2011年6月13日月曜日

E-Magazine dated June 13th 2011

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 子育て最前線の育児論byはやし浩司      6月   13日号
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【小学1年生と2年生に、「形」を教える】

●同じ教材を使って、小学1年生と2年生に「形」を教えてみました。
 反応のちがいなど、比較してくださると、この時期の子どもの発達の様子が
 わかっていただけるのではないでしょうか。

(小1クラス)

(1)

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(2)

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(3)

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Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

(小2クラス)

(1)

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(2)

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【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●5月27日、戦いすんで日が暮れて……

昔(昭和44年)、佐藤愛子という作家が、『戦いすんで日が暮れて』という小説を
発表した。
直木賞を受賞した。
私は、その小説は読んでいないが、この『戦いすんで日が暮れて』という言葉は、当時の
流行語にもなった。
一日の仕事が終わり、家に帰りほっと一息ついたようなとき、今でも自然とこの言葉が
口をついて出てくる。

『戦いすんで日が暮れて』と。

 昭和44年というから、私が22歳のとき。
大学4年生のときのことだった。

●日々に戦い

 今日は霧のような小雨の中、町までの4キロを歩いた。
時間にして、ちょうど40分前後。
一度佐鳴湖畔に出て、その湖畔沿いに歩く。
途中、「富士見橋」という橋がある。
その名の通り、そこからは天気のよい日には、富士山を見ることができる。
いつもの散歩コースである。

 が、歩いている人は、ほとんどいなかった。
(そういえば、ゼロ?)
原発事故の影響か?
私も雲の動きが気になった。

 浜松から見ると、富士山は、やや北よりの東方向にある。
それをさらに延長したところに、福島第一原発がある。

その富士山のあるあたりを基準にすれば、風の方向がおおよそわかる。
富士山の方から吹いてくれば、東風。
要注意!
ときどき歩くのをやめ、私は空の雲の動きを追った。
風は、やや南よりの東から吹いていた。
が、それで安心したわけではない。
風というのは、そのつど向きを変えて吹く。

 言い忘れたが、このあたりでも、みな、こう言うようになった。
「雨の日は、出歩かないほうがいい」と。

●疎開

 そう言えば、昨日会ったSさんも、こう言っていた。
何でも知人が、福島から千葉へ、千葉からさらに、この浜松へ引っ越してきたという。
Sさんは「疎開」という言葉を使った。
もともと「疎開」というのは、「各地へ分散する」という意味である。
戦時中の学童疎開が、それ。
その言葉を聞いたとき、私はこう思った。

 「まさに、戦争だな」と。

 その知人もSさんにこう言ったそうだ。
「浜松は、まるで別世界ですね」と。
もともと浜松市民というのは、大ざっぱで、ノー天気(失礼!)。
この浜松で、原発事故を心配している人は、まずいない。……いなかった。
が、神奈川県で茶葉が汚染されたと聞いてからは、少し雰囲気が変わった。
「つぎは静岡。そのつぎは浜松」と。

 「東京では、青山でも、人通りがぐんと少なくなりました」と。
その知人は、Sさんにそう言ったという。
ましてや雨の日に出歩く人は、いない。

 私はときどき口の中に飛び込んでくる雨粒をなめながら、「だいじょうぶかな?」と。
そんなことを心配しながら、4キロを歩いた。
イヤ~ナ気分だった。

●仕事

 が、こういうときというのは、かえってカラ元気が出る。
またそうでもしないと、そのまま心まで曇ってしまう。
私はいつも以上に、子ども(生徒)たちとはしゃいだ。
楽しかった。
おもしろかった。

 その様子はビデオに収めた。
幼児教室の今日のテーマは、『言葉』。

(1)

value="http://www.youtube.com/v/sn5OoI1Clrc?hl=ja&fs=1">name="allowFullScreen" value="true">value="always">src="http://www.youtube.com/v/sn5OoI1Clrc?hl=ja&fs=1"
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(2)

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(3)

value="http://www.youtube.com/v/1ofdDsy4hkE?hl=ja&fs=1">name="allowFullScreen" value="true">value="always">src="http://www.youtube.com/v/1ofdDsy4hkE?hl=ja&fs=1"
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(4)

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●ついでに小4、5クラスの様子も、ビデオに収めた。
一番手前の子ども(男児)は、まだ小学1年生である。
名前をK君という。
私はこれほどまでに勉強癖のしっかりした子どもを、ほかに知らない。
冷静沈着。
しかも頭がキレる。
シャープ!

