【放射線物質(放射能)の拡散図】
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今、この日本で何が起きているか?
たとえば静岡茶から放射能が観測されたとき、
このあたりの人たちはみな、こう言った。
「福島から、何百キロも離れているのに……」と。
が、この認識がいかに甘いものであるかは、
つぎの放射線物質(俗に言う放射能)の拡散様子図
(イギリス気象庁発表)を見ればわかる。
2011年、3月22日の分だけである。
自分で確かめたい人は、
http://atmc.jp/england/
を見たらよい。
なおこの中で、邦訳は、「拡散予測図(dispersion model)」となっているが、
正確には、「拡散様子図」もしくは「拡散想像図」が正しいのでは?
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●2011年3月22日の、放射線物質(放射能)の拡散様子図
(イギリス気象庁作成)
Potential cloud spread - Iodine-131 - Japan - FLEXPART: dispersion model
(ヨウ素131、日本における拡散様子図)
3-22 03:00(GMT、以下、同じくイギリス標準時)
3-22 09:00
IMG SRC="http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/91/0000004091/50/img7ad955cazik9zj.gif" width="598" height="405" alt="conccol_I-131_20110322T090000.gif">
3-22 12:00
3-22 15:00
3-22 18:00
3-22 21:00
ついでに、その3日後の様子図も1枚、掲載する。
3-25 00時(GMT)※
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●100キロ単位で拡散する放射能(放射性物質)
放射性物質(放射能)は、100キロ単位で、拡散する。
3月22日の拡散様子図を見ただけでも、それがわかる。
同サイト(http://atmc.jp/england/)では、動画でヨウ素131の拡散していく様子も示されている。
これを見ると、日本列島の半分ほどもある巨大な汚染雲(Potential cloud)が、ナメクジのように日本列島を順次、襲っているのがわかる。
が、それでも今回は、不幸中の幸いというか、日本列島は、「風」に救われた。
3月25日の拡散様子図を見てもわかるように、汚染雲は、主に太平洋側に流れている。
もしこの風向きが、そうでなかったら……。
この先冬になれば、そうなる可能性はきわめて高いが、日本列島は、すっぽりとその中に入ってしまう。
今回の福島第一原発における事故については、すでにチェルノブイリ事故の2分の1程度の放射能がまき散らされているという。
つぎの図を見れば、その規模がいかに大きいものであったかがわかる(「原発事故」(宝島社)より)。
●日本は権力闘争を繰り返している場合ではない!
こうしたことの深刻さが少しでも理解できたら、同時に、現在進行している訳の分からない権力闘争が、いかに愚劣なものであるかが、わかるはず。
何も管直人首相を積極的に支持するわけではないが、こんな時期に、首相をしたいと名乗り出る人がいるだろうか。
管直人首相が、自らそれをするというのであれば、私たちは挙国一致内閣で、管直人首相を支持、支援すべき。
また今は、そういう時期。
多くの人は、福島第一原発事故は、すでに安定状態に入ったと考えている。
しかし基本的には、何度も書いているが、何一つ、問題は解決していない。
解決に向かった努力は、目下、作業員の方たちによって懸命になされてはいるが、言うなれば、いまだに応急措置の段階。
たとえば1号機の7月3日の様子を見てほしい。
放射線量(放射能)が、急激に拡大しているのがわかる。
(注)には、「計器不良」とあるが、意味がよくわからない。
計器不良だから、この数値になったのか。
それとも針が振り切れてしまったから、計器不良になったのか。
この数値がまちがっていることを願うばかりである。
(D/W……ドライウェルの略。格納容器本体のこと。 S/C……サプレッションチェンバーの略。圧力抑制室のこと)
なお1~3号機は、メルトダウンからメルトスルーの状態。
水素爆発も心配だが、この先は、水蒸気爆発も可能性として、起こりうる。
チェルノブイリでは、その水蒸気爆発が、被害を拡大させた。
●管直人首相の英断
各地の原子炉の再開について、政府の姿勢は二転三転しているかのように見受けられる。
が、これも、現在の状況を考えるなら、やむをえないのではないか。
