご存知の通り。
「原発事故当日に、原発を視察した」とか、「取り乱して叫んだ」とか、理由にもならない理由をこじつけた。
そして「海水注入」については、あたかも菅直人前首相が反対したかのような報道がつづいた。
(実際には、そういった事実はまったくなく、海水注入はそのままつづけられていた。)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
去る2012年1月3日に書いた原稿を、再掲載します。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
【菅直人前首相、吉田昌郎所長、ありがとう!】
●励まし
昨日(01月01日)、何通かのメールが届いた。
うち1通を、ここで、そのまま紹介させてもらう。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
【KO氏より、はやし浩司へ】
貴兄のブログで菅前首相、吉田前工場長を絶賛されているので驚き、嬉しく思いました。
特に菅前首相は史上最悪の首相と様々な分野で評価されていますので。
私は東工大機械工学卒で菅さんの後輩、吉田さんの先輩に当たります。
菅さんも自分の行為は歴史が評価するというようなことを言っていますが、まさにそういうことになるのだと思います。
私は早期退職、セミリタイア状況で、技術アドバイザーとして週に2日程度活動しております。
また高校OB会の地元の会長をやって(やらされて)おります。
原発関係ではあの清水前社長や天野IAEA事務局長が、高校先輩になります。
宇宙飛行士の古川さんは後輩ですが、彼のことだけは嬉しいことでした。
環境・エネルギー関係そしてハワイについてのブログをUPしていますので、お時間のある時に見ていただけたら幸甚です。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●励まし
私は毎日、こういう読者の方たちに支えられている。
またそれがあるからこそ、こうしてものを書くことができる。
KOさん、ありがとうございました!
今年も、がんばります。
よろしくお願いします。
●菅直人前首相
たいへん恥ずべきことだが、私は「菅直人前首相」を、「管直人前首相」を書いていた。
正しくは、「管」ではなく、「菅」。
KO氏は、以下の私の書いた原稿に、先に転載したコメントを寄せてくれた。
もう一度、そのとき私が書いた原稿を、掲載する。
日付は、2011年09月12日になっている。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●日本を救った、菅直人前首相と吉田昌郎所長
+++++++++++++++++
あの日、あのとき、菅直人前首相は、
日本を救った。
それはまぎれもない事実である。
読売新聞は、以下のように内幕を伝える。
+++++++++++以下、読売新聞、2011-9-12+++++++++++
枝野幸男前官房長官は7日、読売新聞のインタビューで、東京電力福島第一原子力発電所事故後の3月15日未明、東電の清水正孝社長(当時)と電話で話した際、作業員を同原発から全面撤退させたい、との意向を伝えられたと語った。
東電関係者は、これまで全面撤退の申し出を否定している。菅前首相や海江田万里前経済産業相は「東電が作業員の撤退を申し出てきた」と説明してきたが、枝野氏は今回、撤退問題に関する具体的な経過を初めて公にした。
枝野氏は、清水氏の発言について「全面撤退のことだと(政府側の)全員が共有している。そういう言い方だった」と指摘した。
枝野氏によると、清水氏はまず、海江田氏に撤退を申し出たが拒否され、枝野氏に電話したという。枝野氏らが同原発の吉田昌郎所長や経済産業省原子力安全・保安院など関係機関に見解を求めたところ、吉田氏は「まだ頑張れる」と述べるなど、いずれも撤退は不要との見方を示した。
菅氏はこの後、清水氏を首相官邸に呼んで問いただしたが、清水氏は今後の対応について明言しなかったという。このため、菅氏は直後に東電本店に乗り込み「撤退などあり得ない」と幹部らに迫った。
枝野氏は菅氏の対応について「菅内閣への評価はいろいろあり得るが、あの瞬間はあの人が首相で良かった」と評価した。
+++++++++++以上、読売新聞、2011-9-12+++++++++++
●菅直人前首相の大英断
東京工業大学出身の菅直人前首相であったからこそできた、大英断である。
もしあのとき東京電力が、福島第一原発を放棄していたら、菅直人前首相が言うように、「東京ですら、人っ子1人、いない状態になっていた」。
もう一度、読売新聞の記事を整理してみる。
(1)東電の清水正孝社長(当時)と電話で話した際、作業員を同原発から全面撤退させたい、との意向を伝えられたと語った。
(2)が、東電側は、これまで全面撤退の申し出を否定している。
(3)しかし政府側は、東電側が全面撤退を申し出てきたと、全員が認識した。
いわく、『枝野氏は、清水氏の発言について「全面撤退のことだと(政府側の)全員が共有している。そういう言い方だった」と指摘した』と。
つまり東電側は、そういう言い方をしてきた。
その後の東電側の動きを重ね合わせてみると、東電側は、事故直後早々と、「全面撤退」を考えていたことがわかる。
「政府側の安全基準を満たしていたから、(私たちには責任はない)」(報道)などという発言もそのひとつ。
(4)原発の直接責任者である吉田氏は、「まだ頑張れる」と述べるなど、いずれも撤退は不要との見方を示した。
これはあとになってわかることだが、吉田氏は、東電側のあいまいな指示を無視、海水を注入しつづけ、原子炉の爆発を防いだ。
もしあの段階で、吉田氏の英断がなければ、福島第一原発は大惨事を招いていたはず。
(5)ここからがとくに重要。
読売新聞は、つぎのように伝えている。
『菅氏はこの後、清水氏を首相官邸に呼んで問いただしたが、清水氏は今後の対応について明言しなかったという。このため、菅氏は直後に東電本店に乗り込み「撤退などあり得ない」と幹部らに迫った』と。
●福島第一原発・吉田昌郎所長
「The Wall Street Journal」(2011年5月27日)、日本語版は、以下のように伝える。
++++++++++++以下、The Wall Street Journal++++++++++++
本社の停止命令に背いて注水を続けていた福島第1原発の吉田昌郎所長、彼の判断をどう評価すべきか、社会人としていろいろ考えた人が多かったのではないだろうか。
同所長は、会社の命に背いて注水を続けたことに加え、その報告を怠って政府や国会を混乱させたことの責任を問われ処分されるという話だ。
昨日、テレビに大写しになった吉田所長は、うつろな顔をしていた。
会社の判断を無視したのは確かだ。
しかし、会社の注水停止判断は、技術者なら誰でも認めるような明らかな間違いだったのだ。
確かに、もう少し早く報告できただろうという気はする。
++++++++++++以上、The Wall Street Journal++++++++++++
この吉田氏の行為に対して、菅直人前首相は、『視察後、首相が名指しで謝意を表明したのは東京から同行した武藤栄副社長ではなく、吉田所長だったそうだ』(日本経済新聞・4月8日)とある。
なお東京電力側が海水の注入をためらったのは、一度「海水」を注入すると、原子炉そのものが使い物にならなくなるからである。
東京電力側は、あの場に及んでも、そんなことを心配していた(?)。
●もしあのとき……
もしあのとき菅直人前首相ならびに、吉田昌郎所長の英断がなければ、日本は完全に沈没していた。
事実を、よく見てほしい。
100万キロワット(福島第一原発の原子炉1機分のみ)の加圧水型軽水炉(PWR)が事故を起こしたとする。
そのとき内蔵する核分裂精製物の量は、11577京ベクレル。
うち20%が放出されたとして、2290京ベクレル。
とほうもない量である。
電気出力100万キロワットの原発を、数年運転すると、1万3600京ベクレルの放射性物質が生まれる。
「その量は、広島型原爆の数千発分に相当する」(瀬尾試算「原発事故」宝島社)。
数千発分だぞ!
