【子育て相談】(幼児の神経症的な症状について)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●7月19日のBW幼児教室(年中児、小2児、小3児クラス)
勉強は楽しもう!
楽しく学ぶ子は、よく学ぶ、ですよ!
(1)年中児(お話作り)
(2)小2児(棒グラフ)
(3)小3児(棒グラフ)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
[投稿日時]2012年 7月18日(水)
[題名]5歳娘の行動のこと
[投稿者]MK
先生はじめまして。
年中5歳娘のことで相談をさせて下さい。
娘は一人っ子です。今年の4月から初めて保育園に通園し始めました。
引っ付き虫だった娘は、当然4月は「ママ、さみしいよー」と泣きながら通園していました。
私の姿が見えなくなると友達とニコニコあそんでいたみたいです。
5、6月は「ママが帰るとさみしいよ~」と、少しぐずって言っていましたが、だんだん泣かないで通園できていました。
7月に入ってからまた泣きながらの通園がはじまりました。
帰宅後、「ママ、○○はオシッコでるから、お水飲まない」と言ったり、今オシッコ行ったから寝てる時はおもらししないよね?、と聞いたり、もらしたらどうしよう・・・、今○○がこれ触った手でお友達触ってもどうにもならない?
大丈夫?、と先の心配ばかりしています。
いつもと少し違うなと感じ始めました。
いつ手を洗ったりトイレいったらいいかわからない・・・と。
「夏は暑いから汗でるから、たくさんお水飲んで大丈夫よ。
おもらししたって大丈夫だよ、心配ないよー」と、その都度言いました。
ちなみに一度もおもらしした事はないです。
保育園のお友達がもらしたのを見て心配になったのかなと思いましたが、それもなさそうです。
とにかく色んな事が心配になってきたみたいで、担任の先生に相談しました。
娘の保育園は、年長10人位年中児6人の、縦割りクラスです。
先生も娘のことを気にかけて下さりました。
年長さんや年中さんなので、自主性を求めるために、少しずつ「手洗ってきなさい、トイレ行ってきて下さい・・・」を言うのを減らしてきました。
だからまだ3か月しか園生活していない娘さんは、不安になったのではないかな、とのことでした。
実際、先生が○○ちゃんは行った方がいい?、と尋ねられたところ、娘はそっちがいいと答えたそうです。
それから少し落ち着くかな、と思っていましたが、それに加えて手を洗わないと心配と言い出したり、床触ったから洗ってくると言いだしたりします。
「耳の所触ったけどお友達触ってもどうにもならない?」と、すべてが不安になりだしました。
「大丈夫大丈夫、それ位で皆どうもならないよ~」と、私が言いますが、心配不安の様子。
おとといは、朝から着替える時、頭から服を被った時に、よだれがついたから着替える!!」、大丈夫よと言ってもカーっとなって我を通すだけです。
足で踏んだから汚いからこの服は洗って!!と言ったり、なだめようと抱っこしようとしたら、「ママ汚いの触ったから今は触らないで・・・」と。
さすがにこの言葉に私は泣きたくなりました。
主人が帰ってきても「パパお仕事して洋服汚れてるけど、抱っこしたからパジャマ着替える・・・」とか。
手におえない位にグズることがあり、どうしようもなくなってしまいます。
抱きしめたくても汚れている、と言われたりしてできない時はどうしたら良いでしょうか?
娘の気が済むように、あれもこれも着替えを気の済むようさせるべきですか?
どうしたらよいかわからない時があります。
時折、自分の手が床に付かないように手を挙げてるような時もあります。
通園時、靴のテープも朝は触りたがらなくて困りました。
お迎えの時は自分で履いてました。
保育園ではお利口にしすぎてるのかな?、と先生がおっしゃってました。
自宅ではママが困ると分かるから、チョット気に食わないと行動するのかなともおっしゃってました。
3か月通園して廻りの子は慣れているから何でも出来るし、指示されないと不安になるし、張りつめた気持ちが破裂してしまったのかな。。。
かんしゃく時、私には気に食わないと、足で弱めに蹴ったりもしてきました。
先生、抱きたくても触れない時、着替えると泣き喚く時とか、どのように対処したらよいでしょうか?
