2011年8月22日月曜日

*How to spend onae dy long enough

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 子育て最前線の育児論byはやし浩司     8月  22日号
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【人生の密度論】(脳みそのクロック数)

8月5日

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久しぶりに、『ニュートン』(ニュートン・プレス)
を買ってきた。
日本を代表する、すぐれた雑誌である。
「創刊30周年記念企画(後編)」と表紙にはある。
定価は1000円。
以前はもっと値段が高かったように思う。
おいそれと買えるような(?)雑誌ではなかった。

+++++++++++++++++++++++++

●137億年

2011年9月号。
「大宇宙137億年」という表紙の大見出しが気になった。
137億年!

少し前まで、宇宙の歴史は60億年と思い込んでいた。
が、この世界、つまり宇宙科学の世界は、研究が進めば
進むほど、広がっていく。
で、今は、137億年。

もっとも当初は時間も物質もない時代だから、「億年」という
言い方も、おかしいのでは?
素人の私がそう言うのは危険なこと。
しかし化学(物理学)の世界には、「1フェムト秒」という単位もある。
その「フェムト秒」については、何度も書いてきた。
10の15乗分の1秒をいう。
0・000000000000001秒!

 単なる計算上の数字を言うのではない。
今では1フェムト秒単位で化学的な変化を、観察することもできる。
そういう装置も開発された。
そこで仮に1フェムト秒を、人間社会の1秒に換算すると、人間社会の
1秒は、その10の15乗倍になる。
で、計算してみると・・・。

●1フェムト秒

 今、手元に、それを直接計算できる計算機がない。
そこで逆に計算してみる。

1日は86400秒。
それを365倍して、1年は、31536000秒。
さらに1000倍すれば、1000年は、31536000000秒。
1万年は、3153600000000秒。
3x10の13乗。
だいぶ近づいてきた。

10万年は、3x10の14乗。
100万年は、3x10の15乗。
つまりその約3分の1。
約33万年。

仮に1フェムト秒を、人間社会の1秒に換算すると、
何と、約33万年!
もし私たちが1フェムト秒を1秒にして生きることが
できたとすると、約33万年も生きることになる。
たった1秒で!

●時間

 時間というのは、そういうもの。
「数字」ではない。
生き様の問題。

 たとえば『ニュートン』誌によれば、この大宇宙は
一瞬にして誕生したという。

「1秒の1兆分の1の、その1兆分の1の、そのまた
1兆分の1秒に、宇宙は、1兆倍の、その1兆倍の、
さらにその1000万倍になった」と。

 この一瞬というところが、くせモノ。
おかしい?
宇宙誕生のころには、この大宇宙は、1フェムト秒単位、
あるいはそれ以上の単位で動いていたかもしれない。
そのことは、現在の時間が、より長くなっているか、
それともより短くなっているかを知ればわかる。
それを逆算すれば、137億年前の「時間」が、
どういうものであったかが、わかるはず。

●基本単位時間

 そこで登場するのが、「基本単位時間」。
長さの世界で言えば、「もの指し」のようなもの。
が、そういうものはあるのだろうか。
もの指しがあれば、時間の長さを相対的に測定することができる。

たとえば分子の分子運動のようなものを、基本単位時間に
するという方法もあるかもしれない。
それを基準にすれば、現在の1秒が、より長くなりつつあるのか、
それとも短くなりつつあるかが、わかる。
しかしその分子運動も、実は、時間の影響を受けている。
というか、時間のエネルギーは、分子レベルから、光速レベルまで、
ありとあらゆるものに影響を与えている。

●生きる時間

 私の脳みそでは、ここまでしか考えられない。
しかしこういうことは言える。
ぐんと話しは哲学的になるが、こういうこと。

 もし私たちが、今の時間を2倍にして生きれば、人生の長さも
2倍になるということ。
そうでなければ、そうでない。

 たとえばダラダラとだらしない人生を送れば、人生の長さは、
2分の1になるかもしれない。
10分の1になるかもしれない。

 しかし当の本人が、それに気づくことはない。
2倍にして生きている人にとっても、1年は1年。
10分の1にして生きている人にとっても、1年は1年。
2倍という実感を得ることは、むずかしい。
同じように、10分の1という実感を得ることはむずかしい。