ちなみに、チェルノブイリでは、1880京ベクレルの放射性物質が放出されたという(京大グループ調査。)
が、もしあのとき福島第一原発が放棄されていたら、原子炉の爆発は避けられなかった。
それが4機+2機。
つぎつぎと爆発。
それで計算すると、11万京ベクレルx4=44万京ベクレル※(以上、瀬尾試算、「原発事故」宝島社)
チェルノブイリの比ではない。
東京都も含めて、東北地方には、人はだれも住めなくなっていた!
その深刻さを鑑みるにつけ、菅直人前首相、吉田昌郎所長を、日本を救った大英雄と言わずして何という。
ともに東京工業大学出身であったからこそ、こうした判断ができた。
だから、枝野氏は菅氏の対応について「菅内閣への評価はいろいろあり得るが、あの瞬間はあの人が首相で良かった」と評価した。
●後書き
やがてあの事故が、詳細に検証される日がやってくるだろう。
そしてそれがわかったとき、みな、こう言うにちがいない。
「菅直人さん、ありがとう! 吉田昌郎さん、ありがとう!」と。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 日本の英雄 日本を救った2人の英断 瀬尾試算)
以上、2011年09月12日の原稿より
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●なぜ、菅直人前首相ではだめだったのか?
菅直人前総理大臣が、首相の座を降り、ちょうど4か月になる。
(菅直人氏は、2011年09月02日に、内閣総理大臣を辞職。)
が、この4か月、日本は、よくなったのか。
何か、変わったのか。
現在は、野田佳彦首相が、総理大臣職を引き継いでいる。
が、私はいまだに野田佳彦首相が、どんな人物なのか、よくわからない。
顔が見えてこない。
見えてこないから、批評のしようがない。
ただここで言えることは、野田佳彦首相が、菅直人氏をやめさせてまで、首相になる価値のある人物だったかどうかというになると、私はそうは思わない。
談合政治?
八方美人?
無色透明で、言葉はうまいが、中身がない?
当たり障りのない、無難政治家?
長期政権をねらっている?
こうした(?)マークを、野田佳彦首相には、10個ほど並べたい。
これはあくまでも仮定の話だが、あの3・11震災時に、もし野田首相が事故を取り仕切っていたとしたら、この日本はどうなっていたか。
それを想像するだけでも、ぞっとする。
東京電力と保安院の言い分に押され、福島第一原発は、放棄。
そのあと発電所はつぎつぎと爆発、メルトダウン。
最近になって、事故直後、菅直人前首相が、あたりかまわず怒鳴り散らしていたという報道が伝わっている。
「感情をむき出しにするような人物は、首相として失格」と。
バカヤロー!
あの時点において、感情をむき出しにしない首相はいない。
むき出しになってくれたからこそ、東京電力側は、菅直人前首相の言うことを聞いた。
菅直人前首相の命令に従った。
こう書くと、福島県の人たちには申し訳ない。
が、今、福島県以外の人たちが、(私たち静岡県人も含めてだが)、事故以前とほとんど変わりない生活ができているのは、菅直人前首相、ならびに吉田昌郎所長のおかげである。
そのことを思えば、ささいなミスや失敗など、腸から出るガスのようなもの。
菅直人前首相は、「いつか、私の正しさは歴史が証明してくれる」というようなことを言っている。
それはその通りで、その歴史は、すでに今、始まりつつある。
読売新聞(11-09-12)の記事は、それを証明する、貴重な証拠のひとつということになる。
私たちはこの事実を、後世の人たちに伝えていかねばならない。
菅直人前首相、吉田昌郎所長、あなたがたは日本を救った、大英雄である。
大恩人である。
ありがとう!
(付記)
こんなことは、この場では、どうでもよい話かもしれない。
しかし一言。
ここに出てくる「東工大」、つまり東京工業大学を設立したのは、恩師の田丸謙二先生の父親の、田丸節郎である。
田丸節郎は、ベルリン大学に対して、ベルリン工科大学があるのを学び、東京大学に対して、東京工業大学の設立をもくろんだ。
それに対して、当時の政府は、「東京大学にも、工学部があるだろ」と反対。
しかしその反対を押し切り、田丸節郎は、東工大の設立にこぎつけた。
もしあのとき、東京工業大学の設立がなかったら……。
というより、田丸節郎のそうした先見の明があったからこそ、現在の日本がある。
先日(2012年4月はじめ)、田丸謙二先生(東大元副学長)が、直接、私にそう話してくれた。
詳しくは、
http://ktamaru.ninja-web.net/
をご覧になっていただきたい。
(はやし浩司 教育 林 浩司 林浩司 Hiroshi Hayashi 幼児教育 教育評論 幼児教育評論 はやし浩司 菅直人首相 英雄 大英断 吉田昌郎 英雄 日本を救った恩人 福島第一原発事故 はやし浩司 英雄 菅直人 はやし浩司 東京工業大学 東工大 田丸節郎 田丸謙二先生 瀬尾試算 原発事故 宝島)
(注※瀬尾試算)
「電気出力100万キロワットの原発を数年運転すると、瀬尾試算では、1万3600京ベクレル。
その放射能の量は、俗に広島原発数千発分に相当すると言われている」(「原発事故」宝島社、P44)と。
なお福島第一原発のばあい、原子炉1機ぶんだけで、100万キロワット。
それが4機だから、この試算の4倍もの、放射能の量があることになる。
その恐ろしさは、簡単な掛け算をしてみれば、わかるはず。
そんな原子炉が、40年近くも稼働していた!