汚れを気にし過ぎないで今までの娘に戻るにはどうしたらよいでしょうか?
これまで寝るとき保育園に行くときなど、「ママ大好き~。チユとしたりギュっとだきしめたりしていました。
昨夜も添い寝していると、娘からチユとしてきました。
ホント難しいです。
どういう時に機嫌損ねるか分からないし対処できない時もあって・・・。
先生ニコニコの気にし過ぎない娘にまた戻れるようになれますか。
宜しくお願い致します。
Hiroshi Hayashi+++++++July. 2012++++++はやし浩司・林浩司
[題名]3歳児(男児)が荒れはじめました
[投稿者]高齢出産の母 (以下、KRさん)
4か月前から3歳半の息子が少しずつ荒れ始めました。
先生がお書きになっている幼児の神経症の症状がいくつもみられます。
明るく活発で無鉄砲な反面、利口で神経質な性質の子供です。
緊張しやすいですが、直接的な態度には表しません。
幼稚園入園や海外滞在、おむつトレーニングなどが重なり、荒れた行動→方々から感情的に叱られることも多々あり、神経が疲労してしまったのかと思います。
幼稚園では真面目な児童のようです(過剰適応気味)。
母親の私自身は長く精神不安をかかえており、父親はストレス状態にあり、息子には不安定な家庭環境を与えてしまいました。
自我がめばえてからは本人の主張が強いあまりに、私は言いなりになっていることが多く、甘えの欲求にも応えようとしてきました。
父親は筋違いの厳格さなどもあり、ちぐはぐな躾だったのかもしれません。
息子は好奇心が旺盛で、人と関わりたい、注目を集めたい、褒められたい、などの欲求が強く、最近では自分の欲求が満たされなかったり、自分の思う通りに相手が動いてくれないと、かんしゃくを起したり、暴力で訴えたりします。
神経が衰弱しているため、ストレスは避けたいところですが、自己形成の時期であるため思い通りにさせてはいけないと、ジレンマに陥っています。
大切な年齢ですので、ぜひ先生からアドバイスをいただきたく存じます。
Hiroshi Hayashi+++++++July. 2012++++++はやし浩司・林浩司
【はやし浩司より、MKさん、KRさんへ】
回答が長くなりそうなので、掲示板ではなく、BLOGのほうで、私の考えを書いてみたいと思います。
今しばらくお待ちください。
明日(7月20日朝)は、時間ができそうなので、そのとき考えてみます。
ともに「神経症的な症状」ですね。
基本的には、不安先行型の子育て、心配先行型の子育てが、基本的な原因と考えてください。
母親自身の「心」をそっくりそのまま受け継いでしまっているというわけです。
つまり「何をしても心配だ」式の子育てを、恐らく妊娠時からしてしまったというわけです。
そういう点で、「基本的信頼関係」の構築に、失敗したとみます。
で、こうした神経症的な症状を見せる子ども(チック~夜尿症~潔癖症など)は、珍しくありません。
私がどこかの小学校で調査した、調査結果もありますので、また明日にでも、BLOGのほうで紹介します。
では、今日は、これで失礼します。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●神経症的な症状
子どもの神経症的な症状(以下、神経症)を考えるとき、第一に重要なことは、つぎのことです。
(1) 子どもは家族の代表
子どもに何かの症状(神経症にかぎらない)が現れると、親は、子どもだけを見て、子どもをなおそうとする。
しかし反省すべきは、親自身ということになる。
親の育児観、育児姿勢、育児態度。
『子どもは家族の代表』というのが、今では常識的な考え方になっています。
つまり子どもの問題は、家族の問題というわけです。
……と書くと、たいへんの親は、「私は問題ない」「私はふつう」と答えます。
