●子ども、あれこれ(突発的に衝動的な行動を繰り返す子ども)
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親の過干渉が日常化すると、子どもは、
自分で考えるということができなくなる。
とくに善悪の判断に疎くなる。
いろいろなケースがある。
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(N君、小2男児)
私の教室には、いくつかの模型飛行機が飾ってある。
ダイキャスト製の、大きさが15センチ前後の飛行機である。
その飛行機の、プロペラや脚が折られるという事件がつづいた。
模型のアンテナが折られたのもある。
が、だれが折るのか、当初はわからなかった。
私も、それほど注意していたわけではない。
気がついたときには、模型飛行機のほとんどが、壊されていた。
が、ある日、レッスンが終わり参観にやってきた母親と話しているとき、ふとそちらのほうを見ると、N君(小2男児)がその前に立っていた。
模型飛行機をじっと見ているといったふうだった。
が、つぎの瞬間、N君は、さっと手を伸ばすと、指先でプロペラを折った。
ものすごい早業(はやわざ)だった。
それが終わると、再びN君は、こちらの様子を警戒するといったふうでもなく、じっと模型飛行機に見入っていた。
ほかにコンセントに粘土を詰めていた子ども(幼稚園男児)や、色水を溶かして、2階のベランダから、下の子どもに向かって、それをかけていた子ども(幼稚園男児)などがいた。
●特徴
こうした子どもの話をすると、頭の良し悪しと結びつけて考える人は多い。
しかし頭の良し悪しとは、関係ない。
先にあげたN君にしても、学校のクラスでも、1、2を争うほど、算数が得意だった。
つまり頭が良い子どもでも、善悪の判断に疎い子どもは、いくらでもいる。
他方、頭が悪いからといって、善悪の判断が疎いということにもならない。
それはちょうど、男子だから、料理や洗濯がへたとか、反対に女子だから、料理や洗濯がじょうずと決めつけて考えるようなもの。
料理や洗濯のじょうず、へたに、男子も女子も、ない。
同じように、「頭が悪いから、善悪の判断に疎い」と考えてはいけない。
(もちろん、頭の悪い子どもで、善悪の判断に疎い子どももいるが……。)
前提として、善悪の判断能力と、頭の良し悪しは、関係ない。
●突発性
このタイプの子どもの特徴としては、突発性があげられる。
日ごろから、行動が突発的で、静かな落ち着きに欠ける。
その瞬間に、「とんでもない行動」を引き起こす。
少し前も、私のうしろから、私の後頭部を、いきなり発泡スチロールの棒で叩いてきた子ども(小6男児)がいた。
発泡スチロールとはいえ、6年生の腕力である。
しかも水平に、右耳をめがけて叩いてきた。
幸いにも、ほんの少しだけ位置がずれていたからよかった。
もしまともに右耳に当たっていたら、私の鼓膜は吹き飛んでいたはず。
(それでも、そのあと4、5日間、耳がポーンとしたままだったが……。)
この子どもも、頭の良い子どもだった。
が、時として発作的に、衝動的行動に走る。
で、叱ると、その場ではシュンとうなだれ、いかにも反省していますといった様子をしてみせる。
●原因
年齢的には、満4・5歳前までの幼児期前期における、子育ての失敗とみる。
この時期を「自律期」と呼ぶ(エリクソン)。
この時期を通して、子どもは、善悪の感覚を身につける。
先生や親の指導を忠実に守ろうとする。
たとえば母親が、幼稚園の先生の指導と違ったことをしたりすると、すかさず、「幼稚園の先生がねえ……」と言い返し、母親をたしなめたりする。
あるいは部屋の様子がいつもとちがっていただけでも、敏感にそれを発見する。
元に戻そうとする。
たとえば花瓶の位置がずれていただけでも、元通りにする、など。
この時期までに、子どもの基本的な習慣づけが決まると断言してよい。
が、反対に、この時期を、「だらしなく」過ごすと、子どもは、「だらしない子ども」になる。
生活態度がだらしなくなり、ものを散らかすなど。
服装や、身だしなみに無頓着になることもある。
原因は言うまでもなく、親の溺愛(甘やかし)、過干渉(親がガミガミ、コマゴマと言う)など。
それが日常化すると、子どもは自分で考え、自分で行動するということができなくなる。
しかしそれがすべてよいというわけではない。
反対にそれが度を越したりすると、子どもは、いわゆる融通の利かない、頭の固い子どもになる。
たとえばユーモア、冗談が通じなくなる、など。
たとえばアスペルガー児のばあい、相手の言葉を忠実にとらえすぎるあまり、柔軟な行動がとれないことがよく知られている。
