●防衛機制としての「茶化し」(はやし浩司 2011-03-22)
++++++++++++++++++++
心理学の世界に、「防衛機制」という言葉がある。
この言葉は、どこがおどろおどろしい。
日本の「防衛省」を連想する。
が、英語では、「プロテクション・メカニズム」という。
何でもない。
つまり「心を守るメカニズム」のこと。
「メカニズム」を「機制」と訳すから、おどろおどろしくなる。
その防衛機制には、いくつかある。
合理化、抑圧、投射、反動形成、隔離、昇華、同一視など。
そのつど心は自分の心を守ろうと、いろいろな反応を示す。
それについてはたびたび書いてきたので、ここでは省略する。
で、今回、つまり東北関東大震災(2011・3・11)を
経験して、私はもうひとつの防衛機制を発見した。
「茶化す」という防衛機制である。
++++++++++++++++++++
●連続した緊張感
大震災のあと、私はテレビに釘付けになってしまった。
朝、起きてから、寝るまで。
それ以前も、またそれ以後も、ラジオはつけっぱなしだった。
私は連続的な緊張状態に置かれた。
気が抜けなかった。
襲い来る恐怖と不安。
悲しみと絶望感。
息をするのも苦しいほどだった。
が、それにも限度がある。
もしそんな状態が、数日もつづいたら、気がへんになってしまう。
事実、そうなりかけた。
そのときのこと。
私とワイフは、テレビの報道を見ながら、大震災を茶化し始めた。
茶化して、ときにゲラゲラと笑い始めた。
ただ、どう茶化したかは、ここには書けない。
震災で被害にあった人たちには、たいへん失礼。
決して震災で被害にあった人を笑ったとか、そういうことではない。
災害そのものを、茶化した。
が、あえて言うなら、茶化し方は、あの歌に似ていた。
『♪帰って来た酔っぱらい』という歌である。
私が学生のころ、大流行した。
『♪……おらは死んじまっただ おらは死んじまっただ
おらは死んじまっただ 天国に行っただ
長い階段を 雲の階段を
おらはのぼっただ ふらふらと
おらはよたよたと のぼりつづけただ
やっと天国の門についただ
天国よいとこ一度はおいで
酒はうまいしねえちゃんはきれいだ
ワー ワー ワッワー……』と。
この歌は、フォークルセイダーズというグループシンガーズが歌い、大ヒットした。
私はこの歌を、あるスナックで酒を飲んでいたとき、はじめて聴いた。
が、そのとき受けた衝撃は今でも忘れない。
あの歌は、あらゆる意味で、当時の常識をはるかに超えていた。
●死を茶化す
死は恐ろしい。
死はすべてのものを消し去る。
そういう意味で、死はいつもそこにあるはずなのに、私たちはいつも見て見ぬふりをして、
そこを通り過ぎる。
が、「死」をテーマにすれば、どうしても話が重くなってしまう。
深刻になってしまう。
当時は、まだそういう時代だった。
戦後のあの重苦しさを、だれもが、心のどこかで引きずっていた。
が、この『♪帰って来た酔っぱらい』という歌は、そういう深刻さをもののみごとに、
吹き飛ばしてくれた。
『……おらは死んじまっただ おらは死んじまっただ』と。
私たちはその歌を聞いて、ゲラゲラと笑った。
●防衛機制としての「茶化し」
心理学でいう防衛機制には、「茶化し」という用語はない。
ないが、心を守るために、人はそこにある深刻な問題を茶化する。
茶化しながら、現実から逃避する。
あるいはそこのある深刻さを、コメディ化する。
ジョークにすることもある。
そうした心理操作によって、心の負担感をやわらげる。
……といっても、今は時期的にこの問題について、これ以上、書くことはできない。
いつか、その時期が来て、人々の心が落ち着いたら、書く。
そう言えば、少し前、オーストラリアの友人が、こんな話をしてくれた。
いわく「小便のあと、チャックを上げ忘れても、ボケではない。
しかし小便の前、チャックを下げ忘れたら、ボケ」と。
これはボケを茶化したジョークということになる。
言うまでもなく、私たちの世代には、ボケは深刻な問題である。
深刻であるからこそ、私はこのジョークを聞いて、ゲラゲラと笑った。
繰り返すが、けっしてボケの人を笑ったわけではない。
笑いながら、心をふさぐ認知症問題を吹き飛ばした。
ここに書いた「茶化し」については、そういうふうに理解してほしい。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 防衛機制 合理化、抑圧、投射、反動形成、隔離、昇華、同一視 はやし浩司 防衛機制としての茶化し 茶化して心を守る ジョーク)
Hiroshi Hayashi+++++++March. 2011++++++はやし浩司・林浩司
【元気な子どもたち】(幼児に三角形の面積を教える)byはやし浩司@BW幼児教室
++++++++++++++++++++
笑って吹き飛ばそう、ゆううつな気分。
日本は、まだまだ元気!
子どもたちの世界を見れば、それがわかる。
今回は、幼稚園では2年近くまったく言葉を
話さなかったTさんが、声を出してくれました。
2回目のレッスンで、です。
うれしかったです。
お父さん、お母さんも参観に来ていて、たいへん
うれしそうでした。
テーマは「面積」。
幼児に三角形の面積について、実験的に教えて
みました。
小3で使う教材を、そのまま幼児教室で
使ってみました。
+++++++++++++++++++
(1)
(2)
(3)
(4)
Hiroshi Hayashi+++++++March. 2011++++++はやし浩司・林浩司
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。