このタイプの子どもは、よく過干渉児と誤解される。
が、K君はちがう。
生まれもった性質そのものが、ちがう。
たいへん恵まれた子ども(Gifted Child)ということになる。

私はK君の将来を見届けることはできないが、K君はいつか、
ずば抜けた才能を光らせるはず。
恩師の田丸謙二先生のような、鋭い眼光をもっている。
そういう子どもに出会うと、私のほうがうれしくなる。

率直に言うと、私は勉強が嫌いな子どもを教えるのが、苦手。
反対に、K君のような頭のよい子どもを教えるのが得意。
ずば抜けてすばらしい子どもにする自信がある。

 ……というようなことも心のどこかに置き、このビデオを観てもらえれば、
うれしい。
またK君にとっても、あとあとすばらしい思い出になればうれしい。

●小4、5クラス+K君(小1)

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●最善

 ということで、今日もがんばった。
自分を出し切った。
完全燃焼というには、ほど遠い。
しかし点数をつければ、70点くらい?

あとは、今日撮ったビデオをYOUTUBEにアップすればよい。
それで今日は、おしまい。

で、最後に一言。

『戦いすんで日が暮れて』。


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●5月26日(スポーツ医学)

+++++++++++++++++++++++

朝はランニングで始まる。
……といっても、ウォーキングマシン上での
ランニング。

このところ、朝は30分と決めている。
が、30分もすると、全身が汗、ダクダクになる。
その運動をしながら、今朝は、こんなことを考えた。
題して「スポーツ医学」。

+++++++++++++++++++++++

●スポーツ医学

 ランニングといっても、もともとはウォーキング用。
時速は6キロまでしか、出ない。
が、実際には、自分の体重の重みでブレーキがかかったような状態になるので、
4~5キロ?

 最初10分は、慣らし運動。
時速6キロ(実際には、4~5キロ)で、歩く。
できるだけ大股で歩く。
ちょうど10分になったところで、駆け足。
前方に体重をかけ、小股で走る。
かかとを地面からあげ、つま先だけで走る。
このときマシーンは、ウィーンと回転音を立て、全速で回り始める。
時速6キロ。

 脈拍数をみると、毎分70前後から100前後まで、急にあがる。
この状態で、3分、走る。
とたん体中から汗が噴き出す。
額からポタポタと汗が落ち始める。
が、意外なことに脈拍は低下する。
80~90前後で推移する。

 で、それから最後の10分まで、また歩く。
ちょうど20分が過ぎたところで、また駆け足。
これを2~3分、つづける。
長さは、日によってちがう。
調子のよいときは、数分ごとに、(歩く)→(駆け足)を繰り返す。
同じように脈拍は急にあがるが、また低下する。
汗だけが、ダクダクと噴き出す。

 で、また歩いて、最後の1分だけ、今度はひざを大きくあげ、大股の駆け足をする。
最後のしめくくり。
全力を出し切る。
息が切れかかったところで、ちょうど30分!
「ピッ」と音が鳴って、終了。

 が、今朝はそのまま脈拍数を計りつづけた。
脈拍はあがるのか、それともさがるのか。
興味があった。

 で、終了直後は、あがることがわかった。
ハーハーとあえぎながら、汗を拭いているときには、110~115前後まであがった。
それが10~20秒近くつづいたあと、今度は急速にさがった。
80から70まで。

 そこで今朝の運動は終了。

 ところで運動の前にトイレに行くことにしている。
が、30分も運動をすると、また尿意を催す。
これはたぶん、体内の脂肪が燃焼し、水と二酸化炭素になったためではないか。
それが尿となって、膀胱にたまる。

