●JALの二次破綻
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8月末に向けて、JALの二次破綻が、
急速に現実味を帯びてきた。
先ほども、あちこちのBLOGを流し
読みしてみたが、JALを擁護する意見は、
ほとんどゼロ。
どこも「潰せ」「潰せ」の大合唱。
このままではへたに再生させたら、民主党
政権そのものも、「破綻」する。
そういう様相を帯びてきた。
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●LCC(ロー・コスト・キャリアー)
先日、フランスから友人が私の家に遊びに来てくれた。
そのときこんな話をしてくれた。
「フランスでも、飛行機のLCC化が進んでいる。
……というか、欧米では今や、常識。
プレスト(フランスの西端の町)から、パリまで、800~1000円前後。
ばあいによっては、300円(以上、日本円に換算)で、飛行機に乗れる」と。
航空会社も空席で飛ばすくらいなら、300円でもよいと考えるらしい。
チケットは、インターネットで予約する。
客は、それをプリントアウトして、空港へ向かう。
座席は早い者勝ち。
機内サービスはなく、座席幅も狭い。
しかし料金が料金だから、「それで文句を言う人はいない」と。
ちなみにプレスト→パリ(オルリー空港)までは、約500キロ。
日本で言えば、東京→大阪間の距離とほぼ同じ。
LCCは何もヨーロッパだけの話ではない。
このアジアでも進んでいる。
2010年10月には、東京→マレーシア(クアラルンプール)間、片道1万数千円。
往復2万8000円の航空会社が、運航を開始する。
にもかかわらず、JALは、いまだに強気の経営戦略を崩していない。
「……売上高の47%を国際線が、残り53%を国内線が占める見込み(12年度)」(再生計画案)と。
国際線で、47%の売り上げ!
こういうありえない数字を並べるだけでも、JALの二次破綻は避けられそうもない。
●9000億円の血税
「フラグシップ」とは何か?
それがよくわからない。
どうしてそれにこだわるのか?
前例がないわけではない。
イタリアのアリタリア航空につづいて、スイスのスイス航空、ベルギーのサベナ航空など。
フラグシップと呼ばれた航空会社でも、破綻をするときは破綻する。
(ただしアリタリア航空については、国策企業として現在も存続中。)
アメリカでは、ユナイテッド、デルタ、ノースウェスト航空などが、みな、破綻を経験
している。
(「破綻」と「破産、倒産」とは、中身がちがうが……。)
ただJALとちがう点は、アメリカのばあい、再生イコール、ゼロからの出発を意味する。
役員以下従業員は、みな、一度解雇。
労働組合は解散。
給与体系も、ゼロからの再契約。
が、JALはちがう。
今回、JALは一次破綻なるものをしたが、そのあと元役員はみな、子会社および関連会
社の役員として天下っている。
中身はそのまま。
給料をカットされたとはいうものの、それ以前はといえば、客室乗務員(CA)ですら、
年収は1000万円。
OBの年金は、月額45万円以上。
そういう会社に9000億円、つまり1兆円近い血税を注ぎ込むことについて、はたして
国民の納得が得られるものかどうか。
しかもこのところ毎月1000億円の赤字!
●潰すに潰せない
が、潰すに潰せない。
もしここでJALを潰したら、直接的にだけでも、5万人の失業者が出る。
関連会社の連鎖倒産も含めると、その数は2~3倍にふくれあがる。
さらに国内線、国際線ともども、「運航」に与える影響は、計り知れない。
JALは、現在150機以上もの飛行機をかかえている。
「では、ほかの航空会社が引き継げばいい」という意見もあるが、そうは簡単ではない。
混乱が収束するまでに、1~2年はかかるというのが、おおかたの見方である。
さらに、今、ここでJALを潰せば、日本のイメージダウンは避けられそうもないと
いう。
そうでなくても現在、日本経済は綱渡り状態。
JAL破綻で、日本経済崩壊の引き金を引いてしまうことも考えられる。
「潰すに潰せない」という事情は、つまりここにある。
JALは、あまりにも巨大企業!
●二次破綻
しかし結局は、JALは、そのつど「破綻」を繰り返しながら、最終的には、
バラバラに解体される。
国内線専用会社として、生き残るしかない。
「フラグシップ」と言いながら、単独で飛ばしている国際線は、10路線もないの
では?
つまりJALは、無数の航空会社に分割される。
「ジャパン」「スカイ」「エアー」の3つの言葉の組み合わせだけで、
ジャパン・スカイ、ジャパン・エアー、スカイ・エアー、エアー・ジャパン、スカイ・
ジャパン……など、10の会社が生まれる。
そういう会社どうしが、LCCとして料金競争を繰り返す。
熾烈な競争ということになるが、そこまでしないと、日本の航空会社はもう生き残る
ことはできない。
一次破綻、二次破綻は、そこに至る段階的なステップに過ぎない。
……とまあ、二次破綻を既成事実化したような意見を書いたが、仮にこの8月末に、
再生計画案がパスしたとしても、そのあとさらに傷口は深くなるだけ。
完全に世界の常識そのものに、逆行している。
潰すものは潰して、アメリカの航空会社のように、ゼロから再出発したほうが、得策。
わかりやすい。
これがおおかたの世論ではないのか。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 JAL問題 JALの二次破綻 JALの再建問題 JALに対する国民世論)2010/08/16
Hiroshi Hayashi+++++++Aug. 2010++++++はやし浩司
2010年8月16日月曜日
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