が、この「私は……」というのが、曲者。
本当に「私」がわかっている親は、(親にかぎらないが)、ほとんどいない。
反対に言うと、「私のことは自分がいちばんよく知っている」と言う親ほど、自分のことがわかっていない。
で、親は、常に自分を「善」とし、原因を外の世界に向かって求める。
「幼稚園が悪い」「先生が悪い」と。
「~~があったから、こうなった」「~~があったから、こうなった」と。
しかし先にも書いたように、子どもが神経症になる背景には、親の育児観が大きく影響している。
心配先行型、不安先行型、さらには子どもの側からみて、愛情飢餓など。
母子間の基本的信頼関係の構築に失敗すると、子どもは常に不安と心配の渦の中で、もがくようになる。
母子分離不安も、そのひとつ。
親の姿が見えなくなっただけで、ギャーと錯乱状態になって、親のあとを追いかけたりする。
(あるいは極度な不安状態になり、オドオドする。)
親は「私は子どもを愛している」などと言うが、たとえば、母親がたった3日間、病院に入院しただけで、母子分離不安になった子どもがいる。
遊園地で迷子になっただけで、母子分離不安になった子どもがいる。
原因はさまざまであり、「いつの間にか、そうなってしまった」というケースも多い。
(2) 二番底論
神経症は、それにつづく別の症状をともなうことが多い。
ジョンソンの学校恐怖症論によれば、不登校に先立つ前兆症状として現れることもある。
つまり「なおそう」と思わないこと。
「今の状況を、より悪くしないこと」だけを考えて、対処する。
なおそうと考え、(治そうでも直そうもよいが)、無理をすればするほど、「まだ前の方がよかった……」ということを繰り返しながら、症状は悪化する。
とくに神経症は、不登校の前兆として現れることが多い。
原因のわからない腹痛、下痢、頭痛、ぐずりなどが慢性的につづいたら、要注意。
「家庭は憩いの場」と考え、こまごまとしたしつけなどは、控える。
またひとつの症状が、別の症状を引き起こすということも多い。
ふつう神経症では、複数の症状が、同時進行の形で現れる。
(チック、夜尿症、潔癖症、不潔嫌悪症……など。)
これを私は、「二番底」と呼んでいる。
が、そこで止まるわけではない。
対処の仕方によっては、三番底、四番底へと向かう。
子どもの問題には、すべて、この二番底、三番底……がある。
「今が、最悪」とは思わないこと。
(3) 症状は半年単位でみる
神経症は、環境を改善したからといって、すぐ消えるわけではない。
半年単位で様子を見る。
チックにしても、症状が消えるまでに、半年はかかる。
おとなになってからも残ることがある。
クセとして定着するからである。
(どこかの知事が目をまばたきしたり、有名なタレントが不自然に首を振るのは、原因はチックと考えてよい。)
ほかの神経症にしても、……たとえば頻尿症、夜尿症にしても、ばあいによっては、1~2年かかることもある。
こうした神経症は、脳内ホルモンのバランスが崩れて起こることが多い。
さらに潔癖症、不潔嫌悪症(手洗いグセ)などは、「こだわり」とみる。
小児うつ病と診断されることもある。
叱って治るような問題ではない。
自然治癒力により改善されるまでには、数か月~かかる。
子どもの心の問題は、総じて、そういう視点で考える。
なお九州大学の吉田敬子氏は、「うつ病の種は、乳幼児期に作られる」と説く。
この時期に、母子間の基本的信頼関係の構築に失敗すると、おとなになってから、うつ病を発症しやすいと説く。
「何をしても許される」「何をしても許す」というたがいの信頼関係が、子どもの心の発育には、絶対条件ということになる。
「絶対的」というのは、「疑いを抱かない」という意味。
つぎの相談は、愛情飢餓により、神経症を発症した例である。
