2011年2月19日土曜日

*What is now on, in the world?

●世界情勢(どう私たちは自衛すべきか)

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アメリカが、あれだけドルをたれ流せば、
影響が出ないはずがない。
正確な数字はわからないが、100兆円
とも、あるいはそれ以上とも言われている。

結果、世界の穀物価格は、平均して、この
1年間で、30%弱も上昇。

たとえば大豆価格……08年比で、2・6倍
小麦価格……08年比で、2・3倍
とうもろこし価格……08年比で、3・1倍。
(農林水産省調べ・MMF・2010)

農林水産省のHPには、こうある(以下、農林水産省HPより)。

○穀物等の国際価格は、輸出国の輸出規制等により高騰した2008年夏以降一旦落ち着いた
ものの、2010年7月以降再び上昇。現在は、2006年秋頃に比べ2.3~3.1倍の水準。

○2010年7月以降、ロシアの干ばつ等により、小麦を中心に上昇。8月下旬以降、小麦か
らの需要のシフトや米国の生産量見込みの大幅な下方修正等により、とうもろこしを中心
に上昇。11月下旬以降、とうもろこし、大豆はアルゼンチンの降雨不足等により、小麦は、
豪州東部の洪水、米国大平原の土壌水分不足等により上昇(以上、農林水産省HPより)。

こういう世界情勢の中で、世界各国は
政情不安に揺れている。
エジプトは、その第一幕に過ぎない。
順に思いつくまま、私たちはどう自衛すべきか、
今朝のニュースを読みながら、思いついたまま、
ここに書いてみる。

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●先進国

 仮に月収が100万円あったとする。
そういう人たちにとっては、食料品価格が、2倍になったところで、それほど
影響はない。
毎月の食料費が、10万円から20万円になっても、なんとかしのげる。

 しかし貧しい人たちにとっては、そうでない。
仮に月収が20万円しかなかったとする。
そういう人たちは今の今でさえ、食料費を切り詰めて生活している。
毎月の食料費が、5万円が10万円になったら、生活そのものができなくなる。
もう少し正確には、エンゲル係数という係数を使って判断する。

●エンゲル係数

 エンゲル係数は、消費支出に占める食料費の割合をいう。
「使ったお金のうち、食料費は何%」(All・About・マネーサイトより)で決まる。
総務省家計調査によれば、

年収~442万円の人で、平均24・3%、
年収944万円以上の人で、平均19・6%、
全世帯の平均は、21・6%、となっている(2005年、2人以上の世帯調べ)。

 が、これは日本という、まだ恵まれた国での数字。
世界には、まだ1日、1~2ドルで生活している人がいる。
昨今の報道によれば、この1年間で、そういった最貧困層の人たちが、4000万人も
ふえたという(11年2月)。

 そういった人たちにとっては、エンゲル係数という係数そのものが、成り立たない。

●シワ寄せは貧しい国々へ

 世界規模でみるなら、そういったシワ寄せは、最後には貧しい国々に集まる。
ここ1か月のニュースを見るまでもない。

 まずエジプト。
つぎにリビア、バーレーン、クゥエート……。
表向きは独裁政治への反発ということになっている。
しかしその引き金となったのが、高い失業率と貧困。
こうした政情不安は、現在、世界中に飛び火しようとしている。
が、こうなることは、アメリカが狂ったようにドルを印刷し始めたときから、
予想されていた。
2010年の始めごろから、アメリカは、ドル防衛のため、なりふり構わず、
ドルを世界中にたれ流した。

 が、この日本とて、無罪というわけにはいかない。
アメリカが、清水の次郎長なら、日本は、森の石松。

●アメリカの好景気

 今朝の日経新聞によれば、アメリカでは物価高にもかかわらず、株価が上昇して
いるという。
(日本は、株価は低迷したまま。)
つまりアメリカでは、ありえないことが起きている。
その(ありえないこと)の理由のひとつが、先に書いた(しわ寄せ)ということになる。

 つまりアメリカだけの、ひとり勝ち。
(「勝ち」というより、「得」。)
それもそのはず。
いくらアメリカがドルを増刷しても、世界中の人たちは、そのドルをほしがる。
ドルに代わる通貨そのものが、ない。
ユーロにしても、元にしても、また円にしても、アメリカ・ドルほどの力はない。
だから「もつべきものは、やはり、ドル」ということになる。
(それをよいことに、アメリカはドルを印刷しているのだが……。)

