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子育て最前線の育児論byはやし浩司 2011年 1月 7日
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メルマガ(6万3000誌)の中で、2008年度、メルマガ・オブ・ザ・イヤーに
選ばれました!
【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【言語能力】Thinking Ability
●能力論
++++++++++++++++
カモノハシという動物がいる。
何からなにまで、常識をはずれている。
不思議な動物である。
そのカモノハシ。
ほかの動物にはない能力をもっている。
たとえばあのクチバシ(?)。
一説によると、あのクチバシの周囲(縁)
には、電磁波を感知するセンサーがついて
いるという。
(微弱電波、あるいは微弱電流という説も
ある。)
水中の微弱な電流の変化を感知し、それで
もって水中の生物を捕らえたり、水流の
動きを感知することができるという。
(水流は微弱な電磁波を発することが
知られている。)
人間の私たちにすれば、「すごい!」の
一言に尽きるが、カモノハシにしてみれば、
何でもない能力ということになる。
私たちが臭いをかいだり、暑さや寒さを
感じたりする能力と同じ。
当のカモノハシは、自分のそういった能力を、
何も特別な能力とは意識していないだろう。
+++++++++++++++++
●言語能力
それぞれの動物には、それぞれ特殊な能力がある。
イルカにしても、レーダーに似た能力をもっているという。
自ら超音波を発信し、そのエコー音で、周囲の様子をとらえているという。
人間だって、負けていない。
最大、かつ最高の能力といえば、当然、「言葉を話す能力」ということになる。
人間は言葉によって、たがいに複雑な情報を共有することができる。
つまり人間がなぜ人間であるかといえば、この能力、つまり言語能力があるから
にほかならない。
「なんだ、そんなことか!」と思う人もいるかもしれない。
が、そう思うのは、ちょっと待ってほしい。
言語能力といっても、簡単な会話をする能力だけが、その能力ではない。
その程度のコミュニケーションなら、ほかの動物たちも、みなしている。
音声という言葉によるものとはかぎらない。
たとえばミツバチの8の字ダンスなどは、よく知られている。
ミツバチは、8の字ダンスをすることで、ミツのある場所を、ほかの仲間たちに
知らせているという。
ここでいう言語能力というのは、論理と分析力をともなった、知的能力をいう。
またそれがあるから、人間は前頭前野を、知性、理性の府として発達させることが
できた。
●コメント
このところ私のHP、BLOG、YOUTUBE、マガジンへのアクセスがふえて
いる。
毎月、総計で、30~50万回ほどアクセスがある(2010年11月)。
つまりその分だけ、書き込みやコメントが、多くなった。
多くは好意的なものだが、中には、辛らつなものもある。
昨日は、私のYOUTUBE動画に対して、「NHKの教育番組じゃあ、ネーダロ」
というのがあった。
私はこの一文を読んで、しばらく考え込んでしまった。
意味がよくわからない。
しかし何か、強烈な反感というか、敵意を感じた。
つまり「YOUTUBEは、NHKの教育番組とはちがう。説教ぽくて、おもしろくない。
そんな動画はアップするな」という意味か。
どうであるにせよ、今、こうした日本語がふえている。
直感的で直情的。
感情を短い文章で叩きつけてくる。
七田氏が生きていたら、「これこそまさに右脳教育の成果!」と喜びそうな文章である。
が、残念ながら、こうした文章は、人間が何十万年もかけて発達させてきた言語能力
とは異質のものである。
あえて言うなら、ケダモノの叫び声と同じ。
●論理と分析力
言語能力を発達させるためには、作文しかない。
作文に始まって作文に終わる。
言い替えると、言語能力は、文字の発達と密接にからんでいる。
文字の発明によって、人間の言語能力は飛躍的に発達した。
もし文字の発明がなかったら、人間は簡単な会話程度の情報伝達能力しかもたなかった
だろう。
その言語能力は、論理力と分析力で決まる。
脳の中では、左脳がそれを司っているという。
その能力が不足が不足してくると、それこそ、「テメー、コノヤロー、ぶっ殺すぞ!」
という会話だけで、その日が終わってしまうかもしれない。
「NHKの教育番組じゃあ、ネーダロ」というのも、それ。
もう少し論理的に書いてほしい。
もう少し事実を冷静に分析して書いてほしい。
またそのように書いてもらわないと、私のようなジジイには、よく理解できない。
●言語能力の低下
最近、あちこちの本や雑誌で、日本人、なかんずく若者たちの言語能力の低下が
指摘される。
それぞれの評論家が、それぞれの判断の中でそう書いている。
作文力がないとか、表現力が乏しいとか、など。
しかしそれ以上に重要なのが、会話力ということになる。
的確な言葉を使い、簡潔に自分の考えていることを、正確に相手に伝える。
そういった能力が低下しているという。
たとえば子どもの言語能力。
その基礎を作るのは、母親である。
母親の会話力である。
母親が、「ほらほら、カバン、カバン、帽子、もって!」と話していて、どうして
子どもに言語能力が身につくだろうか。
こういうときは、たとえめんどうでも、「あなたはカバンをもちます。帽子をかぶり
ましたか?」と話しかける。