Hiroshi Hayashi+++++++July. 2012++++++はやし浩司・林浩司
【子どもの心の奥にあるもの】(2008年10月21日記)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
よく誤解されるが、情緒不安というのは、情緒が不安定になることではない。
(心の緊張感)がとれないことを、情緒不安という。
心が緊張しているとき、不安や心配ごとがあると、心は一気に不安定になる。
結果として情緒は不安定になる。
つまり情緒不安というのは、(心の緊張感)がとれない、その結果として現れる症状をいう。
子どもの情緒不安を感じたら、まず、心の緊張感が、いつ、どのように発生し、どのように作用しているかを、観察する。
慢性化すれば、神経症(症状は千差万別)を発症するようになる。
疑惑症、嫌悪症、潔癖症なども、そのひとつ。
対処法としては、(心の緊張感)をほぐすことを第一に考える。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
【AKさんより、はやし浩司へ】
6歳の娘と、4歳の息子がいます。6歳の娘についての、相談です。
長女はいい子で優しく素直な子です。神経質で、きっちりしている(言いつけを守る)ところもあります。
5歳くらいまで母子分離不安が強く近所で多数の子供たちと遊ぶと、うちの子はなかなか私から離れず、みんなの中に入って行くのを尻込みするタイプでした。
何か心にストレスを感じるとすぐ身体症状が出る子で、幼稚園入園後半年で円形脱毛になり、年長に上がった時に神経因性頻尿になりました。
いずれもたくさん構ってあげたりスキンシップや気分転換させると自然に治りました。
今困っている症状は、手を洗っても汚れがついている気がする。
その手で蛇口を触れない(蛇口をずっと長いこと洗います)。
手に触れるものや口に入れるもの全てにおいて清潔か、触っても大丈夫かの確認を何度もする。
チック(目をぱちぱちする)です。
手洗いに関しては、私が指摘したせいか本人も自覚してしまってつらがっています。
手洗いの際私が手を包み込んで一緒に洗うと、ましなようです。
弟の方はマイペースで長女のようにきっちりせず、のびのびしています。
母親に対する独占欲が強く長女といつも私を取り合う感じです。
3歳頃まで泣きひきつけがひどく、あまり泣かせないようにしてきたからか、長女は我慢をすることも多かったと思います。
次男出産後1年半は保育所に預けていました。
私自身にも問題があります。
一度火がつくと自分でもコントロールできない程激しく叱ってしまうのです。
私の母親が普段は優しく愛情深いのですが、怒るとすごくこわく、いわゆるヒステリータイプで、毎日夫婦喧嘩の声(母の怒った声)に子供の頃から心が休まらない家庭でした。
母の顔色を伺いながら生きてきた自分を考え、自分は絶対そんな思いは子供にさせまいと思い続けて母親になりましたが、時々自分の中に母親の影をみることがあります。
特に生理前などはイライラが強く、子供にきつく怒ってしまいます。
その度に自己嫌悪に陥り反省し、よし明日からはとがんばるのですが、1ヶ月くらいたったある日それまでの努力を自分で台無しにするような怒り方をして、また反省し繰り返しです。
こんな自分も嫌です。
どうにかして治したいのですが。
夫に私がきつく怒りすぎて子供が萎縮していると指摘を受けました。
今回長女の強迫的な行動におろおろし、いろいろ調べたところ、はやし先生の相談者に対するアドバイスを読み、今まで長女は繊細であれこれ困ったことが起きるなと思っていたのは、すべて私が原因だったのでは?、と思いました。
長女に対して今最大限のスキンシップをはかるようにしていますが、このまま続けて行けば良くなるでしょうか?