 今朝はこの程度のことしかわからなかったが、その延長線上に、スポーツ医学がある。
言うなれば、スポーツ医学という「山」の登山口に立ったようなもの。
何かしら奥深いものを、その向こうに感じた。
今度、機会があったら、それについて調べてみたい。

 なお私のばあい、筋肉の回復力がたいへんよい。
どこで検査を受けても、そう言われる。
運動をやめた直後は脈拍数があがるが、その後、急速に今度は、さがる。
20代のころから自転車通勤を欠かさなかったためと思う。
毎日、往復、1時間は自転車で走った。
今になって、そのありがたさが、しみじみとよくわかる。


Hiroshi Hayashi+++++++May. 2011++++++はやし浩司・林浩司

●からっぽの頭

 これは私だけに起きる現象なのか。
それともどの人にも共通して起きる現象なのか。

 書斎のデスクに向かって座ったとき、私の頭の中は、からっぽ。
何もない。
本当にからっぽ。
広い空間は感ずるが、そこには何もない。
そんなはずはないと、自分に言って聞かせるが、やはりからっぽ。
何も考えられない。
考えるテーマもない。
が、それでも何かを書き始める。
今の私がそうだ。
すると、やがてモヤモヤしたものが、からっぽの頭の中に充満してくる。

 で、私のばあいは、こうだ。
とにかく書いてみる。
パソコンのキーボードを叩いてみる。

●日課

 パソコンを立ち上げ、一通りの日課(ルーティーン)をこなす。
メールを読み、返事を書き、つぎにニュースサイトを見る。
それが終わると、HPやBLOGへのアクセス数を調べる。
このところとくに気になるのが、YOUTUBEへのアクセス数。
毎日、1000件近く、アクセスがある。

この「1000件」のもつ意味は大きい。
というのも、YOUTUBEのばあい、最初から最後まで、しっかりと
視聴しないと、「1件」としてカウントされないしくみになっているらしい。
(まちがっていたら、ごめん!)

 つまりチョット見だけでは、「1件」にならない。

 ところが私の動画は、どれも1本、15分。
(昨年までは、10分だった。)
それに見てくれる層も決まっている。
1000件ということは、1000人以上の人が、15分間、見てくれたことになる。
(もちろん1000人といっても、延べ数。)

15(分)x1000(件)÷60(分)÷24(時)=10・4日

 つまり私は、1日を、10・4倍にして生きていることになる。
(こんな計算をしても、意味はないが……。)
が、何よりもうれしいのは、それだけ生徒数がふえたことを意味する。
単純に考えれば、毎日、1000人の生徒が、15分間、私のレッスンを受けて
いる。
そういうことになる。

 ……と書いているうちに、だんだんと書きたいことが定まってくる。
からっぽの頭の中が、ザワザワと騒がしくなってくる。

 ……これは私だけに起きる現象なのか。
それともどの人にも共通して起きる現象なのか。

●マガジン過去版

 で、この数日をかけ、電子マガジンの過去版を整理した。

 やっと2001年6月(創刊号)から、2007年1月分あたりまで、
HPにアップすることができた。
興味のある人は、下のアドレスから、「電子マガジン総集編」へと進んでみてほしい。

      http://magazinepast.ninja-web.net/

 何しろ膨大な量だから、私のパソコンにしても、ハラハラのしどうし。
メモリー不足で、いつフリーズしてもおかしくない。

 で、それが終わると、すかさず、データのバックアップ。
ここまで作業が済んで、「終わったア」と一息つける。

……たった今、それが終わったところ。
つまりデータのバックパックが、済んだ。

 が、私が今使っているパソコンは、10前後の作業を同時に並べても、ビクともしない。
(メモリーは12GB。マウス社製の、64ビット・ハイエンドマシン。)
すばらしいと思う前に、「どうしてこんなことができるのだろう」と、不思議に思う。
35年前のパソコンは、1つの仕事しかできなかった。
しかもポツポツと画面に点を描く程度の仕事。
それがダブル・コアの時代になり、トリプル・コアの時代になった。
わかりやすく言えば、1つの脳みそが、8つの仕事を同時にこなすようなもの。
……というか、1人の人間が8つの頭をもっているようなもの。