それが爆発した!
Hiroshi Hayashi+++++++April. 2012++++++はやし浩司・林浩司
【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【日本は……!】
●湯谷温泉・泉山閣にて(はやし浩司 2012-04-08)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
春休み最後の1日は、湯谷温泉、泉山閣で過ごすことにした。
浜松市内から、車で、1時間ほど。
静岡県と愛知県との県境。
ひなびた山あいにある温泉郷。
昔からある由緒ある温泉郷。
この泉山閣には、こんな思い出がある。
「思い出」というよりは、私はこの温泉で、はじめて温泉のよさを知った。
以来、病みつきになってしまった。
つまり温泉巡りが好きになった。
それまでの私は、「温泉というのは、ジジババ様の行くところ」と考えていた。
が、気がついてみたら、私がそのジジ様になっていた。
その洗礼を受けたのが、この泉山閣。
私にとっては、大切な旅館である。
何もかもどこか古くて元気はないが、仲居さんたちのやる気度は満々。
テカテカの大理石も悪くはない。
しかし田舎らしい(失礼)、素朴なサービスを楽しむことができる。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●山育ち
私はもともと山育ち。
そのせいか、海も好きだが、落ち着くといえば、こうした山あいにある温泉。
木々の香りをかぎ、川のせせらぎを聞いただけで、そのまま心が溶けてしまう。
……脳みそが思考を停止し、眠くなってしまう。
が、同時に、こうしていつまでもパソコンのキーボードを叩いていたい。
ほかにしたいことはない。
することもない。
できることもない。
今の私は、こうして思いつくまま、キーボードを叩いているのが、何よりも楽しい。
●バブル世代
とは言え、最近、世相を考えるたびに、さみしくなる。
おかしなニヒリズムが、時折、私を襲う。
「どうでもなれ」とか、「どうにもならない」とか。
つい先日には、BLOGにこんなコメントがついた。
「貴殿のような老人がいる自体が、老害なんだ」と。
もちろん相手は、若い人である。
「あんたがた、バブル世代が、日本の繁栄を食いつぶした。それを率直に認めろ」とも。
が、私たちの意識は180度、逆を向いている。
私たちバブル世代(=団塊の世代)こそが、現在の日本の繁栄を築きあげた。
そういうつもりでがんばってきたわけではないが、結果として、この日本は、そうなった。
そういう自負心は、どこかにある。
その私たちの世代をさして、「バブル世代」という。
この悲しさ。
この無念さ。
プラス、さみしさ。
この先、老人虐待は、ますますふえるだろう。
「老人難民」という言葉も、生まれつつある。
孤独死、無縁死、そのあとの無縁仏は、常識化する。
それをワイフに告げると、ワイフはこう言った。
「そうでないことを、あなたはもっと若い人たちに伝える必要があるわ」と。
ワイフは、「今の若い人たちは、私たちの世代を誤解しているのよ」と。
●誤解
誤解といっても、これは意識の問題。
私1人くらいが説明したところで、どうにもならない。
たとえて言うなら、意識というのは、日本という川を流れる大河。
その大河に、竹竿の1本や2本をさして、どうなる?
私の息子たちでさえ、私がもっている意識とは、180度、ちがう。
いつもこう言っている。
「パパは、仕事ばかりしていて、家庭を顧みなかった」と。
たしかにそうだった。
その通りだった。
それは認める。
仕事第一人間だった。
しかしそれしか、私には(=私たち団塊の世代には)、やりようがなかった。
あのどん底から、這いあがるには、それしかなかった。
息子たちにだけは、ひもじい思いや、貧困の悲しみを、味あわせたくない。
大学だけは出してやらねば、と。
そんな負担感は、いつもあった。
加えて、私には、実家のめんどうをみるという、重い荷物を背負っていた。
結婚前から、収入の約半分を、実家へ送っていた。
病気になることもできない。
仕事を休むこともできない。
1か月に、休みが1日しかないという日々が、何年もつづいた。
そういう苦労を、息子たちは、別の目でとらえていた。
(だからといって、息子たちを批判しているのではない。
それが現代の、おおかたの若い人たちの標準的な考え方ということになる。
もちろんそうでない若い人たちも多いが……。)
●温泉
先ほど、露天風呂に入ってきた。
つづいてたった今、大浴場から戻ってきた。
泉山閣には、失礼かと思ったが、このところどこへ泊まっても、ガンマ線を測定している。
温泉によっては、放射線量の高さを売り物にしているところもある。
それに対して、WHOは、日本政府に対して、「危険」という警告を何度もしている。
アメリカなどでは、放射線の高い地域では、建築許可がおりないという。
が、この日本では、野放し(?)。
で、いつも放射線測定器をもって、私はあちこちを旅行している。
で、先ほど、大浴場で測定してみた。
湯面から、20センチほどの高さに置いて、測定してみた。
結果は、0・06~0・07μシーベルト。
通常、1メートルの高さで測定する(注意書き)。
それによれば、0・05~0・06μシーベルト。
浜松市内でも、0・05~0・06μシーベルトだから、まったく問題なし。
地下1000メートルからの源泉というから、この程度の値は、当然といえば当然。
誤差の範囲。
(測定器は、エステー株式会社の、Air Counter-S。
主にガンマ線を測定する。)
それを知り、2回目の入浴のときは、のんびりと、ゆっくりと湯につかった。
●温泉客
大浴場で、3人の男たちと知り合いになった。
愛知県の西尾市から来ているということだった。
年齢が、67歳、73歳、もう1人は不明……。
話題はもっぱら体重について。
みな、70キロ前後もあるという。
私もその程度の体重だから、偉そうなことは言えない。
しかし私のばあい、運動をしているせいか、ブヨブヨ感はない。
割と引き締まっている。
(自分で、そう思っているだけだが……。)
が、大切なのは、大腿筋(太もも)。
大腿筋(太もも)が、鳥のガラのようになったら、よくない。(……そうだ。)
骨と皮だけ。
3人の中の1人がそうだった。
歩くのも、難儀そうだった。