ひどい時は10分おきくらいに、「足を触ったかもしれないけどその手を舐めたかもしれないけど大丈夫?」といった質問を繰り返したり、手洗い場で「洗っても洗っても汚れてるみたいな気がする」と泣いている娘をみると、早く治してあげたくて受診させたほうがいいのかと悩んでいます。
主人は自分の実家で気分転換させたら?、といいます。(主人の実家は長女びいきで行くといつも娘の表情が穏やかでわがまま言い放題、のびのびしています。)
先生、どうか返答は遅くても構いません。
是非アドバイスをお願いします。
私自身はメールアドレスを持っていないので主人の名前で出しています。
(相談者・AK)
【はやし浩司よりAKさんへ】
まずAKさん、あなた自身の心が、なぜいつも緊張状態にあるかを、静かに観察してみてください。
いつもピリピリしているというようであれば、そのもとになっている、原因をさぐります。
(こういうケースでは、親の方が、神経症的な症状を示していることが多いです。
ピリピリとした育児姿勢、過干渉、過関心など。
親がそういう状態で、どうして子どもの神経症がなおるかということになります。)
私の印象では、AKさん自身が、心を開けない人のように思います。
他人の前に出ると、緊張してしまうとか、(結果的に疲れやすい)、仮面をかぶってしまうとか、そういう状態ではないかと思います。
さらにその原因はといえば、AKさん自身の母子関係にあります。
AKさんと、AKさんの母親との関係です。
AKさん自身も、子どものころ、(いい子)ぶることで、いつも自分をごまかしていた。
現在のあなたの長女のように、です。
で、相談の件ですが、年齢的に、つまり2歳下の弟がいるということですから、長女は、まだ人見知り、後追いのはげしかったころ、下の弟が生まれたことになります。
下の弟が生まれたことによって、大きな愛情の変化を感じたと思われます。
対処の仕方を誤ると、赤ちゃん返りという症状が生まれます。
長女は、現在も、その(赤ちゃん返り)の流れの中にあると思ってください。
子どもというのは、環境の変化にはたいへんタフですが、愛情の変化には、敏感に反応します。
親は「平等にかわいがっている」と言いますが、子どもには、そういった論理は通用しません。
あなたの夫が、ある日突然、愛人を家に連れ込んできたようなばあいを、想像してみてください。
もうおわかりかと思いますが、長女は、慢性的な愛情飢餓状態にあると考えて対処します。
濃密なスキンシップ、添い寝、手つなぎなど、こまめに実行してみてください。
ポイントは、『求めてきたときが、与えどき』です。
長女のほうから、スキンシップを求めてきたようなときは、すかさず、(すかさず、です)、それに応じてあげます。
「あとでね……」「忙しいから……」は、禁句です。
ほんの数分、応じてあげるだけで、子どもは、落ちつくはずです。
ほかに食生活にこころがけてみてください。
CA、MG、Kの多い食生活(=海産物中心の献立)にするだけでも、かなり効果があります。
(薬物に頼るのは、この時期、勧めません。)
とくにCAの多い食生活を大切にしてみてください。
市販の子ども用錠剤なども、効果的です。
(薬局へ行くと、高価な錠剤を勧めますが、安いものもあります。
安いのでも効果は同じです。服用量を注意して、与えます。)
私自身も、心の緊張感がほぐれないときは、CAの錠剤をバリバリと口の中で割ってのんだりしています。
ほかにハーブ系の錠剤をのむこともあります。
(子どもに与える量については、専門家とよく相談してください。)
偏食、とくに白砂糖の多い食品は、避けます。
(家庭では、精製してない黒砂糖を料理に使うとよいでしょう。)
家庭生活の要(かなめ)は、子どもの側からみて、(心の休まる)環境です。
長女は、おそらく外の世界(幼稚園など)では、いい子ぶることで、自分の立場を保持しているはずです。
つまりそれだけ神経疲れを起こしやすいということです。
ですからその反動として、家の中で、ぞんざいな態度、横柄な態度を見せるかもしれませんが、そこは許してやってください。
「うちの子は、外でがんばっているから、家の中ではこうなのだ」と、です。
6歳ともなると、(家)は、(しつけの場)ではなく、(憩いの場)とならなくてはいけません。
疲れた心を休める場所です。
手洗いグセについては、『暖かい無視』に心がけます。