●脳のクロック数

 ご存知のように、コンピューターは、CPU(中央演算装置)に
よって、性能が決まる。
1秒間に何回計算するかで、性能が決まる。

 私が35年前に買った、PET2001(コモドール社製)の
パソコンは、簡単な二次曲線を描くだけで、1分ほどかかった。
が、今は、瞬時に3Dの画像を、映画のように描いてみせる。
CPUの速度が速ければ速いほど、その分だけ、1秒なら1秒を
長く使うことになる。

 つまりこういう考え方を、脳のCPUに当てはめて考えることは
できないか。

●脳のCPU

最近の研究によれば、脳の中にもCPUに似た部分があることが
わかってきた。
視床下部の下あたりにあるらしい。
そこから連続的な信号が発せられ、それに基づいて脳の機能が
制御される。
で、ここからが私の仮説だが、こういうこと。

 若いときほど、脳のクロック数は速く、年を取れば取るほど、
脳のクロック数は遅くなる。
このことは、幼児を見ていると、よくわかる。
幼児のもつ脳みそのクロック数は、おとなのそれより、はるかに速い。
速いから、おとなのクロック数を基準にして、ものを教えよう
としても、すぐ飽きてしまう。

 だから幼児を教えるときは、幼児のクロック数に合わせて、
教えなければならない。
テンポを速くし、リズミカルに教える。
さらにこんなことも言える。

●頭の回転数

 若いときに感ずる1年と、年を取ってから感ずる1年には、
大きな差がある。
これはおおかたの人たちが経験していることである。
年を取れば取るほど、1週間、1か月、1年の過ぎていくのが
速く感ずる。
さらに青春時代の10年と、50代の10年とでは、明らかに
ちがう。

 青春時代の10年間には、思い出がぎっしりと詰まっている。
50代の10年間には、思い出という思い出が、ほとんどない?
しかし青年にも、また老人にも、1年は1年として過ぎていく。
そのちがいは、何によってもたらされるかといえば、言うまでもなく、
脳のクロック数の問題ということになる。
わかりやすく言えば、「頭の回転数」。

●測定方法

 が、それを知る方法はあるのか。
脳のクロック数を知る方法はあるのか。

 私はひとつの方法として、会話の速度をあげる。
このことは、私が若いころ、気がついた。

 当時、大平正芳(1910~1980)という人がいた。
元総理大臣である。
あの首相は、いつも、つぎのような話し方をしていた。

「・・・エ~、アノ~、つまり、ア~、日本の~、オ~
政治とオ~、いうものわア~ で、ございます」と。

 脳に血栓性の梗塞があったのかもしれない。
今にして思えば、そう思える。
そのあとすぐ大平首相は、心筋梗塞か脳梗塞で亡くなっている。
「私なら数秒で言えることを、1分もかかっている」と、
当時の私は、そう感じた。

 話し方が遅いから、脳のクロック数も遅いということには
ならないかもしれない。
しかし話し方の速度を測定すれば、その人の脳のクロック数を
ある程度、測定できるのではないか。

 もちろん脳の中でもその部分だけが特異に発達している人もいるだろう。
老人でもペラペラと早口でしゃべる人は多い。
反対に沈思黙考型の人は、当然、話す速度が遅くなる。
アルコール中毒やヘビースモーカーの人などは、独特のかったるい話し
方をする。
また最近の研究によれば、女性のばあい、言語中枢が右脳にもあることが
わかってきた。
「女性はおしゃべり」という現象を説明する、ひとつの理由になっている。

 いろいろな影響を受けることは事実。
が、総合してみれば、若い人は話し方が速い。
老人は遅い。
そこに一次関数的な連続性があることは事実。
つまりそれを手がかりにして、脳のクロック数を調べるという方法も
あるかもしれない。