そういう日常的な努力が、子どもの言語能力の基礎となる。
言い替えると、これは子どもの問題というよりは、母親の問題ということになる。
現在の(若者たち)は、その結果にすぎない。
●能力
私たち人間にも、ほかの動物たちに劣らない、すばらしい能力がある。
それが「言葉を話す能力」。
そこで重要なことは、それが「すばらしい能力」と、まず自覚すること。
つまりここがカモノハシと違う点と考えてよい。
カモノハシには、人間がもつような論理力もなければ、分析力もない。
だから自分たちがどんなすばらしい能力をもっているか、それを知ることもない。
しかし人間はちがう。
私たちは自分の能力を、分析し、それを論理的に体系化することができる。
さらにそれを磨き、発達させることもできる。
あとは、それぞれの個人の努力の問題ということになる。
せっかくその能力をもっていても、宝の持ち腐れにするか、あるいは宝石のように
光らせるかは、あくまでもその人個人の問題ということになる。
カモノハシという動物を調べながら、そんなことを考えた。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司
BW はやし浩司 2010-11-24 カモノハシ 能力とは)
(参考)
●カモノハシ【以下、WWEBLIOより転載】
単孔目(カモノハシ目)は、現存する哺乳類としては唯一、爬虫類や鳥類のように卵を産
むグループとして知られている。(大部分の鳥類と同じように)母親が卵を温めて子を
孵化させ、孵化した子は(他のすべての哺乳類と同じように)母乳によって育てられる。
母親は他の哺乳類のような乳首をもたず、子は母親の乳腺から染み出した乳をなめとる。
爬虫類や鳥類と同様の総排出腔をもつ(これが単孔目 Monotremata という名の由来であ
る)。気温により保ちうる体温が変動するなど多くの哺乳類に比べれば体温調節能力が低い。
このような特徴から、単孔目(カモノハシ目)は、進化史の中で、非常に早い時期(おそ
らく三畳紀)に他の全ての哺乳類のグループと分岐したと考えられ、現生哺乳類で最も原
始的なグループとされる。そのため、このグループは、「原獣亜綱」として、亜綱のレベル
で他の哺乳類(獣亜綱)と区別されている。
(以上、Weblioより)
【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
【息子たちへ】
●映画『レオニー(Leonie)』★★★★★
++++++++++++++++++
仕事の帰りに、深夜劇場に足を運んだ。
『レオニー』を観た。
観客は私たち夫婦を含めて、8人前後。
あの広い劇場が、ガラガラ。
「暇つぶし」と覚悟を決め、席に深く
体を沈めた。
が、それがとんでもないまちがいだった。
映画が始まると同時に、心がどんどんと
スクリーンの中に、吸い込まれていった。
レオニー役の女優が、嫁のデニーズに
瓜二つと言ってよいほど、似ていた。
加えてあのアメリカ人独特の、ジェスチャ、
目配りの仕方、反応の表し方などなど。
1カットごとに、デニーズを思い出していた。
が、そうした「ひいき目」を除いても、
星は5つの、★★★★★。
すばらしかった。
泣いた。
涙、ポロポロ。
またポロポロ。
横を見ると、めったに泣かないワイフまで、
ハンカチで顔を何度もぬぐっていた。
よかった。
映画が終わったとき、別の人生を駆け足で
走り抜けたような実感を、ズシリと覚えた。
実話をもとにしているだけに、フィクション
映画にありがちなスキがなかった。
人間の心が複雑にからみあいながらも、
ストーリーが矛盾なく流れていった。
劇場を出るとき、「よかったね」とワイフに
言うと、ワイフも「よかったね」と。
会話はそれだけ。
久々によい映画を観た。
++++++++++++++++++++
●二男
数日前、二男と電話で話した。
その中で、二男がこう言った。
「ぼくはパパから学んだことが、ひとつある」と。
「何だ?」と聞くと、「パパは、借金はするなと言った。ぼくはそれを守っている。
だからみな周りの人たちは、借金漬けで困っているが、ぼくは借金がない。
だから、ぼくは楽だ」と。
で、あれこれ私は説明した。
この資本主義社会の中では、借金は避けて通れない。
またどんな事業を興すにも、個人の力には限界がある。
そこで借金、つまり株式制度というのが生まれた。
アメリカで、それが発展した。
だから借金をしないのが、よいというのではない。
私も、土地を買ったり、家を建てたりするときには、借金をした。
が、その場合でも、「預金担保」といって、同額のお金を、まず定期預金にする。
その定期預金を担保に、お金を借りるという方法を使った。
が、個人の立場でいうなら、借金はしないほうがよい。
若いころ、ある経営者が、こう教えてくれた。
その人は当時、浜松市市内で、1、2を争う電気通信企業の社長をしていた。
●生活の安定
名前をYS氏と言った。
そのYS氏、こう教えてくれた。
「どんなにころんでも、家庭だけは守れ。最低限の収入は確保する。
それができたら、あまったお金と時間を使って暴れろ!」と。
つまり家庭を維持するための最低限の収入は確保する。
またそれを守る。
冒険するのは、その外でしろ!」と。
で、私はYS氏の教えを、かなり忠実に守った。
当時私は塾経営を、生活の基盤にしていた。
この仕事のよい点は、生活が安定すること。
単位時間当たりの収入は少ないが、急激な変化というのは、ない。
それはそれとして、私は別の世界で、別の仕事をした。
翻訳に通訳、代筆に本の編集など。