心の緊張感(わだかまり、こだわり)がほぐれてくれば、自然になおります。
親がカリカリすればするほど、逆効果です。
なお子どもの神経症については、私のHP→(ここが子育て最前線)→(子ども診断)→(神経症)に収録してありますから、参考にしてください。
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/page080.html
で、問題は、AKさん、あなた自身です。
遠くは、あなたとあなたの母親との関係にまで、原因がさかのぼります。
あなた自身が、全幅に、あなたの母親に受け入れてもらえなかった……。
それが今、あなたの対人関係(もちろん子どもに対しても)に、影響を与えています。
さみしがり屋で孤独なくせに、しかし集団の中に入っていくと、すぐ神経づかれを起こしてしまう、と。
他人を信ずることができない……つまり、他人に心を開くことができない。
自分をつくってしまう。ありのままをさらけ出すことができない、など。
(あるいは何かの原因で、長女を愛することができないのかもしれませんね。
「長女を愛しなければならない」「しかしどうも好きになれない」と、AKさん自身が、心の中で葛藤しているということも考えられます。
あなた自身も、親に愛されていなかった……。
その世代連鎖が、今もつづいている可能性も否定できません。)
ともかくも、こうした緊張感が、ちょっとしたきっかけで、爆発してしまう。
長女に対して、です。
症状としては、AKさん自身が、(うつ病質)であると考えられますが、専門的な判断は、ドクターにしてもらってください。
同時にAKさん自身も、CAの多い食生活に心がけてみてください。
ほとんどの親は、子どもに、ふつうでない症状が現れると、子どもに原因を求め、子どもを治そうとか、直そうとか考えます。
しかし子どもは、(家族の代表)でしかありません。
幸いなことに、AKさんは、今、それに気づきつつあります。
つまりすでに問題は、半分以上、解決したということです。
あとは、長女のよいところだけを見て、長女といっしょに、もう一度人生を楽しむつもりで、子育てをすればよいでしょう。
あるいはもうそろそろ長女から離れ、あなた自身が自分でしたいことをすべき時期に来ているかもしれません。
夫の実家でめんどうをみてくれるというのですから、そういう場をうまく利用して、あなたはあなたで、好き勝手なことをすればよいのです。
また、子どもを愛せないなら愛せないで、気負うことはありません。
実際そうした母親は、7~10%はいます。
まず、あるがままの、自然体で、子どもに接することを大切にします。
「親だから……」と気負ってはいけないということです。
(メールによれば、AKさんは、かなり親意識の強い方のようですから……。)
子どもの「友」になることだけを考えて対処します。
どうであるにせよ、症状としては、この時期、たいへん多いですから、あまり深刻に考えないこと。
ただし環境を改善したとしても、すぐには症状は消えません。
あせらないこと。チックにしても、家庭環境が改善されても、ばあいによっては、そのあと、数年つづくこともあります。
(手洗いグセは、比較的早く、症状は消えます。)
詳しくは、「はやし浩司 神経症」「はやし浩司 手洗いグセ」で、検索してみてください。
またAKさん自身の問題は、「はやし浩司 基本的信頼関係」が、参考になると思います。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 Hiroshi Hayashi 子どもの神経症 手洗いグセ はやし浩司 不潔嫌悪症 潔癖症 はやし浩司 神経症的な症状)
Hiroshi Hayashi+++++++July. 2012++++++はやし浩司・林浩司
●神経症
子どもの側に立って、考える……これが大鉄則です。
子どもが手を洗ったら、それを「おかしい」と思うのではなく、「そうね」と理解してあげる。
子どもが納得するまで、子どもに手を洗わせる。
あるいは親もいっしょに、手を洗う。
「あなた、おかしいわよ」と、無理にやめさせても意味はない。
かえって症状を悪化させる。
先にも書いたように、こうした情緒不安症状は、心の緊張感が取れないことに起因する。
従って、家庭での指導の第一は、「心の緊張感をほぐすこと」。