あとはこの悪循環の中で、ますます足腰が弱くなっていく。
が、それだけではない。
大きな筋肉は、(その第一が、脚の大腿筋ということになるが)、それ自体がホルモンを分泌するという。
とくに大腿筋(太もも)は、若返りのホルモンを分泌するという。
少し前、何かの本で、そう読んだことがある。
つまり足腰を鍛えると、若返るということ。
もう一度、その真偽のほどを確かめてみる。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
検索してみた。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●マイオカイン
あちこちのサイトを読んでみる。
その結果、大きく2つの説があることがわかった。
(1) 運動が刺激となり、脳内の成長ホルモンの分泌を促す。
(2) 新しい筋肉ができると、若返りのホルモンが分泌される。
某整体道場のサイトには、こうあった。
『……下半身の筋肉を鍛えて、新しい筋肉ができると「マイオカイン」といって若返りのホルモンが分泌されます。
マイオカインは、脂肪の分解、糖代謝の改善、動脈硬化の予防、また認知症の予防などに効果的に働くと云われています』(某整体道場HP)と。
そこでさらに「マイオカイン」について調べる。
「マイオカイン」で検索をかけたら、すぐ見つかった。
「おもいっきりTV」というテレビ番組がある。
そのサイトに、こんな記述が見つかった。
『筋肉から健康によい新物質が分泌されることがわかった。
その名は「マイオカイン」。
★筋肉から出る新物質マイオカインの健康効果としては、つぎのものがある。
★脂肪組織に働いて脂肪分解
★肝臓に働いて糖代謝改善
★血管壁に働いて動脈硬化予防
★脳に働いて認知症予防
★筋肉の種類とマイオカイン
白筋・・・激しい運動で出る
赤筋・・・日常動作で出る
つまり赤筋を増やすことで特別な運動なしで常に健康物質マイオカインを出すことが可能である』(「おもいっきりTV」)と。
筋肉がホルモンを分泌しているなどということは、20年、30年前には、考えられなかった。
さらに最近では、こんなこともわかった。
何と胃壁からも、ある種のホルモンが分泌されているという。
ある研究者が、あるホルモンを調べていた。
が、脳のどこをさがしても、その分泌先がわからなかった。
で、枠を広げ、体中を調べてみたら、何と胃壁から分泌されていることがわかった、と。
そんな話も、何かの本で読んだことがある。
これについても、一度、自分で調べてみる。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
胃壁からホルモン。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●ガストリン
Meddic Jpサイトには、つぎのようにある。
『……ガストリン(gastrin)は、主に胃の幽門前庭部に存在するG細胞から分泌されるホルモン。
胃主細胞からのペプシノゲン分泌促進作用、胃壁細胞からの胃酸分泌促進作用、胃壁細胞増殖作用、インスリン分泌促進作用などが認められている。ガストリン分泌は……』と。
今度は、「ガストリン」?
要するに、体中が、ホルモンの分泌器官であるということ。
が、それ以上に驚くことが、こうした山あいの旅館にいて、直接調べられるということ。
15年前なら、一日中、図書館にこもり調べてもわからなかった。
そんなことが、瞬時に、わかる。
(驚き!)
このあたりで追跡調査はやめにしておく。
キリがない。
●要するに……
「マイオカイン」にしても「ガストリン」にしても、名前だけ。
実物を見ても、ただの何かの水溶液にしか見えないはず。
便宜上、学者たちが、そういう名前をつけ、区別しているだけ。
だから名前を覚えても、意味はない。
要するに、大切なことは、運動をつづけること。
その運動が、肉体の健康を保つと同時に、心身を若返らせるということ。
素人の私たちは、その程度のことを知っていれば、じゅうぶん。
●夕食
夕食は、部屋食。
ここ泉山閣の料理には、定評がある。
風呂で会った人たちも、みな、こう言った。
「ここの料理は、いいね」と。
この言葉に、異論はない。
●仰げば尊し
『♪仰げば尊し』という歌がある。
今でも、私はその歌を聴いたり、歌ったりすると、涙が流れる。
(ただしワイフは、平気。)
今日、ここへ来る途中、その歌を聴きながらやってきた。
たまたまネットでその歌を、拾った。
その『♪仰げば尊し』が、台湾では、今でも歌い継がれているという。
「和(倭)性のものは、袈裟まで憎し」という韓国、北朝鮮とは大違い。
が、それだけではない。
その台湾で歌われている、『仰げば尊し』の歌詞がすばらしい。
YOUTUBEの中で歌われている、『♪仰げば尊し』を、紹介する。
『♪校庭の草木が青々と生い茂る。
恵みの雨のごとく喜ばしい。
筆とすずりのように、親しく朝晩笑っていた。
なぜ今日が別れの朝なのか。
人生の道は多く、人の道は遥かに広い。
帆を上げて夜明けを待つ。
真心で教えてくださった、進路は心に抱いています。
先生の高い志を尊敬します』(歌詞は、YOUTUBE上の翻訳による)と。
台湾のみなさん、ありがとう。
あなたがたは、日本の第一の友人であり、仲間です。
なお原曲の作詞者も作曲者も、アメリカ人だそうだ。
最近の研究で、それがわかった(2011年)。
また台湾で、戦後もこの歌が歌い継がれていることについて、ウィキペディア百科事典は、つぎのように説明している。
『……この曲は台湾では現在も卒業式での「定番」として広く使用されており、映画「冬冬の夏休み」では、冒頭からこの曲が流れ、社会での定着度を示している。
台湾へは日本による植民地統治時代に使用されていたものが、1945年以降も引き続き中国語の歌詞によって使用されているものだが、歌詞は「中華文化高揚」というような民族的、政治的な色彩を加えているものの、日本語の歌詞の影響下で作られたものであり、その関連性が認められる』(以上、ウィキペディア百科事典より)と。
たしかに2番は、政治的な色彩の濃い歌詞になっている。
それは別として、この歌が、アメリカ人による作詞、作曲であることがわかったのは、ごく最近のこと。
が、台湾の人たちは、戦後、そのまま歌いつづけていてくれた。
わかるか?