貿易の手伝いもしたし、もちろん家庭教師や予備校の講師もした。
こうした仕事は、単位時間当たりの収入は多いが、不安定。
仕事が重なれば、徹夜。
なければ、ヒマ。
【アメリカの宗へ】
誤解しないでほしいのは、「借金が悪」とぼくが言ったのではないということ。
必要なときは、借金もする。
ぼくも一度だけ、10円を借りたことがある。
どうしても電話をかけなければならなくなったときのこと。
10円硬貨をもっていなかった。
それで10円を借りた。
その10円が、ぼくにとっては生涯で、最初で最後の借金。
翌日、その貸してくれた人に、菓子箱をつけて10円、返しに行った。
相手の人は、驚いていたが……。
ただ「借金をする」イコール、「他人にものを借りる」というのは、
最小限にしたいね。
どこかで人生観につながっている。
自分の時間は、自分のもの。
一瞬一秒、すべて自分のもの。
借金をするということは、その時間を、他人に譲り渡すようなもの。
ひどいばあいには、借金に追われるようになる。
そうなると、自分の時間など、どこかへ吹き飛んでしまう。
ばあいによっては、「家庭」そのものが、危機的な状態に追い込まれる。
つまり生活の基盤がゆらぐ。
それだけは、避けようね。
どんなに貧しくても、またみずぼらしくても、「家庭(HOME)」だけは、大切に。
他人に譲り渡してはいけない。
家族を路頭に迷わせてはいけない。
つまりそれが「借金をするな」という言葉の意味と考えてほしい。
ともかく、借金をすると、(たぶん?)、生き様が卑屈になる。
その相手に頭があがらなくなるからね。
自由と独立、プラス、尊厳を守るためにも、借金は避けたほうがいいよ。
もしどうしてもお金が必要になったときは、ぼくに言いなさい。
無利子で、期限を付けないで、貸すよ。
ただしできるだけぼくと晃子が、元気なうちに、少しずつでもいいから、
返す……という条件は付くけどね。
で、もう一言。
支払いは、どんな支払いでも、ぼくは1週間以内にすますようにしている。
いくら相手が「来月でもいい」と言っても、そうしている。
相手を不安にさせないこと。
これはたがいの人間関係を、すがすがしくするためのコツではないかな?
どうか参考にしてほしい。
【浜松の周へ】
幼児教育のすばらしい点は、楽しいこと。
それに幼児には、「汚れ」がない。
プラス、パワーに満ちあふれている。
今、YOUTUBEで、教室の様子を公開しているが、そうした様子を
ビデオを通して感じてもらえれば、うれしい。
ぼくもよく気分が落ち込むが、幼児に接したとたん、気分がパッと晴れる。
だから最近は、こう思うようになった。
「ぼくのほうが、助けられている」と。
幼児教育というと、多くの人は「幼稚教育」と考えている。
が、これはとんでもない誤解。
その奥は深い!
本当に深い!
ぼくは20代のはじめは、法律を学んだ。
一応法学院にまで進んだ。
また20代から30代にかけては、東洋医学の勉強に没頭した。
同時に40歳前後まで、教材作りを「仕事」としてきた。
ぼくが制作、指導した市販教材は、無数にある。
で、貴君も知っているように、その間に、カルト教団を相手に、本を5冊
書いた。
これは貴君も知っているように、命がけの闘いだった。
おかげで宗教とは何か。
それを自分なりにつかむことができた。
そういう過去の経歴の上で、あえて断言する。
「幼児教育は奥が深い」と。
つまりそこに「私」の原点があると考えてほしい。
なぜ「私がここにいて、ここで生きているか」。
その原点がある。
言うなれば白い箱の上に、さまざまな絵や模様をつけていく。
それが幼児教育ということになる。
もちろん、もとから箱の中にはいっているものもある。
が、それはそれ。
その絵や模様が、「私」ということになる。
奥が深いというのは、そういう意味。
一生の仕事として、何ら恥じることはない。
ほとんどの人は、その価値にすら、気づいていない。
●教育とは
数日前、窓の外の景色を見ながら、こんなことを考えた。
「教育とは何か?」と。
私は自分の頭の中で、こう仮定してみた。
「もし、神様かだれかが、私を20歳のときまで戻してくれると言ったら、
私はそれに従うだろうか」と。
「ただしすべてを、一度、白紙にしたあと、戻す」と。
しばらく考えてみたが、答はやはり、「NO!」だった。
また同じ人生を歩めと言われても、私にはできない。
またイチからやり直せと言われても、私にはできない。
私はこの40年間で、いろいろなことを学んできた。
けっして楽な道ではなかった。
平坦な道でもなかった。
私はあえて、肩書きや地位には、目もくれなかった。
むしろ背を向けて、生きてきた。
私は私。
どこまでもいっても、私は私。
こんな生き様は、現代の社会では通用しない。
だからワイフは、よくこう言う。
「あなたは、どうしてあえて苦しい道ばかりを選ぶの?」と。
「組織をうまく利用すれば、もう少し楽な生き方ができたのに」とも。
が、今になってみると、私は私でよかった。
私は自分の力で、ここまで生きてきた。
だからそれを再び、それを繰り返せと言われても、私にはできない。
つまりここに「教育」の意味がある。
話がトンと飛躍したので、意味のわからない人も多いかと思う。
つまり私が言いたいのは、私がこの40年間で学んできたもの……知識や知恵、
経験や技能、それをつぎの世代に伝えていくのが、「教育」と。
もう少しわかりやすく説明しよう。
仮に今、私が20歳の、あの年齢まで戻ったとしよう。
もしそのとき、そこに「はやし浩司」の記録があり、それを手に入れることが
できたとしよう。