●最後に

もし脳のクロック数という考え方が証明され、かつクロック数を
速くする方法が見つかれば、その人は、今の人生を、2倍とか3倍に
して生きることができる。

 生きる時間は同じでも、中身を2倍とか3倍にすることができる。
実感として、自分の人生を2倍とか3倍にして生きることができる。
それは可能なのか。
私自身は、不可能ではないと考える。

 その反対の例として、緩慢動作が特徴な子どもがいる。
障害児という範囲の子どもではないが、何をするにも、動作が鈍い。
とっさの判断や、とっさの行動をするのが苦手。
脳の機能障害のひとつと考えられるが、定型化されているわけではない。
もちろん診断基準もない。
治療法も確立されていない。
しかし「いる」のは、事実。

 そういう子どもを見ていると、脳のクロック数が遅いのでないかと
思われる。
もし私のこの推論が正しいとするなら、反対にクロック数をあげる
ことも可能ということになる。
とんでもない推論に思う人もいるかもしれないが、何も薬物に頼る
必要はない。
「人生」というのは、「生き様」の問題。
日常的な生活態度や、訓練によって、速くすることは可能。

・・・ということで、結論を言えば、ダラダラとその日、その日を
無益に生きるのも人生。
一瞬一秒を惜しんで、キビキビと生きるのも、これまた人生。
同じ10年でも、1年にようにして生きてしまう人もいれば、
100年のようにして生きる人もいる。
だから「生き様」の問題。

 『ニュートン』誌を読みながら、私は別の脳みそで、そんなことを
考えた。

宇宙の話しはそういう意味で、たいへんおもしろい。
私はそういう話が好き。
想像力がかぎりなく、私の住む世界を広くしていく。

では・・・。

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Hiroshi Hayashi++++++Aug 2011++++++はやし浩司(林浩司)

●8月6日(今日、ありのまま)

++++++++++++++++++

山荘を建てるとき、手伝ってくれた人がいた。
KWさんという人だった。
私より20歳も年上で、そのときすでに
60歳を超えていた。

年齢も年齢だからということで、毎日では
なかった。
体の調子のよいときだけを見計らって、週に
数日、手伝ってもらった。

そうして6年。
山荘の土地は、完成した。

で、久しぶりに、KWさんの話しを聞いた。
KWさんの近くに、農家の人たちが集まって
開く、青空市がある。
そこで「KWさんは、元気?」と聞いた。
が、レジの女性はこう言った。

「KWさんは、昨年(2010)の暮れ、
亡くなりましたよ」と。

++++++++++++++++++

●夢

 家に帰って、昼寝をした。
このところそれが日課になっている。
その昼寝で目を覚ますとき、こんな夢を見た。

 それまであちこちを旅行していた。
電車に乗ったようだが、その部分はよく覚えていない。
が、気がついてみると、私は美濃の実家へ来ていた。
実家の居間で、赤い飛行機を手にしていた。
ゴム動力で飛ぶ飛行機だった。
私はそれをもって、外に飛ばしに行こうと考えていた。

 で、通路を通って、店のほうへ行くと、そこに
兄が座っていた。
ニコニコと笑っていた。
私はそれを見て、兄に、こう聞いた。

「これは夢? それとも現実?」と。
するとその向こうに母が立っていて、こう言った。
「もちろん夢だよ」と。

 そこで私はこう切り返した。
とても夢には思えなかった。
「じゃあ、道路で裸で踊っても、だれも笑わないのか」と。
すると母がまた答えた。
「だれも笑わないよ」と。

 私はゆっくりと兄の体に手を回した。
兄も私の体に手を回してくれた。
私は兄に、こう言った。
「ぼくは、ずっとさみしかったよ」と。
とたん、夢の中で私は涙をこぼした。
と、同時に、目が覚めた。