今、この日本で起こりつつある(現実)は、未曾有の大災害であり、へたをすれば、東京という首都圏はもちろん、北は東北地方全体、南は名古屋市まで、人が住めなくなる。
そういう(現実)が、今、刻々と変化しつつある。
その変化に応じて、……というか、そういった深刻な情報がもたらされるたびに、意見が変化する。
管直人首相が率いる政府首脳の判断が、変化する、……つまり一貫性がないからといって、どうして私たちがそれを責めることができるのか。
それよりも理解できないのは、目先のマネーに目がくらみ、「原発再開」を唱える人たちである。
原発再開は、少なくとも、今の福島第一原発の事故の収束を確認してからでも遅くないのではないか。
今まさに、福島第一原発では、ボーボーと火が燃えさかっている。
そんな最中に、どうして原発再開なのか。
●浜岡原発について
浜岡原子炉の閉鎖は、当然。
あんなところに原子炉があること自体、バカげている。
私の意見ではない。
世界中の科学者たちが、そう言って、首をかしげている。
まさに巨大地震の発生予想地。
海のそば。
その下には、その後発見された活断層が、何本も走っている。
俗な言い方をすれば、あんなところに原発があること自体、「正気の沙汰」ではない。
もし浜岡原発で、ひとたび事故が起きれば、(すでに何回も事故は起きているが)、首都圏はもちろん、日本の経済は壊滅的な打撃を受ける。
そのときも中部電力は、「政府の基準を守っていました」と逃げるだろうが、そんな卑怯な言い訳は、もう2度と聞きたくない。
巨大ゼネコンと官僚の抵抗を覚悟に、管直人首相は、浜岡原発の停止を勧告した。
これを英断と言わずして、何という。
●政府は、正直に!
が、ひとつだけ菅直人首相に注文したいことがあるとすれば、政府は、もっと正直になるべき。
官僚がもつ情報を、そのつど、すみやかに開示すべき。
官僚という組織は、情報によって成り立っている。
情報がなければ、ただの烏合の衆。
だから情報にしがみつく。
情報を手放さない。
しかし今は、そんな状況ではない。
国家の浮沈にかかわる一大事。
わかりやすく言えば、戦争状態。
情報を小出しにして、国民をだまそうなどという小細工は、もうやめたらよい。
しっかりとそのあたりを、管直人首相は、指導してほしい。
すでに私のような者でさえ、外国からの情報を自由に手に入れることができるようになった。
またそういう時代になった。
政府は、正直に!
●私たちは……
一方、国民には、国民の責任がある。
今になって自民党(野党)は、管直人首相を口汚くののしっているが、(鳩山氏は、同じ与党内で口汚くののしっているが)、今の今まで、こうした原発政策を野放しにしてきたのは、自民党自身ではないのか。
が、自民党だけが悪いのではない。
もちろん民主党だけが悪いのでもない。
そういう政府を作ってきた、またそれしか能のなかった私たち自身にも責任がある。
民主主義とは名ばかり。
実態は、地方のオジチャン、オバチャンたちによる談合選挙。
それをよしとして、その政治を操る官僚たち。
その結果が「今」ということになる。
だから……と書くのは、あまりにも気が重いが、私たち自身も、「国が……」「国が……」という言い方をするのを、もうやめようではないか。
「自由」とは、もともと「自らに由(よ)る」という意味。
自分で考え、自分で行動し、自分で責任を取る。
それを「自由」という。
●最後に……
今も、不気味な小雨が降っている。
まさに不気味。
現在、全国の有志によって、各地の放射線が測定されている。
それらはリアルタイムで、インターネット(Ustream)で流されている。
このあたり(静岡県浜松市)の近くでは、愛知県の豊橋市(浜松市からさらに西へ32キロ)での測定結果を、昨夜も午前1時ごろまで見ていた。
その測定結果をみても、放射線は、毎時0・2マイクロシーベルト前後も観測されていた。
http://atmc.jp/geiger/?city=%E6%84%9B%E7%9F%A5
(7月8日の朝は、0・124前後、午前7時58分測定)
その測定結果は、文科省が新聞で発表している数値の約4~5倍!
すでにこのあたりまで、放射能汚染地域にすっぽりと包まれてしまっている。
だから「不気味」と書いた。
こんな日は、浜松の子どもたちも、雨合羽とマスクの着用は、当然。
私は自分の教室の生徒には、そのつど雨合羽を無料で配ってきた。
(5月に入ってからは、財政的な理由で中断しているが……。)
それにしても、何とも不気味な小雨ではないか。
2011/07/08記
Hiroshi Hayashi+++++++July. 2011++++++はやし浩司・林浩司
2011年7月8日金曜日
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