満4・5歳を過ぎたら、「融通性(ユーモア)の指導」も、家庭教育におけるひとつのテーマと考えてよい。
●善悪判断
言い換えると、年長児(5~6歳児)をていねいに観察すると、善悪の判断能力(=常識的な判断能力)が、正しく身についているかどうかが、わかる。
善悪の判断能力が正しく身についている子どもは、的確にそれを判断することができる。
衝動的、突発的な行動は、見られない。
一方、そうでない子どもは、そうでない。
ひどくなると、「何をしでかすか、予想が立たない子ども」になる。
ほんの少し目を離したすきに、「とんでもないこと」をする。
しかも本人には、悪いことをしているという意識は、ほとんどない。
笑いながら、あるいはおもしろ半分に、それをする。
私の目に、シャープペンシルを突き刺した子ども(中3・男子)、同じようにシャープペンシルの先で、私の目を突き刺そうとした子ども(小4・男児)などがいた※。
ともに頭のキレる子どもで、とくに数学においては、並外れた才能を光らせていた。
(注※)この子どもは、私が振り向くのを待ち、シャーペンシルを手で握り、私に声をかけた。
「先生、先生」と。
私はそのとき反対の方向を向いていたが、そのまま顔を、その子どものほうに向けていたら、シャーペンシルの先は、確実に私の目を突き刺していた。
たまたまその直前、別の子どもが、「先生!」と声をかけてくれたから、私は難を逃れることができた。
●どうするか
先にも書いたように、年長児(6歳、幼児期後期)になると、その子どもの方向性が決まってくる。
親は、こうした症状を子どもの中に見つけると、はげしく叱ったりする。
が、これが悪循環となり、子どもはますます「常識外れな行動」を繰り返すようになる。
「子どもは家族の代表」と考え、原因は家庭環境、とくに母親の育児姿勢にあると考え、猛省する。
静かな語りかけ、話し合いが、重要。
しかし実際には、親自身が情緒的な不安定さ、精神的な欠陥をかかえているケースが多く、指導はむずかしい。
●過干渉児
よく誤解されるが、口うるさいのは、過干渉ではない。
過干渉が過干渉になるためには、親側の情緒的な不安定があるばあいである。
親の機嫌、あるいはそのときの気分によって、子どもへの接し方が大きく変化する。
ギャーと興奮して子どもを叱ったり、反対に、妙に穏やかに接したりするなど。
つまり子どもの側から見て、とらえどころのない親の「心」が原因となり、子どもは、いわゆる過干渉児になる。
私の経験では、小学3~4年生以後、こうした行動が見られるようになったら、指導による改善はほぼ不可能とみる。
言うべきことは言いながらも、本人の現実を検証する能力と、自己を管理する能力が育つのを待つしかない。
言い換えると、おとなでも、こうした衝動的、かつ突発的な、「非常識な行動」を繰り返す人は少なくない。
どういう人がそういう人であるかは、あなたの周辺にも、1人や2人はいるはず。
観察してみるとよい。
出現率としては、子ども(小学高学年児)のばあい、7~8人に1人とみる(はやし浩司)。
●AD・HD児とのちがい
それなりの集中力と、その場に応じた静かさ(たとえばテスト中などは、静かに学習できる)があるという点で、AD・HD児とは区別される。
●過剰行動児とのちがい
行動に目的性があるという点で、突発的に錯乱状態になる過剰行動児とは区別される。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 突飛もない行動を繰り返す子ども 何をしでかすか、わからない子ども 衝動的 子どもの衝動性 子どもの突飛性)
Hiroshi Hayashi++++++Aug. 2011++++++はやし浩司・林浩司
【幼稚園児に「形」を教えてみる】
●新入会のMG君がいましたので、ガイダンス的に、「形」の学習をしてみました。
「楽しく学ぶ子は、よく学ぶ」ですね。
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(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 幼児教室 育児 教育論 Japan はやし浩司 年中児の知育教育 知能教育 BW教室 BW子どもクラブ BWbyはやし浩司 形の学習 形の勉強 刺激教育 才能教育)
Hiroshi Hayashi++++++Aug. 2011++++++はやし浩司・林浩司
2011年8月30日火曜日
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