 が、トラウマというのは、恐ろしい。
XPマシンも、ビオタマシンも、そのときどきの最先端のものを購入した。
が、作業が80~90%終わったところで、フリーズ。
よくフリーズした。

そのたびに冷や汗をかきながら、……というか、泣きべそをかきながら、
コンピューターと格闘した。
徹夜したことも、しばしば。
そういうトラウマが残っているから、今も、ハラハラ。
現在のパソコン(セブン)にしてからも、ハラハラ。
私は基本的には、パソコンを信用していない。

 ……ということで、この世界も、先手必勝。
フリーズを経験する前に、新型のパソコンに乗り換えることにした。
予定では、8月までに、さらにその先を行くパソコンに買い換える。
先日、電話で相談したら、担当者はこう言った。
「あなたのは、もう1年半前のものです。
この2年で、パソコンもはるかに性能がよくなりましたよ」と。
 
 フ~ン。
この世界では、たった2年で、骨董品。
価値のない骨董品。
だれかにあげてもよいが、パソコンだけは、自分で処分したほうがよい。
ハードディスクはとくにそうで、どこでどう個人情報が漏れるか、わかったものではない。

 ……先ほどワイフが朝食の声をかけてくれた。
それからもう20分。
パンも冷えてしまったことだろう。
これからやや遅い朝食。

 みなさん、おはようございます。
午前9時。
5月26日。
2011年。


Hiroshi Hayashi+++++++May. 2011++++++はやし浩司・林浩司

【福島原発事故・5月27日】

●「私はいったいなんだったのか」

 今は、責任問題を論じているばあいではない!
1号機だけならまだしも、2号機、3号機、4号機、すべてがメルトダウンしている。
とくに3号機があぶない。
MOX燃料を使っている。
にもかかわらず、1号機の55分間の海水中断がどうのこうの、
それがだれの命令によるものかどうのこうの、
首相はウソを言っているかどうのこうの、と、
そんなレベルで、政治家たちは大騒ぎしている!

火事はまだ延焼中。
ボーボーと燃えさかっている。
その最中に、放水を中断したのはだれかと騒ぐようなもの。
まず火を消せ! 
責任問題は、そのあと!

が、だれも中断など、していなかった。
結局は自民党と原子力安全委員会のHH委員長の、ひとり芝居だった
日本経済新聞は、つぎのように伝える(5月26日)。

「『私はいったいなんだったのか』……福島第1原発1号機への海水注入をめぐる問題で、
東京電力が実際は注入を続けていたと一転して発表したことを受け、原子力安全委員会の
HH委員長は26日、「中断がなかったのなら、私はいったい何だったのか」などと不信感
をあらわにした」(日本経済新聞)と。

 「私はいったいなんだったのか」って? 
答は簡単。
「ただのバカだった」。

●現実検証能力

 今、私たちは、いったいどういう状況に置かれているか。
それを知る能力が、現実検証能力。
が、ただ客観的に知るだけでは足りない。
ことの大小が、的確に判断できなければならない。
ことの軽重が、的確に判断できなければならない。
そういうことが総合的に判断できて、はじめて、現実検証能力があるということになる。

 が、今回の「中断騒動」には、それがなかった。
55分間の海水中断があったにせよ、あるいはなかったにせよ、今は、全力を投じて
事故処理に専念すべきとき。
被災者の人たちの救援に全力を尽くすべきとき。
先にも書いたように、火事は目下、延焼中。
東京電力や原子力安全保安院は、さかんに「安定(stable)」という言葉を使って、私たち
を煙に巻こうとしている。
「原発は安定しています」と。

しかし新聞記事を読んだだけでも、それがウソとわかる。
問題は、何も解決していない。
むしろ日々に新たな問題が生まれ、日々に状況は悪化している(5月27日現在)。

 たとえばその近辺の学校では、表土を取り除き、すでに「除染?」を始めている。
気持ちはわかるが、まだ早い。
今の今も、放射性物質は、放出されたまま。
放射性物質は、この先も、どんどんと降り積もっていく。
雪かきの「雪」とは、訳がちがう。