そうであるなら、私はそれをむさぼり読むだろう。
はやし浩司が40年かけて、学んだものを、そのまま自分のものにするだろう。
そうすれば、私は同じ人生を、繰り返さなくてもすむ。
私は、「はやし浩司」を土台に、さらに進んだ「私」をその上に構築することが
できる。
もし、そうなら、つまりそれができるなら、私は「YES!」と答える。
喜んで、20歳の時の私に戻る。
つまり「教育」とは、何かと聞かれたら、私はこう答える。
つぎの世代の人たちの人生を、2倍、あるいは3倍にするもの、と。
●教育拒否症
この日本では「教育」という言葉を耳にしただけで、拒絶反応を示す
人は多い。
とくに「教育評論家」という肩書きに、拒絶反応を示す人は多い。
「拒否的態度」と言い替えてもよい。
わかりやすく言えば、「教育」が嫌われている。
それもそのはず。
「教育」という名のもと、よい思い出をもっている人は、ほとんどいない。
みな、イヤ~ナ思い出ばかり。
私自身が、そうであるから、どうしようもない。
私も「教育評論家」という肩書きをもっている人が、好きではない。
中身がないくせに、偉そうなことばかり言う。
そんなイメージをもっている。
自己弁解ぽいが、私はいつの間にか、「教育評論家」ということになって
しまった。
雑誌社や新聞社が、最初は、勝手に、そういう肩書きを私につけた。
「肩書きはどうしましょう?」というから、「適当に」と。
そう答えていたら、そうなってしまった。
しかし私は名刺にも、その肩書きを使ったことはない。
あえて拒絶しなければならないようなことでもないから、今ではそのままに
しているが……。
話が脱線したが、これは日本人にとっては、悲しむべき現象と考えてよい。
尾崎豊の「♪卒業」に表現されているように、教育を否定するということは、
若い人たちがみな、またイチからの人生を始めることを意味する。
先人、つまり私たちが今まで積み重ねてきた、知識や知恵、経験や技能、
それらをまたイチから始めることを意味する。
私にたとえて言うなら、私という人間が、再び、頭の中を空っぽにして、
20歳へ戻るようなもの。
もし、そうなら、答は、「NO!」。
その「NO!」と言うような人生を、若い人たちは、自分で始めなければ
ならない。
●若い人たちへ
どうして君たちは、謙虚になって、先人たちからものを学ばないのか。
マネをせよというのではない。
(「学ぶ」というのは、もとは、「まねる」が語源になっているというが……。)
もし君たちが、ほんの少しでも、私たち先人の言葉に耳を傾けてくれたら、
そのまま私たちが身につけた、知識や知恵、経験や技能を、そのまま自分の
ものにすることができる。
失敗を防ぐとか、そういう単純なことではない。
「私」という人間の人生を、ばあいによっては、2倍にも3倍にもして、
生きることができる。
ただ残念なことに、先にも書いたように、日本の「教育」は、おかしい。
どうおかしいかは、みなさんがよく知っている。
以前、私は学校について、「人間選別機関」という言葉を使った。
今でも、その性格は、色濃く残っている。
それに君たちは、苦しめられた。
私も苦しめられた。
が、それが本当の教育ではない。
たとえば「受験教育」というのは、「教育」という名前を使っているが、
中身は、「指導」、もしくは「訓練」。
そういうものをもって、「教育」と誤解している。
錯覚している。
では、教育とは何か。
それは先にも書いた。
『つぎの世代の人たちの人生を、2倍、あるいは3倍にするもの』と。
それに気づいてくれれば、ひょっとしたら、教育に対するものの
考え方が変わるのではないか。
私の意見にも、耳を傾けてくれるのではないか。
「はやし浩司は教育評論家だ」と、どうか、毛嫌いしないでほしい。
またそういう目で私を見ないでほしい。
【息子たちへ】
今すぐでなくてもいい。
いつか気が向いたら、ぼくが書いたものを読んでみてほしい。
貴君たちが、「パパは仕事ばかりしていた」「つまらない人間」と思っている
のは、よくわかっている。
が、こんなぼくでも、懸命に生きてきた。
無駄なこともしたし、貴君たちには、ずいぶんとつらい思いもさせてしまった。
しかし今、こんなふうに思う。
何のことはない。
貴君たちはぼくがしてきたことを、繰り返しているだけではないか、と。
同じことをしているだけではないか、と。
もちろん中身はちがうかもしれない。
ぼくが若いころそうであったように、貴君たちも今、こう考えている。
「ぼくは、親父とはちがう。
親父のようなつまらない人間ではない。
ぼくはぼくの道を歩んでいる。
親父とはちがった人間になる」と。
ぼくも、かつてはそう考えた。
しかし今、ぼくという人間を客観的に見ると、ぼくはあの親父とどこも
ちがわない。
結局は、ぼくは親父が歩んできた道と同じ道を歩んでいるだけ。
もし若いころ、もっと謙虚になって、親父の話に耳を傾けていたら、ぼくは
自分の人生を、さらに長くすることができたかもしれない。
が、ぼくも若かった。
イチからすべてを始めてしまった。
今から思うと、それが残念でならない。
……少しセンチメンタルなことを書いた。
これもあの映画の影響かもしれない。
『レオニー』。
すばらしい映画だった。
機会があったら、貴君たちも観たらよい。
でね、最後に一言。
これも繰り返しになるが、100年以上も前に、すでにぼく以上に、はるかに
濃密な人生を送った人がいた。
ぼくは、そういう先人たちの残した、知識や知恵、経験や技能を、何も生かして
いない。
それを知ったとき、ズシリとした重みを、心の中で実感した。
どうか時間を無駄にしないように!