日本人よ、わかるか?
日本よ、日本人よ、台湾を大切にしよう。
日本にとっては、この極東アジアでは、ただ1人の友人だぞ!
●ニヒリズム
ともあれ、今夜のテーマは、ニヒリズム。
虚無主義。
というのも、このところ、「どうでもなれ」とか、「どうにもならない」とか、そんなふうに思うことが多くなった。
「日本が……」と考えること自体、馬鹿らしく思うことが多くなった。
それをワイフに話すと、ワイフは、あっさりと、こう認めた。
「あなただけよ、そんなこと言っているのは! ほかのだれも、そんなことを言っていないわよ」と。
つまり今では、「天下国家を論じている人はいない」と。
「とくに定年退職者たちは、そのまま黙ってしまう」とも。
が、どっこい!
1人いる。
90歳近くになっても、まだがんばっている人がいる。
田丸謙二先生である。
先週、鎌倉で会ったときも、その話ばかりになった。
本来なら、現役から退き、自分のことだけを考えればよい。
が、そんな立場の先生でありながら、口にするのは、「日本は……」。
そういう意味では、先生は、いつも、この私に生きる勇気と希望を与えてくれる。
ワイフが言うように、もしこの私さえも、「日本は……」と言わなくなってしまったら、だれが私の代わりをするのか。
金を稼ぎながら、評論している人は別である。
名声を求めながら、評論している人は別である。
政府やどこかの団体の御用学者は、別である。
そういう人たちが、「日本は……」と論ずるのは、当然のこと。
大切なのは、私たち1人ひとりが、庶民の立場で、「日本は……」を論ずること。
それを忘れたら、この日本に、明日はない。
今、私がこうして書いている文章にしても、そのまま「絶滅」する。
そうでなくても、もし日本語そのものが、マイナーな言語になってしまったら……?
それを考えると、さみしい。
しかしそれこそ、私たち日本人の魂の死を意味する。
何としても、それだけは、阻止しなければならない。
100年後、200年後の日本。
私たちが目指すのは、そういう日本!
田丸謙二先生は、いつも私を励まし、支えてくれた。
今も、励まし、支えてくれる。
田丸謙二先生、ありがとう!
●2度目の入浴
これから3度目の入浴に行ってくる。
ここの温泉は、すばらしい。
本当に、すばらしい。
たぶん、そのあとは、バタン……と眠ってしまうだろう。
だからここで、今日の日記はおしまい。
明日からいよいよ仕事。
充実した春休みだった。
やりたいことは、すべて、した。
義兄も、こう言っている。
「来年のことは、わからないよ。年齢というのは、そういうものだよ」と。
私にも、それがよくわかっている。
わかっているから、今、がんばるしかない。
がんばろう。
(はやし浩司 教育 林 浩司 林浩司 Hiroshi Hayashi 幼児教育 教育評論 幼児教育評論 はやし浩司 泉山閣 湯谷温泉 大腿筋のホルモン はやし浩司 太もものホルモン 胃壁 ホルモン ニヒリズム)
Hiroshi Hayashi+++++++May. 2012++++++はやし浩司・林浩司
【意識論byはやし浩司】2012年4月11日(水曜日)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
『知らぬが仏』という諺がある。
まさに、それ。
たまたま昨年の夏、書斎(2階部にある)の天井裏をのぞいた。
そのときのこと。
巨大なハチの巣があるのがわかった。
縦1・5メートル、横50センチほど。
屋根裏から壁に沿って、大きなつららのようにぶらさがっていた。
通常見かけるスズメバチの巣とは違い、外側の殻はなかった。
内部がそのままむき出しになっていた。
が、幸い、もぬけの殻。
ハチはいなかった。
「?」と思いながら、理由を考えた。
で、ひとつ思い当たるのは、数年前のこと。
家の内外で、ゴキブリがたくさん出没するようになった。
そこで発煙式のゴキブリ退治薬を家中でたいた。
全部で、7~8個は使っただろうか。
一度に、一斉にしなければ意味がないだろうということで、天井から床下まで、一気にした。
もちろんこの書斎の上の天井でも、たいた。
たぶんそのとき、巣の中のハチは全滅したのだろう。
それにしても、あぶなかった。
知らないでいたら、ハチの大群の襲われていたかもしれない。
今にして思うと、そういうことになる。
で、今朝、その巣をワイフに見せてやった。
が、またまた不思議なことが起きていた。
昨年の夏に見たときには、巨大な巣だったはず。
それが、8割ほど、消えていた。
屋根裏に少し張りついて、その残がいが残っているだけ。
下へ落下した形跡もない。
「?」と思ったが、理由がわからない。
「ハチというのは、巣をリサイクルするのよ」とワイフ。
そうかもしれない。
もしそうなら、ハチはその巣をどこかへ移したのかもしれない。
それにしても、『知らぬが仏』。
私たちの生活は、いつも、そうした危険にさらされている。
改めて、それを確認した。
今朝は、常識→意識→哲学について考えてみた。
***************************
以下、思いついたまま書いたので、内容がバラバラです。
つまり支離滅裂。
その点をどうかご留意の上、お読み下さい。
***************************
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
【常識→意識→哲学】
●国によってちがう意識
その人がもっている意識ほど、アテにならないものはない。
人だけではない。
国がもっている意識にしても、そうだ。
言い換えると、私の意識ですらも、アテにならない。
この日本がもっている意識にしても、そうだ。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●とっかかり
ニュースは、北朝鮮のミサイル発射実験一色。
ロイター伝によれば、「11日中(今日)に発射準備は完了する」という。
詳細はよくわからないが、燃料注入が今日中にすむということか。
もしそうなら、ミサイルの発射は、明日もしくは、この数日中ということになる。
(日本のマスコミは、12日説、ロシアのマスコミは、14日説を唱えている。)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●管制室
昨日の中日新聞は、ミサイルの発射を管制する管制室の写真を掲載していた。
中央の通路をはさんで、左右に2列、前後に2列。
計4個の机。
その上に3台ずつのモニターとキーボード。
計12台。
(台湾のACER製のモニターということが、わかっている。)
まことにもって、「?」な写真で、あえて分析するまでもない。
全面の壁には、5つのモニターが映し出されていたが、よく見ると、その映像も、プロジャクターによるもの(?)。
プロジェクターらしきものは、天井に2台、机の前列に2台、それに部屋の中央後方部に1台、設置してある。
奇妙なのは、パソコン。
机の上には、12台のモニターとキーボードがあるのみ。
パソコン本体は、どこにも見当たらない。
しかもコードというコード類が、どこにもない?