やりたいようにさせ、温かい無視に徹する。
過関心、過干渉は、タブー。
子どもの側から見て、親の視線を感じないようにする。
親の姿を見て、どこかへ逃げていくようであれば、最悪の家庭環境と考えてよい。
保育園や幼稚園での生活が、神経疲労を起こしているようなら、ときにはズル休みもしながら、心の調整をする。
いやがって泣く子どもを、無理矢理バスに押し込めるような行為は、「虐待」と考えてよい。
(日本人には、そういう意識はないが……。)
カナダでは、保育時間も親が決める。
オーストラリアでは、週3回(たとえば月・水・金だけ)という幼稚園もある。
またアメリカでは、公立小学校でも、4歳児から預かるところが多い。
世界の幼児教育は、もっとフレキシブル。
「ズル休みをしながら、適当に行けばいい」などと私が言うと、多くの親は驚くが、それこそまさに世界の非常識。
もう少し気楽に考えてもよいのではないか。
たとえば40年前には、1~2年保育が主流だった。
5%の子どもは幼稚園へ行かないで、小学校へ入学していった。
現在のように、3~4年保育が主流になったのは、ごく最近のこと。
その分だけ、子どもの学力が向上したという話は聞いていない。
(少し過激な意見で、ごめん!)
●親の意識
まず親の意識改革をする。
方法は簡単。
もっと気楽に!
肩の力を抜く!
子どもの症状もさることながら、母親たちの対処の仕方を読んでいると、私のほうまで気が滅入ってきます。
子どものやりたいようにさせ、いっしょにつきあってやる。
あとはハハハと笑ってすます。
たとえばよくある夜尿症にしても、子どもはそういうものと考え、やりたいようにさせる。
「漏らしても無視。漏らさなかったら、ほめる」です。
あとはあきらめる。
で、子どもというのは不思議なもので、親があきらめたとたん、いつの間にか、夜尿症がなおってしまう。
それをカリカリと、夜中に起こしてトイレへ連れて行くようなことをするから、かえって症状が長引いてしまう。
子どもも、ますます神経質になる。
●心の緊張感を取る
子どもの行為にいちいちカリカリしないこと。
そのかわり、先に書いた、「絶対的な安心感」で、子どもを包む。
添い寝、手つなぎ、抱っこ、いっしょの入浴など……。
まさに根気比べということになります。
今では、心の緊張感をほぐすためのよい薬もあります。
小児科で相談すれば、処方してもらえますが、この時期は、あまりお勧めしません。
とくに脳内ホルモンをいじる薬物は、お勧めしません。
子ども自身がもつ自然治癒力を大切にします。
と、同時に、もう一度、「子どもは家族の代表」という言葉を、思い浮かべてください。
まず何よりも重要なのか、家庭環境の見直しです。
私のHPのどこかに、「ママ診断」がありますから、どうか一度、自己診断をしてみてください。
で、最後に一言。
とは書きつつも、子どもの神経症は、珍しくありません。
つまり心の病気です。
が、あまり深刻に考えないこと。
ほとんどの子どもが一度は経験する、はしかのようなものです。
「いつの間にかなおってしまった」というのが、神経症(神経症的な症状)です。
(軽いものでは、指しゃぶり、髪いじりなどがあります。
ざっと数えただけでも、下の表ほども、いろいろな症状があります。)
「自己形成」という言葉が出てきましたが、この問題とは、まったく異質のものです。
切り離して考えてください。
全体的には、園の先生に相談しながら、そのつど反省すべき点は反省しながら対処していけばよいかと思います。
(参考までに)
●ママ診断
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/page288.html
●神経症(子どもの神経症的な症状)
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/page080.html
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 子どもの神経症 神経症的な症状 潔癖症 不潔嫌悪症ほか)
Hiroshi Hayashi+++++++July. 2012++++++はやし浩司・林浩司
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