●55分間の中断

 何も「55分間の中断」が、ささいな問題だったと言っているのではない。
それはそれで大きな問題かもしれない。
が、現在、起こりつつある問題は、それをはるかにしのぐほど、深刻かつ重大な問題。
仮に1号機について、55分間の中断があったにせよ、そのときすでに1号機とは
関係なく、2号機、3号機、それに4号機すべてが同時におかしくなり始めていた。
自民党やHH委員長は、「55分間の中断があったこと」が、あたかもすべての原因
であるかのような論陣を張り、管首相を追い落とそうとしていた。
が、繰り返すが、今は、そんな時ではない。

 仮に3号機が爆発でもしたら、そのとき、この日本はどうなるか。
それを少しでも頭の中で、想像してみればよい。
燃えたプルトニウムの微細粉末が、全国に散らばる。
「プルトニウムは比重が重いから(比重=19)、飛び散らない」と説く人もいる。
しかし1ミクロン(大腸菌とほぼ同じ)の微細粉末である。
地球の重力が、そこらの金属棒と同じように働くと考えるほうがおかしい。

 そのたった一個(ホット・パーティクル)でも体内に入れば、そこで内部被爆。
確実にがんを引き起こす。
「毒性がきわめて強い」というのは、そういう意味。

 そういう判断も的確にできないから、ここで「バカ」という言葉を使った。

●イタチごっこ

 このところこの浜松市へ、福島県のみならず、東京や千葉県から疎開してくる人が、
目立ってきた。
昨日も、「福島県から転校してきた子がいる」と話してくれた子ども(小2)がいた。
あるいは一度は福島県から千葉県へ疎開したものの、さらにその千葉県から浜松市へ
再疎開してきた人もいるという。
たまたま参観に来ていたSさんが、そう話してくれた。

 いくら「安定」という言葉を使っても、だれも安定しているとは思っていない。
現に放射性物質は、垂れ流し状態。
「貯蔵タンクが満杯になってしまった」と言っていたら、今度は「そのタンクに穴が
空いていた」と。
毎日がこの繰り返し。
つまりイタチごっこ。
私が現場で働いている作業員なら、とっくの昔にサジを投げてしまっていただろう。
つまり原子力発電所事故の恐ろしさは、ここにある。

 一度事故が発生すると、ドミノ倒しのドミノのように、つぎつぎと問題が発生していく。
が、問題はそのとき起こる。
それぞれのばあいに応じて、対策が用意されていれば、まだよい。
が、その対策が用意されていない。
用意されていないから、また別の新たな問題が発生していく。

 3号機についても、格納容器は鋼鉄製というが、配管などはゴム製のパッキングで
つながれているという。
格納容器そのものが熱に強くても、ゴムはそうでない。
そのゴムが溶けて、そこから高濃度の放射性物質が飛び出る。
が、そうなったら、もう打つ手はない。
(すでに溶け始めているが……。)

相手は超高濃度の放射性物質である。
現在2シーベルト前後の放射線が観測されているというが、10シーベルトの
放射線に当たれば、人間は即死状態になるという。

●敦賀原発

 選挙のとき政治家たちは、みなこう言う。
「命をかけて……します」と。
ならば今がそのとき。
地元の政治家たちは、どうか命をかけて、福島の事故現場へ駆けつけてほしい。
……というのは、言い過ぎと言うことは、よくわかっている。
政治家たちは、言葉のアヤとして、選挙のときだけ、そう言っているに過ぎない。

 しかし驚いたのは、こういう状況を目の当たりに見ながらも、まだ原発を擁護している
政治家がいるということ。
昨日(5月26日)見た、NHKの報道の中でも、そう言っている政治家がいた。
「原発は必要です」(敦賀市長)と。
ならば今、一筆、書いておいてほしい。
「事故にあっても、私たちは『国が……』『国が……』などと泣き言を言いません」と。
ずいぶんと辛らつな言い方に聞こえるかもしれない。
しかし実際、福島の事故現場で働いている作業員の方たちは、仕事に就く前に、こんな
念書を書かされているという。
「将来、放射線障害が現れても、(東電に対して)、責任を追及いたしません」と。