あるとすれば、モニターとキーボードをつなぐコードと、先に書いた、中央広報部にあるプロジェクターのコードのみ。
そのコードも、コンセントが見えるほど、お粗末なもの。
コンピューター本体は、どこにあるのだろう?
机は木製ということだから、机の中にあることになるのか。
もしそうなら、コンピューターにとって、これほどまでに劣悪な環境はない。
コンピューターを木箱で包むなどというのは、常識で考えてもありえない。
……という分析は、しても意味がない。
写真で紹介された管制室は、ニセモノ。
●狂う
一事が万事。
思考回路というのは一度狂うと、あらゆる場面で、狂う。
北朝鮮のやることは、何から何まで、おかしい。
へん。
人工衛星なるものにしてもそうだ。
「宇宙から、音楽くらいは流せるだろう」(某専門家談)という程度。
カメラは小型。
ブースターだけが、異常に大きい。
そんな程度のもので、「人工衛星」という。
しかしそれがニセモノであることは、私のような素人でもわかる。
こうして考えてみると、「国」という巨大な組織体も、狂うときには狂う。
……ということがわかる。
北朝鮮を通して、私たちは今、それをまさに実体験として、経験している。
が、ここで注意しなければならない。
では、この日本という国が、「狂っていないか」というと、それはどうか?
私自身は、「狂っていない」と断言する勇気はない。
●茶髪の日本人
つまり意識というのは、そういうもの。
北朝鮮から見れば、私たち日本のほうが、狂っているということになる。
どこがどう……という話になったら、話が大きく広がってしまう。
ここには書ききれない。
たとえば少し前だが、ある北朝鮮の女子学生は、こう言った。
茶髪姿の日本人の写真を見せたときのこと。
「どうして黒い髪の毛を、わざわざ茶髪にするのか?」(テレビ報道番組)と。
彼らにしてみれば、日本人の生活の、ありとあらゆる部分が狂って見えるにちがいない。
もちろん日本人の中にも、頭のおかしい人は、いくらでもいる。
北朝鮮の祭典に招待され、北京の空港で、こう答えた女性がいる。
「あの国の人たちは、一生懸命がんばっています」「あれは人工衛星ですよ。日本人は大騒ぎしすぎですわ」(報道番組の記憶)と。
こういう女性には、日本が今、どういう危機的状況の上に立たされているか。
それがまったく理解できないらしい。
あるいは北朝鮮の一般の庶民が今、飢餓の中でどれほど苦しんでいるか。
それがまったく理解できないらしい。
さらに言えば、国際連合という機関は何のためにあるのか。
それがまったく理解できないらしい。
要するに、ノーブレイン(=脳みそがない)!
が、それも彼女がもつ意識。
そういうふうに理解すれば、彼女の言動にも、一理ある。……ということになる。
●自分の常識を疑う
意識というのは、その個人がもつ常識を基盤とする。
その意識を理論化もしくは、体系化したのが、哲学ということになる。
(哲学にまで完成させる人は、少ないが……。)
わかりやすく言えば、その人がもつ意識というのは、その人がもつ常識から生まれる。
北朝鮮の人たちがもつ常識は、北朝鮮の人たちがもつ常識。
私たち日本人がもつ常識は、私たち日本人がもつ常識。
「私は正しい」「あなたはまちがっている」と議論しても、意味はない。
議論をいくら重ねても、平行線になるだけ。
では、方法はないのか?