より豊かで、すばらしい人生を送ってほしい。
では、今日も始まった。
ぼくも貴君たちに負けないよう、がんばる。
はやし浩司 2010-11-27、朝記。
山荘にて。
【補記】
若い人たちは、明治時代というと、遠い昔の時代のように思うかもしれない。
しかし人は年を取れば取るほど、過去のほうが自分に近づいてくるのを知る。
たとえば20歳の人にとっては、100年前というのは、自分の人生の
5倍も昔ということになる。
しかし50歳の人にとっては、たったの2倍。
63歳の私にとっては、たったの1・58倍。
80歳の老人にとっては、さらにたったの1・25倍。
つまり明治時代は、「昔」ではなく、ほんのつい「昨日」。
そういうふうにして、自分に近づいてくる。
言い替えると、明治時代そのものが、まだ私の心の中で息づいている。
よく「時代は変わった」と言う人がいる。
しかし何も変わっていない。
それが年を取れば取るほど、よくわかってくる。
そんなことも考えながら、『レオニー』を観るとよい。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司
BW はやし浩司 レオニー Leonie 映画・レオニー)
【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
●北朝鮮問題
+++++++++++++++++
朝、ふとんの中で目を覚ます。
すぐには起きない。
しばらく暗闇の中で、あれこれ考える。
政治のこと、教育のこと、家族のことなど。
そのとき、(書きたいこと)が、モヤモヤ
とした感じで、浮かびあがってくる。
言うなれば、そのとき「方向性」が決まる。
たとえば今回の、北朝鮮による韓国攻撃。
被害者である韓国では、反北感情が、
頂点に達している。
海兵隊戦友会は、早々と、徹底報復を口にした。
「大韓民国を武力侵攻し、海兵隊戦友の命を
奪った金正日一党を即刻、無慈悲に懲らしめる
べき」(中央N報)と。
韓国軍部内では、発言力もあるが、影響力もある。
儒教国家。
オジーチャンの意見には、みな、従う。
しかしあんな国を、本気で相手にしてはいけない。
相手にする価値もない。
北朝鮮は、最後の、そのまた最後の悪あがきを
しているだけ。
国際世論を味方につけ、中国(北朝鮮ではない)
に圧力をかける。
中国が北朝鮮を援助しつづけるかぎり、北朝鮮は
安泰。
言い替えると、中国が動かないかぎり、北朝鮮
問題は解決しない。
そこで重要なことは、「中国がならずもの国家を
支援している」という事実を、国際社会で
浮かびあがらせること。
中国を孤立させること。
結果として、中国を動かす。
「中国は訳のわからない国」と、国際社会で
認識させる。
(実際、訳のわからない国だが……。)
それはそのまま日本の国益にかなう。
日本は、尖閣諸島問題をかかえている。
その先で、沖縄問題をかかえている。
「中台問題が片づけば、つぎは沖縄」。
中国は、そう考えている。
そのときを考えて、今から布石を打っておく。
北朝鮮は、本気で戦争をする気はない。
その力もない。
だいたい、今回の砲撃の理由が、「?」。
北朝鮮の領海内で演習したということを
理由にしているが、そのつぎには、こうある。
「(韓国政府は)たった5000トンしか、
穀物の援助をしてくれなかったから」と。
つまり満足な援助をしてくれなかったから、
攻撃した、と。
このことからだけでも、北朝鮮がいかに
おかしな国であるかが、わかる。
街のチンピラでも、そこまではしない。
日本政府は、公式には韓国に肩入れしても、
けっして深入りはしてはいけない。
当たる触らずというか、適当なところで一線
を引き、あとは静観。
韓国は日本の友好国ではない。
竹島問題ひとつ取りあげても、それがわかるはず。
またここで日本が騒げば、北朝鮮は、このときぞ
とばかり、日本に攻撃をしかけてくる。
で、問題はアメリカ。
黄海に、横須賀を母港とする原子力空母を
派遣するという。
こんなことをしたら、中国の反発を買うだけ。
北朝鮮がいきり立つだけ。
メキシコ湾のフロリダ沖に、中国の原子力空母を
並べるようなもの。
東京湾に、中国の原子力空母が入ってきたときを
想像してみればよい。
『真の平和は、相手国の平和を第一に考えてやった
ときに、やってくる』※(ネール)。
で、いまだにこう言っている人がいるのには、驚く。
「アメリカも北朝鮮と友好条約を結んでやれば
いいではないか」と。
しかしそんなことをすれば、その時点で、
日米安保条約は、形骸化する。
アメリカ本土が攻撃されないかぎり、アメリカは、
北朝鮮に手も足も出せなくなる。
つまりそれこそが、北朝鮮のねらい。
アメリカとの友好条約をとりつけたあと、
韓国ではなく、この日本に対して攻勢をしかけてくる。
「戦争」という言葉をちらつかせながら、日本に
戦後賠償請求をつきつけてくる。
その額、1000兆円!