 番組の中では、鍵職人の男性も紹介されていた。
その男性も、「もし原発がなくなったら、私たちは別の県へ引っ越すしかありません」
(以上、記憶によるものなので、内容は不正確)と言っていた。
が、私にはその言葉が、こう聞こえた。
「原発事故が起き、強制避難が命じられても、私は文句を言いません」と。

●石棺化

 最終的には、チェルノブイリ事故のように、石棺化するしかないのか。
今の状況を見るかぎり、そういう心配は、ぬぐえない。
もちろん石棺化したからといって、それで問題が解決するというわけではない。
25年たった今ですら、チェルノブイリでは、その問題で苦しんでいる。 

 ……だったらというわけでもないが、つまりそういう可能性もあるなら、今すぐ、
何十万トン、あるいは何百万トンというコンクリートを用意しておくべきではないのか。
ブルドーザーにしても、何百台も並べておいたらよい。
つまりそこまでしてはじめて、「対策」ということになる。
それもしないで、その場しのぎのことばかりしているから、事故は拡大する。
今の今が、そうだ。

 もし政府に責められるべき点があるとするなら、まさしくこの点ということになる。
「だれかが何とかするだろう」と、責任を押しつけあっている。
おかしな楽観論が蔓延している。
あるいは「まだ、何とかなる」と、あえてそこにある事実から、目をそらそうとしている。
たとえば敦賀市長は、たしかこう言っていた。

「日本には原発は必要です」と。

 記憶によるものなので、言葉は不正確。
しかし私には、敦賀市長がそこまで高邁な国家論をもっているようには、見えなかった。
「日本には……」ではなく、「敦賀には……」ではないのか。
それとも「私には……」ではないのか。
「敦賀が、日本国の発展のために犠牲になってもいい」というような、そんな高邁な
精神は、私にはとても感じられなかった。

 が、もし敦賀市長に、ほんの少しでも現実検証能力があったら、とてもこんな言葉は
出てこなかったはず。
さらに一言。
NHKの報道では、飛行機事故を想定していた。
飛行機が原発に衝突したら、そうなるか、と。
が、それよりも心配なのは、テロ。
武力攻撃。

 もし敦賀にたった一発でも、K国のミサイルが撃ち込まれたら、それこそこの日本は
万事休す。
全滅。
そういう国際感覚はあるのか?
つまりそのあたりまで検証する能力があってはじめて、現実検証能力あり、という
ことになる。

 ともかくも今は、国家の存亡をかけた、一大危急時。
些細な問題はさておき、今そこにある危機と闘うしかない。
「現実」を原点として、つぎの対策を考えるしかない。
責任問題、原因追及は、つぎのつぎ。

あろうことか、民主党内部では、政権抗争が激化しているという。
バカげているというか、開いた口が塞がらない。
日本の政治のレベルがここまで低いとは、正直に告白するが、私は思っていなかった。
その一例が、今回の「55分間の海水注水中断劇」ということになる。
2011/05/27朝記


Hiroshi Hayashi+++++++May. 2011++++++はやし浩司・林浩司

【反原発運動が理由で、芸能界から干される?】

●ある俳優

 ある俳優が、原発反対を唱えたところ、それが理由で、「ドラマを降板させられた」とい
う。
その俳優は、ツイッターで、こう述べていた(現在、その文言は削除されている。)

「今日、マネージャーからmailがあった。『7月8月に予定されていたドラマですが、原発
発言が問題になっており、なくなりました。』だって。マネージャーには申し訳ない事をし
た。僕をブッキングする為に追い続けた企画だったろうに。ごめんね」(J-cast News)と。

 反原発を唱える学者が、研究費を削られたとか、研究室から閉め出されたという話は、
雑誌などで読んだことがある(「週刊現代」ほか。)
しかし一芸能人にまで、そうした「力」が及ぶというのは、私の常識では考えられない。
それがだれであるにせよ、原発推進派の「黒幕?」が、そこまで手を延ばすとは!
それこそまさに神の力(それとも悪魔の力?)。