 横を見ると、ワイフも眠っていた。
私はワイフに悟られないよう、静かに泣いた。
目頭に涙が数滴たまった。

 さみしかった。
生きていること自体が、さみしかった。

●KWさん

 昨年の終わりごろ、KWさんに会ったことがある。
脳梗塞を患い、そのときは、大きなマッサージチェアに座っていた。
週に何回かは、デイサービスを受けているということだった。
顔を合わせると、こう言った。

「こんなになっちゃってねえ」と。

 そのKWさんには、悲しい思い出がある。
KWさんは、そう言って、こんな話しをしてくれた。

 KWさんには、1人の娘さんがいた。
その娘さんが、24歳のときのこと。
いつものように、「これから仕事に行ってくる」と家を出た。
が、元気な姿を見たのは、それが最後だった。
その日のうちに、娘さんは、仕事場で急死。
夕方には遺体で、家に戻ってきた。
あまりにも急な死だった。

 KWさんは、いつもそこまでしか私に話してくれなかった。
私も、それ以上のことは、聞かなかった。
ただKWさんは、こう言った。

 「死んだ娘ほど、いい娘とは言いますがね、本当に親思いのいい娘でした」と。

 ときどきKWさんは、娘さんの話しをしてくれた。
が、話しの内容はいつも、同じ。
そこまで。
いつかもっと話してくれるかなと思っていたが、KWさんは、それ以上のことは
話してくれなかった。

 そのKWさんが、亡くなっていた。
知らなかった。
10年ほど前、膵臓ガンを患ったという話しを聞いた。
が、青空市のレジの女性は、梗塞による、臓器不全が原因で亡くなったと話して
くれた。

 私とワイフは、そこから歩いてKWさんの家に行った。
家は留守だったが、離れようとすると、息子さんの嫁さんが畑のほうから出てきた。
私は悔やみの言葉を伝えた。
とたん、涙がこぼれた。
熱い涙だった。

 嫁さんは、別れ際、こう言った。
「今年は初盆です。13日からします」と。

●処分

 このところ私にとって大切な人が、つぎつぎと亡くなっていく。
さみしいというより、心細い。
自分だけが取り残されていくよう。

 ただどうか誤解しないでほしい。
私はもう死ぬのは、こわくない。
去年のはじめ、それを経験した。
激しい後頭痛を感じ、床に倒れたとき、こう思った。
「ああ、これで死ねる」と。
自分でも信じられないほど、穏やかで、冷静だった。

 ときどき神経痛の発作に襲われるが、そのときは格別だった。
それにたいていは夜中だが、そのときは、廊下を歩いているときだった。
あれほど死を恐れていた私だったが、いざ、そのときになってみると、
「ああ、これで死ねる」と。

 恐怖感はほとんどなかった。
いや、まったくなかった。
だから今、ときどき人に、こう言う。
「死の瞬間というのは、何もこわくないですよ」と。

 ……つまり、私も私なりに、死の覚悟をし始めている。
話しを聞くと、どうやらワイフもそうらしい。
それもあって、先週からアルバムの整理を始めた。
アルバムから写真を抜き取り、それを息子たちに分け与える。
その準備を始めた。
とくにアメリカに住む二男は、何かにつけ、さみしい思いをしていることだろう。
その気持ちは、よくわかる。
私もこの浜松で、同じような思いをした。
で、メールで、「近く写真を送る」と連絡した。
今のところ、返事はないが、私の方で勝手に送る。

 ……ということで、ここ1年、家の中がすっきりしてきた。
飾り物などの小物は、子どもたち(生徒)に、どんどんと分け与えている。
今まで買い集めたみやげや、もらったみやげなど。
そのうち家の中は、からっぽになるだろう。
が、そのとき同時に、私もこの世を去ればよい。

 たいした人生ではなかったが、思う存分、自由に生きた。
ほかの人たちのことは知らないが、思い残すことは、もうない。
(少しはあるが、ほとんど、ない。)
息子たちも含めて、あとの人たちは、あとの人たちで、勝手に生きていけばよい。
成功組か失敗組かと聞かれれば、私は失敗組。
が、たいした不幸も経験せず、この年齢まで健康で過ごせた。
それについては、感謝している。
「運がよかった」と感謝している。

