【熱中症vs管直人首相の責任】(改)2011/07/1記
●節電と熱中症
産経新聞(2011-07ー17)・Izaニュース(7月17日)に、奇妙な記事が載った。
実に奇妙な記事である。
いわく「熱中症による死亡者がふえたのは、管直人首相のせい」と。
一部を、そのまま紹介する。
++++++++++以下、産経新聞(iza)より+++++++++++++
政界でも「菅直人首相の思いつき」(現職閣僚)としか受け止められていない「脱原発」路線の影響で、ついに死者が出始めた。総務省消防庁が12日にまとめた調査(速報値)で、7月4日から10日までの1週間に熱中症で病院に搬送された人が前年同期の897人から5倍以上の4520人に達し、うち8人が死亡していることが分かったのだ。
(中略)
過剰な節電意識から生じた熱中症は、さしずめ「3次被害」と言ったところだろう。しかも、1次や2次被害と違って民主党政権、とりわけ菅政権と密接不可分な、正真正銘の人災でもある。
(中略)
首相は13日の記者会見で熱中症患者の急増について「本当に申し訳ないといいましょうか、静養いただかなければならない問題だ」と謝罪した。後ろめたさを感じていたとみえる。
++++++++++以上、産経新聞(iza)より+++++++++++++
●2011年は、2010年より、暑い!
そこで私は、東京都における、昨年(2010)の気温と、今年(2011)の気温を調べてみた(goo天気)。
もし2011年(今年)の気温が、2010年とほぼ同じであれば、節電と熱中症の間に、何らかの因果関係があっても、おかしくない。
(だからといって、即、管直人首相の節電協力要請と結びつけることはできないが……。)
●2010年・7月の最高気温(かっこ内は、2011年・7月)
(▲)は、2011年に気温が上昇したことを示す。
1日 29・5 (33・9) ▲
2日 31・0 (28・9) ▽
3日 28・8 (31・1) ▲
4日 31・6 (34・3) ▲
5日 30・3 (32・3) ▲
6日 30・6 (32・5) ▲
7日 27・8 (29・7) ▲
8日 30・1 (31・4) ▲
9日 27・8 (32・5) ▲
10日 31・1 (33・6) ▲
11日 28・9 (33・8) ▲
12日 29・1 (32・7) ▲
13日 25・9 (33・4) ▲
14日 31・3 (33・4) ▲
15日 31・4 (33・7) ▲
16日 31・9 (33・3) ▲
17日 32・1
これを見てもわかるように、1日~17日までの間で、2010年より気温が低かったのは、7月2日の1日だけ。
あとは、見比べただけでわかる。
1~16日までの平均気温は、2010年は、29・8度。
2011年は、32・5度。
平均気温だけをみても、2・7度も差がある!
つまり今年は、猛暑日つづき。
が、産経新聞は、「熱中症で死者が出たのは、管直人首相の(節電協力要請)のせい」と結論づけている。
韓国の新聞でも、ここまでメチャメチャな反日記事は書かない。
●気温上昇と節電
この先、地球温暖化は、さらに進む。
一説によると、気温も45度を超えると、クーラーもきかなくなるという。
節電するとか、しないとか、そういうレベルを超える。
そういうことを考えるなら、今から節電に慣れておく。
その準備をしておく。
エネルギーの無駄遣いを控える。
それは当然のことではないのか。
●必要十分条件
不幸にして、8人の方が、熱中症でなくなった。
残念な事件である。
しかしそうして亡くなった人を、いきなり管直人首相の責任とすることはできない。
(1)亡くなった人は、管直人首相の節電協力要請どおり節電し、死亡した。
(あるいは管直人首相の言葉を忠実に実行し、エアコンを使わないでいたため、死亡した。)
まずこれが必要条件。
(2)亡くなった人たちは、管直人首相の節電協力要請を無視し、節電をしていなかったら、助かった可能性が高い。
これが十分条件。
これら2つの条件を満たしてはじめて、管直人首相の責任ということになる。
が、仮にそうであっても、産経新聞のこの記事は、どう読んでも、お・か・し・い。
まだ、おかしい。
節電といっても、エアコンを止めろということではない。
仮に熱中症による症状が現れれば、だれだって冷房の設定温度を最大限までさげるだろう。
私も山中で草を刈っていたとき、一度、熱中症にかかったことがある。
それがわかったから車の中に飛び込み、頭から水をかけ、冷房をがんがんとかけた。
熱中症になっても、その人たちは、管直人首相の言いつけを忠実に守ったというのだろうか。
何も処置しなかったというのだろうか。
今どき、そんな人はいない。
北朝鮮にはそういう人もいるかもしれないが、この日本にはいない。
ものごとは常識で考えたらよい。
今年、熱中症の患者が急増したのは、気温が異常に上昇したからである。
冒頭にあげた、東京都の気温を、もう一度、よく見比べてみてほしい。
●節電
「節電に協力してほしい」という管直人首相の言葉は、こういう時期においては、至極当然のことである。
現に今の今も、福島第一原発からは、モウモウと放射性物質が空中に飛散している。
この先、その被害が、どのような形で、どこに現れるか、それさえも正確にはわかっていない。
汚染野菜に汚染茶。
今度は汚染牛肉。
それぞれは「今、ただちに害はない」というレベルかもしれないが、こういったものが複合されたときが、こわい。
しかも放射性物質というのは、日々に積算される。
「原子力発電の再開は、慎重にしましょう」と呼びかける管直人首相は、まさに常識を口にしただけ。
この先東京都どころか、名古屋市だって、あぶない。
汚染牛にしても、山口県の山口市で売られていたという。
産経新聞社が、管直人首相を嫌う理由は、よくわかる。
しかしいくら『坊主憎し』といっても、袈裟まで叩いて、どうする?
どうなる?
ここはもう少し冷静になってほしい。
自分たちの論理のおかしさに、気づいてほしい。
今は、そんなことで足を引っ張りあっているばあいではない。
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Hiroshi Hayashi+++++++July. 2011++++++はやし浩司・林浩司
2011年7月17日日曜日
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