日本の国家予算の10倍以上!
北朝鮮が10年ほど前、中国に打診した額である。
だから中国は、6か国協議に乗り出してきた。
ロシアも乗り出してきた。
目的は、ズバリ、JAPANマネー。
「平和はいいことだ」「話しあいはいいことだ」と、
のんきに構えていると、それこそ大変なことになる。
今、北朝鮮は、自滅の道をたどりながら、
最後の、そのまた最後の悪あがきを始めた。
国内経済は、ガタガタ。
人心も、バラバラ。
今回の攻撃にしても、報道によれば、170発
近くも砲撃しながら、延坪(ヨンピョン)島に着弾
したのは、たったの80発あまり。
着弾率は、47%。
「用意周到に準備した攻撃」(韓国各紙)にしては、
少しお粗末?
では、日本はどうすべきか。
私はもう10年以上も前から、こう書いている。
「北朝鮮を自滅に導く。
そのためには、人権問題を先頭に、北朝鮮を
しめあげる」と。
今の今も、その考えには、変わりはない。
今朝の報道によれば、北朝鮮は新型ミサイル
(ムスダン)の発射準備にとりかかり始めたという
(2010-11-25)。
遠く、イランと共同開発ということらしい。
この動きからもわかるように、標的は
ズバリ、この日本。
時間的猶予は、ますます残り少なくなってきた。
北朝鮮を自滅に追い込むには、どうすればよいか。
それを第一に考えて、行動する。
アメリカや韓国の尻馬に乗るようなことだけは、
ぜったいにしてはいけない。
わかりやすく言えば、国際社会で言うべきことは
言っても、「あとは、ほっておけ!」。
日本の知ったことではない。
(注※)『ある国の平和も、他国がまた平和でなければ、保障されない。この狭い相互に結
合した世界では、戦争も自由も平和も、すべて連帯している』(「一つの世界を目指して」)
と。
Hiroshi Hayashi++++Nov. 2010++++++はやし浩司・林浩司
●NG先生へ
みかん、ありがとうございました。
先日も話しましたように、山荘周辺のみかん畑はサル軍団のため、全滅。
引佐町で、ミカンを栽培しているところは、今、ほとんどありません。
おいしくいただきました。
●息子たちへ(はやし浩司 2010-11-26)
(浜松のSへ)
禁煙はむずかしそうだね。
しかし負けるな!
健康とは維持するもの。
油断すると、健康の方から逃げていく。
(アメリカのSへ)
昨日、芽依と誠司のクリスマスプレゼントを送っておいた。
芽依には、TOY CAMERA。
誠司には本と、ゲームソフト2本。
SAL便なので、たぶんクリスマスまでには、間に合うと思う。
少し早いが、メリークリスマス。
電話で話したように、誠司の問題は、「はやし浩司 xxxx」で
検索してみてほしい。
参考になると思う。
(千葉のEへ)
先日、ママのアドレスなどをメール送っておいたが、届いているか。
貴君のパソコンは、どうも「?」、という印象をもっている。
ウィルスチェックなどを、ちゃんとしているか?
それにパソコンには、パスワードをしっかりとかけること。
こちら(パパ+ママ)は、みな、元気。
来年4月からは、Sが、ぼくの仕事を手伝ってくれるかもしれない。
頼むよ、S!
楽しい仕事だよ。
++++++++++++++++++
●北朝鮮問題(As to North Korea)
++++++++++++++++
以前、オーストラリアの国防省にいた
KD君より、メールが届いた。
現在の極東情勢を、客観的、かつ正確
に見抜いている。
たいへん興味深い。
++++++++++++++++
Dear Hiroshi,
Thank you for sending me your article.
原稿を送ってくれて、ありがとう。
North Korea has been planning these sorts of incidents for a long time.
However the USA has been thinking about other things. First they got involved in Iraq
and forgot about Asia and then they were worrying about the economic crisis. Now
suddenly the USA realizes that the problems in Asia are still there.