●原爆記念日

 8月6日。
広島に原爆が落ちた日。
KWさんの死去を知り、今日は一日中、さみしかった。
何をしても、さみしかった。

 夕方遅く、ワイフと長男と3人で、近くのマックへハンバーガーを
食べに行った。
そのときも、さみしかった。
今日は、そういう一日だった。
こういうときは、安定剤でものんで、早めに床に就いたほうがよい。

 日記、おしまい!
みなさん、おやすみなさい!


Hiroshi Hayashi++++++Aug. 2011++++++はやし浩司・林浩司

【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●8月7日(日曜日)「金こそ、すべて」(恐慌に備えて……)

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ヤフーニュースのトップには、こうある。

『G7緊急電話会議開催か=関係筋

 関係筋が7日明らかにしたところによると、
先進7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁による
緊急電話会議が始まったもようだ』と。

この(あわてぶり)が、現在の経済危機を表象している。

++++++++++++++++++++++++++

●不思議なほどに平和な世界

 まるで何ごともないかのように、窓の外ではセミが鳴いている。
真っ青な空。
深々とした緑の色。
そのコントラストがまばゆいほどに、美しい。
が、この不思議なほどに平和な世界は、いったい何なのか?
どうとらえたらよいのか?
そう、今、世界は大激動の真っ直中にある。
 
●限界

 基本的には、お金(マネー)の奪いあい。
が、アメリカにしても、EUにしても、そしてこの日本にしても、お金には困らない。
必要となったら、印刷機を回せばよい。
回しても回しても、世界の人たちは、そのお金をほしがる。
……というのが、今までの図式だった。
が、それが限界を超えた。
度を越した。

●経済破綻

 ギリシアやアイルランドは、とっくの昔に破綻状態。
それがスペインやイタリアに波及しそうな気配になってきた。
が、スペインやイタリアが破綻したら、どうなるか?
経済規模がちがだけに、EU全体に与える破壊力は、桁違いに大きい。
が、それだけではない。
その上を行くのがアメリカ。

 天文学的数字の額のドルを印刷しておきながら、さらに増刷につづく増刷。
ここ1、2年、さらにその額が二次曲線的に急上昇している。
「上限案」もそのために生まれたが、その上限もすでに軽く突破。
もちろんこの日本も、あぶない。
どうあぶないかは、すでに、みなさん、ご存知のとおり。

●水とパン

 人は、パンと水のみで生きるものではない。
それはわかるが、パンと水がなければ、生きていくことはできない。
が、世界人口はふえつづけている。
すでに70億人!
ほんの少し前まで、60億人と思っていたが、もう70億人。

が、世界の穀物生産にも限界がある。
すでに世界の穀物価格は、過去3年間だけをみても、
すでに3倍近くにまではねあがっている。

たとえば、大豆価格……08年比で、2・6倍
小麦価格……08年比で、2・3倍
とうもろこし価格……08年比で、3・1倍。
(農林水産省調べ・MMF・2010)

 世界中の人が、その「パン」を求めて、熾烈なまでの闘争を繰り返している。
それが今回の大恐慌の元凶と考えてよい。

●100分の1

 今朝の新聞は、「週明けから、市場は波乱含み」と書いている。
株価の大暴落、円の急騰などをさしたもの。
言い換えると、世界中が、カオス(chaos=大混乱)状態になる。

(1)みなさんは、銀行預金を、1000万円以内に収めたか?
(2)みなさんは、余剰資金をできるだけ現物資産(貴金属)に交換したか?
(3)みなさんは、株式投資、債券投資から手を引いたか?

