【国民の不信感、目下、増大中!】
●風邪が抜けた!
この数日間、体がだるくてしかたなかった。
全体に熱っぽいというか、いつもホカホカ、フワフワした状態だった。
が、体温計で体温を測定しても、36・5度前後。
私は低体温症だから、私にしては、いつもより高温。
ふだんは36度以下。
「風邪薬をのむまでもないな……」と思いつつ、数日間が過ぎた。
が、今朝(6月15日)は、それがない。
気分はさわやか。
スッキリ。
やっと風邪が抜けた。
みなさん、おはようございます!
●集団ヒステリー
「当然、あれだけ大きなアクシデントがあったわけですから、集団ヒステリー状態になる……分かります、それは。心情としては」(TBS NEWSーi)と。
自民党・石原伸晃幹事長は、そう語った。
集団ヒステリー?
私は逆のことを考えていた。
むしろこの(静けさ)こそが、信じられなかった。
「もの言わぬ従順な民、ここに極まれり」と。
欧米では、日本の原発事故に触発され、各地で原発反対の運動が燃えさかっている。
が、肝心のこの日本では、みなさん、ご存知の通り。
静か。
静かすぎる。
集団ヒステリーが起きて当然。
その当然の国が、かくも、静か?
石原氏ものんきな人だ。
このたび筑波大学が中心となって、「放射能による土壌汚染地図」が公表された。
それによれば、福島第一原発から200キロも離れた、千葉県の取手市や流山市などで、1平方メートル4万ベクレル、通常の400倍もの放射線が観測されている。
千葉県から東京まで50キロ。
放射能汚染の世界では、50キロなど、誤差の範囲。
ことの深刻さが、まるでわかっていない。
●1平方メートル当たり、4万ベクレル?
チェルノブイリ原発事故のときは、遠く離れたスウェーデンにまで、大きな影響を与えた。
そのスウェーデンは、かなり詳しい汚染地図を公表している。
ちなみにチェルノブイリからストックホルムまでは、約1200キロ。
この距離は、福島第一原発から、鹿児島までの距離に等しい。
それを見ても、つまり汚染地図を見ても、汚染は、同心円状に汚染されるのではなく、スポット的に汚染されているのがわかる(「原発事故」宝島社)。
たとえて言うなら、ミサイルに攻撃されたかのように、あちこちが虫食い的に汚染されている。
遠いから安全……というのは、こと原発事故には当てはまらない。
ヨーロッパ全体でみれば、がん患者は、80万人単位でふえていると推定されている(京都大学・今中氏)。
が、福島第一原発から東京までは、たったの200キロ!
集団ヒステリーどころか、集団暴動が起きても何らおかしくない。
その東京に住む石原氏が、「集団ヒステリー」とは?
もちろんチェルノブイリと福島第一原発とでは、原子炉の形そのものがちがう。
「だからチェルノブイリのときのような爆発は起きません」と説く学者もいる。
しかしその一方で、福島第一原発のほうは、発電量でみるかぎり、チェルノブイリの4~5倍以上もの規模があることを忘れてはいけない。
(チェルノブイリでは、4号炉のみ、出力100万キロワットが爆発した。)
今後のことは、だれにもわからない。
しかしこんな事実もある。
チェルノブイリでは、事故から3年たってから、やっと詳細な汚染地図が公表された。
その結果、原発事故現場から、300キロも離れたところまで高汚染地域が広がっていることがわかった。
その結果、チェルノブイリから200~300キロ離れた、ベラルーシ共和国でさえ、11万人の人々が強制的に移住させられた。
3年もたってからだぞ!
200~300キロも離れていても、だぞ!
さて本題。
簡単な算数。
1平方メートル当たり、4万ベクレルは、1キロ平方メートルにすると、何ベクレルになるか。
4万x1000x1000=40000000000ベクレル=400億ベクレル!
しかしこんな数字を見ても、ピンとこない。
が、こういう言い方をすれば、深刻さがもう少し理解できるのでは?
●X線撮影室
1キューリー=約3万7000ベクレルで計算する。
それでみると、4万ベクレルは、約1キューリー強に相当する。
この値は、X線撮影室の放射線量に等しい。
つまり千葉県の取手市や流山市の人たちは、日常的に、X線撮影室の中にいるのと同じ放射線を受けていることになる。
いわく「1キューリー以上の地帯には、かならずそのドアの前には、黄色の警告マークが描かれ、『関係者以外、立ち入り禁ず』と書かれています。
京大原子炉実験所の性質上、僕もその中に入ることがあるが、その際かならず放射線測定器を身につける。
仕事が終われば、さっさと出る。
中に入ったが最後、水も飲めない。
もちろんそんな場所に子どもを連れて入ってはいけないし、子どもを産んではいけない。
妊娠の可能性のある女性は、医者の相談なしに入ってはいけない。
ましてやそこで人々は生活してはいけない。
1キューリー以上の汚染域というのは、そういうイエローゾーンのことなんです」(「原発事故」)と。
●さらにおかしな論理
静岡県のお茶から、規制値以上の放射線が観測された。
これに対して、静岡県の川勝平太知事は、こう言った。
「(飲用茶について)それぞれ1キロ当たり、5・8~7・3ベクレルと、飲用茶の規制値(1キログラム当たり200ベクレル)を大幅に下回ったことを強調。……飲用茶は数
ベクレルで安心して飲んでほしい」(中日新聞・6・15)と。
川勝知事は学者であったはず。
その川勝知事が、こういう「?」なことを堂々と言うところがおかしい。
言うまでもなく放射性物質は、ほかの薬物や毒物とちがい、一度体の中に取り込まれたら最後、体の中でどんどんと蓄積されていく。
尿となって排出される分や、半減期を経て、半減して分もある。
しかし基本的には蓄積されていく。
そういうお茶を、20キロ(20リットル)飲んだら、どうなるのか?