北朝鮮は、長い間、この種の事件を計画してきた。
しかしUSAは、ほかのことに気を取られていた。
ひとつはイラク問題。
そのためアジアの問題を忘れていた。
もうひとつは経済危機。
やっと今、USAは、アジアの問題がそこにあることに気がついた。
China does not want Korea to be united. China is happy for North Korea to cause a little
bit of trouble. It can use this to bargain with the USA.
中国は、南北朝鮮が統一されることを望んでいない。
中国は、このようなトラブルが起きたことを喜んでいる。
これを利用して、USAとバーゲン(取り引き)をすることができる。
There is no easy solution. As you write, North Korea will self-destruct eventually.
簡単な解決方法はない。
君が書いているように、結果的に、北朝鮮は自己崩壊するだろう。
K,D
Hiroshi Hayashi++++++Nov 2010++++++はやし浩司(林浩司)
【2011年の抱負】
2010年を振り返ってみる。
この1年間を、一歩退いて見直してみる。
するとそこに、私という1人の人間が、
浮かびあがってくる。
そういう自分を改めて、ながめてみる。
何となく生き延びてきた。
しぶとく生き延びてきた。
そんな感じがする。
(少し暗いかな?)
現在(2010年11月末)、私は63歳と1か月。
体のあちこちが、ガタガタしてきた。
同じ姿勢でいると、体がこわばる。
後頭部の神経痛がときどき起こる。
足裏の腱しょう炎が治ったと思ったら、
今度は右肩の腱しょう炎。
これが数か月単位で長引いた。
人というのは、急に死ぬのではない。
もちろんそういう病気もある。
心筋梗塞とか脳梗塞。
そういう病気では、急に死ぬ。
そうでなければ人は、少しずつ「死」に向かって
歩いていく。
つまり健康とは、今までは維持するものだった。
それが今は、健康とは、少しずつ失っていくもの。
この1年間で、それが自分でもよくわかった。
2011年は、そんなわけで、健康との闘いが
テーマになりそう。
失われていく健康を、どう食い止めるか。
・・・というより、ふと油断したようなとき、
病気は、後ろから襲ってくる。
友人のOKさんがそう話してくれた。
OKさんは、現在、血液のがんと闘っている。
私より数歳、若い。
つぎに「流れ」。
連続的な緊張感を、「流れ」という。
東洋医学でも、『流水は腐らず』と教える。
精神も肉体も、流れが止まったとたん、腐り始める。
その「流れ」を、どう維持するか。
連続的な緊張感を、どう維持するか。
具体的には、仕事+活動。
収入を考えた仕事と、まったく収入を考えない活動。
この2つを両立させる。
2010年は、それをうまく両立させることができた。
2011年も、それをつづける。
平たく言えば、「現状維持」。
現状維持ができるだけも、御の字。
そう考えて、それ以上のことは、望まない。
冒険しない。
日々に、平穏を旨とする。
・・・ということで、年齢というのは
私の一側面に過ぎない。
残りの大部分は、2010年のまま。
そう考えて、今までどおり、2011年も
現状維持を第一に考えて、何とか
生き延びてやる。
しぶとく生き延びてやる。
それが2011年の抱負ということになる。
Hiroshi Hayashi++++Nov. 2010++++++はやし浩司・林浩司
●限界
++++++++++++++++++
最近、ときどき限界を強く感ずるようになった。
いくらがんばっても、いくらもがいても、
そこにある壁を破ることができない。
どうしてもできない。
「壁」といっても、「心の壁」。
自分で自分を、うまくコントロールできない。
何ごとも悪いほうへ、悪いほうへと考えてしまう。
つまり落ち込む。
それではいけないと、自分に言って聞かせる。
が、別の「私」がそこにいて、勝手に動き回る。
いじけたり、すねたり、ひがんだり・・・。
そういうときふと弱気になる。
神や仏に、すがりたくなる。
数日前も、『♪Amazing Grace』
(アメージング・グレイス)を口ずさんでいたら、
涙がこぼれた。
私は仏教徒というよりは、キリスト教徒。
できるだけ半々くらいにしたいとは
思うが、どうしてもキリスト教のほうに
傾いてしまう。
クリスマスが近いこともある。
このところ毎日、孫へのプレゼントは
何にしようかと悩んでいる。
そのせいか?
私はそういう点では、単細胞。
単純。
それでキリスト教徒?