 もしそうなら、それでよし。
そうでないなら、大損害に備えるべし。
「一般投資家の95%は、すでに損をしている」という。

私の知人は、あのリーマンショックのとき、1億円の資産(株資産)を、1000万円に
してしまった。
「S」という名前の会社だった。
で、相談があったので、「10分の1でもよいから、損切りをしなさい」と忠告した。
が、それに従わなかった。
そのあとも株価は下落しつづけ、結局は、それが100万円になってしまった。
つまり100分の1!

 その知人は、その数か月後、50年つづけた洋品店を閉めた。
そればかりか、精神状態までおかしくなってしまった。

(たった今、その「S」という会社の株価を調べようとしてみたが、その会社はすでに倒
産していた。2011年8月。)

●二番底

 「自業自得」という言葉がある。
しかし素人が投資に手を出して成功する確率は、5%もない。
今ではプロは、1000分の1秒単位で、取り引きをする。
そんなプロを相手にして、勝てるわけがない。

 だから大損をしても、自業自得ということになる。
あの絶対安心株と言われた「東京電力」にしても、いくら震災が原因とはいえ、2100
円から、一時は200円程度まで値をさげている。
現在は410円。
それでも5分の1!

 「退職金で東京電力株」というのが、関東地方では半ば常識だった。
私が書いたこのエッセーを読んで、「自業自得とは何だ! あの林(=私)め!」と怒って
いる人も多いはず。
が、ここで終わったわけではない。
「二番底」は、明日(8日)から始まる。

●金こそ、すべて

 私は、自由主義貿易体制を否定する者ではない。
しかしそれと「資本主義体制」とは、切り離して考えた方がよい。
「どう切り離すか」と問われそうだが、資本主義体制は、基本的には「欲望」のカタマリ。
ドス黒い欲望が、その下で渦を巻いている。
わかりやすく言えば、いくら利潤の追求をもくろんでも、欲望の奴隷になってはいけない。
どこかで一線を引く。
でないと、「Money is Everything(金こそすべて)」となってしまう。

 資本家の話しではない。
そこらの商店主ですら、守銭奴になり、「金こそすべて」と考えている人は、いくらでもいる。

●ここは覚悟!

 ともかくも嵐はやってきた。
が、突然、やってきたわけではない。
すでに何か月も前から、(あるいは昨年あたりから)、予想されていたこと。

 が、日本人というのは、おめでたい。
集団的楽観主義が、国是にもなっている。
「何とかなる」「だれかが何とかしてくれる」と。
「もの言わぬ従順な民意識」が、骨のズイまでしみこんでいる。

だから嵐がやってきても、アタフタとするだけ。
行く道を見失い、オタオタするだけ。
が、もちろん、これではいけない。
自分で考え、自分で行動する。
この嵐の中で生き抜くには、これしかない。

 仕事がなくなったら、リヤカーでも引いて、行商すればよい。
事実、私はそうしたぞ。
浜松へ来たころ、地元の画家の絵をリヤカーに積んで、住宅街で売って歩いたぞ。

 仕事がなくなったら、電柱に、張り紙でもして内職をすればよい。
事実、私はそうしたぞ。
結婚したころ、ワイフと2人で、「翻訳します」という小さな張り紙を張って歩いたぞ。

●相変わらず……

 相変わらず窓の外には、のどかな景色が広がっている。
先ほど餌をまいたあたりには、スズメたちが集まっている。
キジバトもやってきた。

 その向こうでは、小さな畑の野菜の葉がゆっくりと揺れている。
肥料を多めに施したせいか、どの野菜の葉も、今年は巨大化している。
ナスの葉にしても、まるでウチワのよう。
それがユサユサと揺れている。

 人間界のカオスなど、どこ吹く風。
それが不自然なまでに現実離れしている。
しかしこれが現実。
まぎれもない現実。
何も変わっていない。
私たちは、それを信じればよい。
それを信じて、明日に向かって歩けばよい。
この先、何があっても、動じない。
この真っ青な空、深々とした緑の木々のように……。
2011/08/07記


Hiroshi Hayashi++++++Aug. 2011++++++はやし浩司・林浩司

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