●不安

 こんなことをしていたら、世界はメチャメチャになってしまう。
現にメチャメチャになり始めている。
アメリカはそれでよいかもしれないが、政情不安が、さらなる政情不安を引き出す。
先に書いた、エジプトは、その第一幕にすぎない。

そのためアメリカだって、安泰というわけにはいかない。
やがてそのツケは、結局は、アメリカにも回ってくる。
当然、日本にも回ってくる。

すでにイランが、今回のエジプト動乱を機に、中東での勢力拡大に乗り出した。
軍艦がスエズ運河を越え、地中海に入った。
……などなど。
この先、こうした動きがこのまま落ち着くとは、だれも思っていない。

 こうした不安を見越して、今、世界のマネーは、現物資産、たとえば金やプラチナに
向かい始めている。
今日の金価格(ゴールド・田中貴金属)は、1グラム、4000円弱。
ニューヨーク・先物価格では、1オンス、1400ドル弱。

●日本は……

 その日本はといえば、まあ、あきれるというか、バカげているというか……?
小沢一郎という、たった1人の政治家に振り回され、右往左往。
国政の「体(てい)」そのものが、バラバラ。
こういうのをさして、「何という体たらく!」と言う。
「天下、国家プラス、世界の一大事に、何をしているのか」と叫びたくなるほど、
だらしない。

 そうでなくても今の日本に必要なのは、超強力な政府。
官僚の抵抗など、一喝して吹き飛ばせるほど、超強力な内閣。
今、ここで行政改革を断行しなかったら、この日本はどうなる?
それこそ想像するだけでも恐ろしいことが、つぎに待っている。

日本の国家破綻は、すでに可能性の問題ではない。
時間の問題。
この3月期を乗り越えることができるのか?
10月期を乗り越えることができるのか?
へたをすれば、総選挙をやっている、その最中に、この日本は破綻するかもしれない。

 つまりこれだけ国際情勢が混沌としてきたにもかかわらず、この日本は、何も
できないでいる。
国際会議を開くこともできないでいる。
わかりやすく言えば、家の中がゴタゴタしているため、家の外のことなど、とても、
とてもといった状態。

●自衛

 こうして考えていくと、私たちは私たちで、自衛するしかない。
政府は、まったくアテにならない。

(1)資産の退避……1ドルが1000円になるのも覚悟する。
   最低でも2年分の資産の確保。
  「金1キロで、1年分の生活費」(貴金属商主人談)と言われている。
(2)仕事、食料の確保……仕事と収入があれば、何とかなる。
   不況時代にも必要な仕事というのはある。
   耕作地があれば、作物を作る。
   大根一本、1万円。
   やがてそうなる。
(3)超節約生活……今から、節約生活に慣れておく。
   目一杯の生活から、余裕のある生活に転換する。
(4)健康の維持……運動量をふやす。ストレスをためない。
   運動する習慣を、しっかりと生活の中に組みこむ。

 以上は、私というド素人の考えた自衛策ということになる。
あくまでも参考の範囲で利用してほしい。

なお土地については、現在、ミニバブル進行中。
バブルがはじければ、再び暴落する。
投資先としては、向かないのではないか。
ただし土地をもっている人は、今すぐ現金が必要でないなら、手放さない方がよい。

●最後に……

 最後にもう一度、農林水産省が公表した、世界の穀物価格の数字を並べてみる。

 大豆価格……08年比で、2・6倍
 小麦価格……08年比で、2・3倍
 とうもろこし価格……08年比で、3・1倍
  (農林水産省調べ・MMF・2010)

 たまたま日本は、円高にブレたから、こうした価格の上昇分を、円高で吸収する
ことができた。
しかし国によっては、3倍どころか、10倍、20倍になった国もある。
(あの北朝鮮では、50倍だぞ!
この1年間だけでも、50倍だぞ!)

 今、世界は、たいへんな状況になりつつある。
今朝のニュースを読みながら、そう思った。

2011/02/19朝記


Hiroshi Hayashi+++++++Feb. 2011++++++はやし浩司・林浩司

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