大切なことは、相手がもつ常識を否定したり、変えてやろうなどとは、思わないこと。
大切なことは、自分がもつ常識を疑うこと。
相手の目を通して、自分の常識を見つめなおしてみること。
「私たちの常識は、本当に正しいのか?」と。
こちらが疑えば、相手も、疑う。
それが会話の突破口になる。
●常識
実のところ、冒頭に書いたように、私たちが常識と思っている常識ほど、あてにならないものはない。
たまたまMSNニュースに、こんな記事が載っていた。
『2012年4月9日、日本の華字紙『中文導報』は、財団法人日本青少年研究所が日米中韓の高校生を対象に行った生活と留学への意識調査を報じた。
海外留学を希望する比率が中国では6割に達しているのに対し、日本では4割にとどまった。
日本の高校生の留学目的は「語学の習得」が最多で、「学位取得」「専門技術・資格取得」を希望する比率が低く、短期間指向で、「よりよい教育環境を求めたい」も4カ国中最低だった。
米中韓では「学位取得」が最多で、「2年以上」を希望する比率が高かった。
日本の高校生が留学をしたくない理由は「自分の国が暮らしやすい」「言葉の壁」「自信がない」という回答が多く、「面倒だから」が4カ国中最多で、米中韓の高校生に比べて内向き志向が強い。
希望の留学先は日中韓ともアメリカがダントツの1位で、2位はイギリス、米中韓の高校生はいずれも留学希望先として日本を6位に挙げた。
また、「大事にしていること」については、中国の高校生が「親に自分をわかってもらう」「先生に理解される」ことを大切にし、「希望の大学に入学」も韓国に並ぶ高率だった。
米国の高校生は「友人関係」「異性関係」「競技で活躍する」が際だって高い。
日本の高校生は全項目で比率が低く、「家族が仲良くする」「先生に理解される」「親に自分をわかってもらう」の比率は米中韓に比して著しく低い。
日本青少年研究所は今回の調査について、日本の高校生は学習の成績と自分の将来の関係性が低いと考えているため、「大衆文化」「クラブ活動」「流行」への関心が高いのではないかと分析している。
授業以外に勉強をしない割合も34.3%と4カ国中最も高く、日本の高校生の学習に対する消極性が反映されたものとなった』(以上、MSNニュース、2012年4月10日)と。
資料として、数字を整理してみる。
●整理
海外留学を希望する比率が中国……6割
日本……4割
日本の高校生が留学をしたくない理由は、
「自分の国が暮らしやすい」
「言葉の壁」
「自信がない」「面倒だから」
が4カ国中最多で、米中韓の高校生に比べて内向き志向が強い。
希望の留学先は日中韓ともアメリカがダントツの1位。
2位はイギリス、
米中韓の高校生はいずれも留学希望先として日本を6位に挙げた。
日本青少年研究所は今回の調査について、日本の高校生は学習の成績と自分の将来の関係性が低いと考えているため、「大衆文化」「クラブ活動」「流行」への関心が高いのではないかと分析している。
日本……授業以外に勉強をしない割合も34.3%と4カ国中最も高い。
●消極性
この記事の中で、個人的には、つぎの部分が、気になった。
『日本の高校生が留学をしたくない理由は「自分の国が暮らしやすい」「言葉の壁」「自信がない」という回答が多く、「面倒だから」が4カ国中最多で、米中韓の高校生に比べて内向き志向が強い』という部分。
驚くと同時に、「時代も変わった」と、実感した。
●17万5000円
私が学生時代もっていた意識とは、180度ちがう。
私たちは、まだ見ぬ外国に、強いあこがれをもった。
夢も抱いた。
(そう思っていたのは、私だけだったかもしれないが……。)
当時の料金をよく覚えている。
ニューヨーク→羽田の、航空運賃が、片道、17万5000円。
アメリカ人の大卒の初任給が、ほぼ同額。
それを知ったとき、私はこう思った。
「アメリカ人というのは、初任給だけで、日本へ来られるのか!」と。
アメリカの豊かさに、まずもって、驚いた。
なお当時の大卒の初任給は、4~5万円。
5万円というところは、外資系か化粧品メーカーくらいなものだった。
もちろん手取り額は、それからさらに5000~8000円、引かれる。
だから日本人がニューヨークへ行こうとすれば、約5か月間、飲まず食わずで、働かねばならない。
……私は、いつも、そんな計算ばかりしていた。
が、今はちがう。
高校の修学旅行で、オーストラリアへ行く時代になった。
つまり時代によっても、意識は変化する。
●バランス感覚
もう少しわかりやすく言えば、「常識とは、バランス感覚」と言い換えてもよい。
私の意識、他人の意識。
その間にあって、うまく、バランスを保つ。
その感覚が、常識ということになる。
たとえば最近、たいへん気になった事件にこんなのがある。
ある男性(77歳)が、信号を無視して横断歩道を渡ってきた、40代の男性を注意した。
それに対して、40代の男性が、逆ギレ。
注意した男性(77歳)を殴り倒した。
結果的に、その男性(77歳)は、死んでしまった。
が、これに対して、2チャンネルへの書き込みには、目を覆うものがあった。
6~7割の若い人たちは、「注意した男性(77歳)のほうが悪い」という意見を書いていた。
「みなの前で恥をかかせたのだから、悪い」とか、「俺だって、殴り倒してやるだろう」とか、など。
が、(注意する)という行為と、(殴り倒す)という行為の間には、大きな差がある。
もし逆ギレした男性に、バランス感覚があれば、殴るという行為に走る前に、逆に、言葉で言い返すという方法もあったはず。
つまりそれがここでいう「バランス感覚」。
また2チャンネルに意見を寄せた若い人たちにしてもそうだ。
たとえば「みなの前で恥をかかせた男性(77歳)が悪い」という意見にしても、ものの考え方が、極端化している。
つまりバランス感覚が欠落している。
私には私の意識がある。
人には人の意識がある。
その中で、じょうずにバランスをとりながら、ものを考え、行動する。
それができる人のことを、「常識のある人」という。
そうでない人は、そうでない。
●組織
話を戻す。
意識を変えるためには、常識を疑う。
が、その一方で、こういうこともある。
たとえば同窓会。
ときどき会っている同窓生は別として、そうでない同窓生のばあい、会って話しても、たがいの間に、大きな壁を感ずることが多い。
もっとも私の方が異端児だから、私のほうが、奇異な目で見られる。
それを逆に、私自身が感ずることがある。
中には、露骨に、「お前は、変わっているなあ」という仲間もいる。
そういうとき、居心地は、あまりよくない。
つまりこの日本では、どこかの組織に属していないと、相手にされない。
またその組織における肩書や地位で、相手を判断する。
友「お前は何をしている」
私「うん、いろいろな仕事をしている」
友「いろいろって……?」
私「ものを書いたり、教えたり……」
友「だから、どんな仕事だ?」
私「だから、……一口では言えないよ」と。
友は友で、最終的には、私が所属している会社名や組織名を聞きたがる。
またそれを話さないと、相手は安心しない。
が、欧米では、そういうことはない。
たとえば「どんな仕事をしていますか」などと聞くと、「印刷工」などと答えたりする。