++++++++++++++++++
●『Amazing Grace』
英語の「アメージング・グレイス」をどう訳すか。
かなりの英語力のある人でも、むずかしいのではないか。
直訳すれば「驚きの・優雅さ」となる。
が、もちろんそんな意味ではない。
ヒントは、歌詞の最後にある。
「グレイス、終わりなき愛(Unending Love)」とある。
つまり神の包括的な深い愛、それを「グレイス」という。
これは私の勝手な解釈によるものなので、「?」に思う人も多いだろう。
しかしそういうふうに解釈すると、「アメージング」の意味もわかってくる。
「突然、私は神の深い愛に触れた」と。
だから歌の題名の「Amazing Grace」を訳すとしたら、
「尊き神の深い愛」でよいのではないか。
Hiroshi Hayashi++++++Nov 2010++++++はやし浩司(林浩司)
【理想的な人間とは】
●義兄の夢
もうひとつ、最近、突飛もないことを考えるようになった。
きっかけは、義兄だった。
義兄がこう言った。
「ぼくね、浩司さん、宇宙人に会ったら、UFOを一隻もらうんだよ。
それに乗ってね、世界中の人たちに平和を説き、世界中から核兵器をなくすんだよ」と。
ここでいうUFOには、人知をはるかに超えた、能力と技術が備わっている。
たとえば1000台の戦車も、一瞬にして灰にすることができる。
私も心のどこかで似たようなことを考えたことはある。
しかしそれを打ち消す負の力のほうが強く、それ以上のことは考えなかった。
が、それを義兄が口にした。
驚いた。
「ぼくも同じようなことを考えたことがあります」と。
しかし宇宙人がいたとしても、私のような人間など、選ばない。
それこそ『気xxx(=mad man)に刃物』ということになりかねない。
世界をメチャメチャにしてしまうかもしれない。
●人選
宇宙人がいたとする。
その宇宙人が、1人の人間を選ぶとしたら、どんな人間を選ぶだろうか。
当然、神々しい人間ということになるが、狂信的な意味で、神々しい人
というのは、好ましくない。
毎日、朝晩、「神よ」「神よ」と賛美歌だけを歌っているような人では困る。
つまり崇高な哲学観をもった、現実主義的な人でないと困る。
となると、大学の研究者かということになるが、そういう人でも、これまた困る。
(現実)との接点が弱い。
最近の研究者と言われる人たちは、細分化され、さらに細分化された世界のみ
で、生きようとしている。
専門家としての立場を守ろうとしている。
小さな、そのまた小さな世界のことはよく知っている。
しかしその世界だけのことしか、知らない。
「研究バカ」(失礼!)という言葉も、そんなところから生まれた。
となると、人間社会の最下層で、苦労をし尽くした人が好ましい。
が、ここでもまた別の問題が生まれてくる。
苦労したといっても、その一方で、その上に熟成された知性と理性がなければならない。
日々の生活に追われ、「ものを考えるヒマもなかった」というような人では困る。
・・・と考えていくと、候補者がいなくなってしまう。
●理想的な人間
この問題は、実は、きわめて重要な命題を含んでいる。
「どういう人間を、理想的な人間というか」と。
あるいはあなたなら、つまりあなたが宇宙人なら、どんな人間を、人間の
代表として選ぶだろうか。
選んで、こう命令するだろうか。
「君に、UFOを一機あげる。このUFOを思う存分使って、地球を平和な
惑星にしなさい」と。
もちろん私なら、(私が選ばれることは、ぜったいにないが)、即座に断わる。
私には、独裁者的な性格が潜んでいる。
自分でも、それがよくわかっている。
つまり危険人物。
もし私が好戦的だったら、そのもてる武器によって、人類を破滅に導く
かもしれない。
核兵器どころの話ではない。
小型のブラックホール爆弾や、反重力爆弾によって、惑星どころか、太陽系全体を
消滅させてしまうことも可能。
となると、1人のリーダーに任すというよりは、国際連合のような組織に、
任せたほうがよい。
世界中から賢人を集めて、その賢人たちに、意思を決定させる。
その決定に従って、忠実な実行者がUFOを操る。
結局は、そういう方法がベストということになる。
●結論
結論を先に言えば、人間には、まだその資格はないということ。
「その」というのは、宇宙人がもっているような技術をもち、宇宙へ飛び出すような
資格をいう。
むしろ逆。
私が宇宙人なら、人間が宇宙へ飛び出してくるのを、どんな方法を使ってでも、阻止
する。
人間という生物は、実に、危険極まりない。
今の今ですら、そこらのサルが、ライフル銃を撃つようなことを平気でしている。
そんな生物が宇宙へ飛び出してきたら、この宇宙は、どうなるか。
宇宙人だって、それをよく知っている。
(もし、いれば……の話だが。)
宇宙開発。
それはそれで結構なことだが、同時に2つのことを私たち人間はしなければならない。
(1)個の哲学の確立。
(2)宇宙開発をコントロールする国際機関の確立。
私「ぼくは権力をもったことがないので、よくわからないのですが、権力には、
恐ろしい魔力がありますよ」
兄「魔力ねえ……」
私「それにとりつかれると、ものの考え方が一変します」
兄「なるほど。それはこわいね」
私「そうなんです。いくら高邁(こうまい)な哲学をもっていたとしても、その魔力
の前では、ひとたまりもない」
兄「やっぱり、やめるかなあ」
私「そうですね。やめたほうがいい」と。
義兄には言わなかったが、ついでに私はこんなことも考えた。
逆に、あなたが、サルの惑星かどこかに落とされたことを考えてみればよい。
宇宙のどこかに、サルが支配する惑星があったとする。
あなたは、そこへ落とされた。
二度と、地球へは帰れない。
そこではあなたは神のような存在になる。
あなたは独裁者として君臨する。
何十億匹ものサルの指導者となる。
が、あなたははたしてそんな世界で、満足感を覚えることができるだろうか。
私は、「できない」と思う。
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今日(11月26日)も始まった。
がんばろう!
みなさん、おはようございます!
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2011年1月7日金曜日
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