40キロ飲んだら、どうなるのか?
お茶にも濃さがある。
逆にこんな論理がまかり通るなら、どんなに汚染されたお茶でも、お湯で薄めれば安全ということになってしまう。
さらに「?」なことがある。
先日の報道では、(原茶)→(製茶)にした段階で、放射線の濃度は5倍になる。
しかし飲用する段階では、(お湯で薄めるので)、8分の1になると言っていた。
どうして規制値内(500ベクレル以下)の製茶が、お湯で薄めたら、「5・8~7・3ベクレル」になるのか?
単純に計算すれば、83分の1になったことになる(500÷6・0で計算)。
何度も計算しなおしてみたが、やはり83分の1。
念のため、新聞記事をそのまま紹介する。
私の書いていることを疑う人がいたら、自分で計算してみたらよい。
「……一方で、規制値(500ベクレル)を超えた2工場の製茶を、飲用茶として独自検査したことを(川勝知事は)明かし、それぞれ5・8~7・3ベクレルと、飲用茶の規制値(1キログラムあたり200ベクレル)を大幅に下回ったことを強調」と。
つまり製茶の段階で、500ベクレルを超えていたお茶だったが、お湯で溶かしてみたら、6・0ベクレル前後になった。
だから、安全、と。
こんなバカな、手品みたいなことが、どうして起こるのか?
さらに今回の検査では、重大な見落としがある。
こうある。
「放射性セシウムの検出量は、581~654ベクレルで……」と。
わかるかな?
放射性物質といっても、その種類は、無数にある。
毒性がきわめて強いプルトニウム、ストロンチュームもそれに含まれる。
放射性ヨウ素もその1つだが、そのヨウ素にしても、134,132,135,133,131などの種類がある。
調べたのは、たったの1種類。
放射性セシウムだけ。
さらに県の報告が1日遅れたことについて、川勝知事は、こう居直っている。
「(遅れたことで、どういう)損害が出たのか言ってみてください」(中日新聞)と。
こういうバカなことを平気で言うところが恐ろしい。
あのね、損害は、これから出るの!
1日遅れれば、その分だけ、工場からの出荷が野放しになるの。
正確な数字はわからないが、仮に1日、1トンの出荷量のある工場だったら、その1トンが、市中に出回ることになるの!
それを日本人が、飲むことになるの!
●やがて否応なしに……
東京に住む石原氏にしても、静岡市に住む川勝氏にしても、やがて否応なしにその事実を突きつけられる日がやってくる。
私はけっしてそれを望む者ではないが、しかしこんなごまかしは、いつまでもつづかない。
やがて東京都全体に避難勧告が発布されるようになるかもしれない。
静岡県茶が全面、出荷禁止になるかもしれない。
だったら今は、「?」なコメントは控え、事実の収集だけに心がけるべきではないのか。
が、現実は、逆行している。
同じ中日新聞には、こうある。
「(すでに)一番茶の出荷を終えた工場も多いことから、地区内にある約100工場すべてを検査する当初の方針を変更し、今後は要望のある工場のみを検査する」と。
「今後は、要望のある工場のみを検査する」と。
そうでなくても、静岡県茶については、農薬汚染が問題になっている。
ご存知の方も多いかと思うが、茶の産地にある、ため池、川からは、生物という生物が、ほとんど姿を消した。
そういう事実を、隠しに隠しつづけている。
そういう地域で、「今後は、要望のある工場のみを検査する」?
どこの工場が、あえて「要望」など、するものか?
バカも休み休み言え。
……つまりこうして私たちの不信感は、募(つの)っていく。
庶民の代表として、本来なら庶民の側に立つべき人間が、企業側の利益の保護だけを考えて発言する。
行動する。
私の予想では、この日本は、このまま行き着くところまで行く。
またそこまで行かないと、気がつかない。
本来なら、ヒステリー状態ではなく、パニック状態になっていてもおかしくないのだが……。
2011/06/15記
Hiroshi Hayashi+++++++June. 2011++++++はやし浩司・林浩司
2011年6月15日水曜日
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