日本のように、「毎日新聞社です」とか、そういうふうには、答えない。
会社名を口にすることは、めったにない。
今でこそ欧米心もまねをするようになったが、1970年当時は、そうではなかった。
オーストラリア人にしても、日本人がもっている名刺を、理解できなかった。
日本人は、会社名と肩書を並べ、その横に、自分の名前を書いていた。
私はそのころから、日本の常識とは別の世界に住んでいた。
●身分制度(上下意識)
北朝鮮の人には、北朝鮮の人なりの常識がある。
伝え聞くところによると、身分(成分)制度(=上下意識)が、きわめて厳格という。
その様子は、今回のミサイル発射実験の様子を見ていても、よくわかる。
担当者の、あの尊大ぶった様子と態度。
ズル賢そうな目つきと、ものの言い方。
謙虚さというか、人間が本来もっているはずの(まじめさ)が、どこにも感じられない。
ああいう担当者にかぎって、目上の人には、異常なまでにペコペコする。
階級社会に長く住んでいると、人間は、みな、そうなるらしい。
そこはまさに動物の世界。
徹底した上下意識だけが、その社会を支配する。
私も、この日本で、それを経験している。
以前、こんな原稿を書いたことがあった。
日付は明白ではないが、2001年ごろに書いた原稿である。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●人間は裸で生きる
(自分の人生を生きるための大鉄則)
S氏は、死ぬまで肩書きをぶらさげて歩いているような人だった。
退職するときには、県の機関の「長」をしていたが、退職後はもっぱら庭いじりと旅行が趣味。
葬式から帰ってきた母は、一言、「あんなさみしい葬式はなかった」ともらした。
日本で「偉い人」というときは、地位や肩書きのある人をいう。
地位や肩書きのない人は、あまり偉い人とは言わない。
一方、英語国では、「偉い人」と言うようなときには、「尊敬される人」と言う。
地位や肩書きは、ほとんど関係ない。
よく似た言葉だが、偉い人と尊敬される人の間には、越えがたいほど、大きな谷がある。
S氏は、人と会うと、必ずこう言った。
「君は何をしているかね」と。
退職した人に向かっては、「何をしていたかね」と。
そして自分より地位が高い人には、必要以上にペコペコし、そうでない人には、いばってみせた。
私にもこう言ったことがある。「君はどうせ学生運動か何かをしていて、ロクな仕事につけなかったんだろ」と。
私が「幼稚園で働いています」と言ったときのことである。
「出世主義が、日本をここまで発展させた」と言う人がいる。
それなりの地位についた人が、好んで使う言葉だ。
しかし本音は、そういう言い方でもしないと、自分を正当化できないからだ。
出世主義を否定するということは、そのまま自分を否定することになる。
しかし悲劇は、さらに続く。
一度その地位や肩書きを手に入れた人は、その地位や肩書きにしがみつく。
そしてそれを失うことを、何よりも恐れる。
それはもう、あわれとしか言いようがない。
私と議論したことのある評論家は、メールでこう言ってきた。
「君は偉そうなことを言うが、文部科学省あたりから地位が回ってくれば、シッポを振るタイプではないのかね」と。
こういう言い方をすること自体、自分の生きザマを否定しているようなものだ。
人間は裸で生まれる。
が、裸では生きられない。
それはわかるが、しかしいくら服を着ても、それは服。
決して自分自身ではない。
こんなわかりきったことが、長い間服を着ているとわからなくなる。
服の姿が自分の本当の姿だと思い込むようになる。
そして結局は自分の本当の姿を見失ってしまう。
人生をムダにする。
人間は裸で生きる。いくら服を着ても、裸で生きる。
これは自分の人生を生きるための、大原則ではないのか。S氏の話を母から聞きながら、私はそう思った。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●結論
話が広がってしまったが、意識というのは、そういうもの。
それぞれがそれぞれの意識をもっている。
その意識の上で、ものを考え、意見を述べる。
そこでまず、自分の常識を疑う。
けっして自分の常識を、相手に押しつけてはいけない。
そういう謙虚さが、繰り返しになるが、たがいの心に風穴をあける。
●それにしても……?
が、それにしてもわからないのが、北朝鮮?
北朝鮮のそれは、どうにもこうにも、私には理解できない。
できるだけ私の常識を疑い、謙虚な気持ちで考えてみるのだが、それでも私には理解できない。
国民は飢え、日々の食物にさえ困っている。
そんなときに、一部の独裁者が、自らの保身のために、ミサイルの発射実験をする。
核実験をする。
それでもって、「我が国はすばらしい国」と国民に向かって、宣伝する。
外国に向かっては、脅し、それでもって、援助を得ようとする。
「ほかにやるべきことがあるだろう」と言っても、それを聞く耳さえない。
また彼らが称する人工衛星しても、世界レベルからしても、半世紀は遅れている。
そんなヒマがあったら、ブラウン管方式のテレビ受像機でも作ればよい。
まず、そこからスタートすればよい。
……と私は考えるが、そういう(常識)は、通じない。
その常識が、あまりにも、私たちのそれとかけ離れている。
理解の範囲を超えている。
だから私たちは、みな、こう言う。
「狂っている」と。
●実験
ともあれ、ミサイル発射実験は、失敗する。
少なくとも、人工衛星発射実験は失敗する。
もともと人工衛星なるものは、積んでいない(?)。
(どの程度を成功といい、どの程度を失敗というかについては、判断が分かれるところだが……。)
今回、アメリカがその方法を使うとは思われないが、アメリカは、衛星からレザー攻撃を加えたり、ロケットの制御装置をかく乱する技術を、すでにもっている。
「あえて使うほどもない」と考えていれば、曲がりなりにも、ミサイルは飛ぶ。
が、飛んでおしまい。
まさに一事が万事。
が、最後に一言。
北朝鮮の人たちよ、一度、世界へ出て、世界が今、どうなっているか、見物でもしてきたらよい。
たとえば今日(4月11日)、アメリカの軍港から、超高性能のレーダーを積んだ船が出港したという。
記事によれば、4000キロ離れたところにある、野球のボールさえ、見分けることができるという。
直球かカーブかさえ、見分けることができるという。
世界の技術は、そこまで進んでいる。
そんなとき、ミサイル1発打ち上げたくらいで、「大成果」とはしゃいでいるほうが、おかしい。
明らかに、北朝鮮の為政者たちのもっている常識は狂っている。
……以上、どこかバラバラなエッセーになってしまった。
北朝鮮のミサイル発射実験をテーマに、常識、それから生まれる意識について、考えてみた。
私たちがもっている常識は、果たして正常なのか?
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 バランス感覚 常識 意識 哲学)
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