 その俳優は、こうも書いている。

 「(反原発運動に関わると)芸能界で仕事干される」(同・4月)と。

 もしこれが事実とするなら、憲法違反に抵触する、重大な言論弾圧事件と考えてよい。
が、よくよく読むと、どうも、「?」。

●事務所側の言い分

 この俳優の発言に対して、事務所側は、「事実ではない」と否定した。

 「ところがYさん(当該、俳優)の所属事務所「S・カンパニー」では、J-Castの取材
に対し、Yさんの発言を全面的に否定した」(J-Cast)と。

 事実なにか、それとも事実でないのか。
Yの発言にも、矛盾がある。
「事務所辞めました! 今日。これ以上(事務所に)迷惑かける訳いかないから」と一方
で言いながら、実際にはその事務所に迷惑をかけている。
こういうのをパラドックスという。

「張り紙をするな」という張り紙をする。
「うるさい!」と言って、大声で怒鳴る。
「事務所に迷惑をかけたくない」と言って、事務所に迷惑をかける、など。

 もし本気で事務所に迷惑をかけたくないと思っていたのなら、黙って去ればよかった。

●藪の中?

 当該俳優は、問題が大きくなったのを知ってか、ツイッター上の発言を削除している。
J-Castはつぎのように伝える。

「現在、発端となった「降板」発言は消去され、見られない状態となっている。またYさ
んは26日深夜、「舞台終了まで、Twitterやめます」と投稿しており、「降板」の真相は藪
の中だ」と。

 そう、まさに藪の中。

 Yは、反原発の姿勢を見せた。
これは事実。
が、疑問の第一はそんなことを理由に、番組を降板させられるのだろうかということ(※)。
たかがテレビ番組(失礼!)。
たかが一俳優(失礼!)。
が、そういうことがないとはいわない。

 実も昨年(2010年)、私にもこんな経験がある。

 ある教材会社から教材制作の依頼があった。
久しぶりの依頼だったから、私はかなり意気込んでいた。
が、2週間ほどすると、今度は、こう言ってきた。
「あなたの書いた『ポケモン・カルト』という本が問題になりましてね。
我が社としても、S館(出版社)にたてついてまで、仕事はできません。
そんなわけで申し訳ありませんが……」と。

 さらに宗教本(反カルト)を書いているときには、当該宗教団体から、さまざまな
いやがらせを受けた。
出版社に対しては、さまざまな工作を繰り返した。
そういうことはある。
しかし今、どうして?

 しかもSがしたことと言えば、反原発というよりは、『文部科学省前で子どもに定められ
た年間許容被ばく量「20ミリシーベルト」の撤回を叫んだ』(※)程度のことである。

 本当にSは、それが理由で、「干された」のか。
それとも、ただ単なる売名行為なのか。
もしそうでないというのなら、どうして自分の発言を引っ込めてしまったのか。
デモ行進するほどまでの信念は、どこへ消えたのか。
まさに藪の中。

●売名行為

 で、Yのことはよく知らない。
しかし芸能人(タレント)の中には、この種の売名行為を繰り返す人は少なくない。
Yもその1人と書いているのではない。
ただこの種の発言、つまり月光仮面的な発言は、じゅうぶん疑ってみる必要がある。
というのも、「信念」というのは、一朝一夕に、確立するものではない。
若い人ならなおさらで、そのつど迷ったり悩んだりする。
が、やがて「周囲哲学」というものが、できあがってくる。
その周囲哲学が、その人を支える。

 言い換えると、その周囲哲学が重要。

 たとえば若いころから何かのボランティア活動に専念し、たとえばホームレスの人たち
に炊き出しをしてきたとか、そういうことが重なって、やがて難民救済運動へとつながっ
ていく。
そういう経験も経歴もないようなタレントが、ある日突然、涙ながらに難民救済をテレビ
画面に向かって訴え始める。
私たちはそういうインチキ(=偽善)を、いやというほど見せつけられてきた。
 
 Yについては、残念ながら、「現在、発端となった降板発言は消去され、見られない状態
となっている。またYさんは26日深夜、『舞台終了まで、Twitterやめます』と投稿して
おり……」(J-Cast)という状態らしい。

 どうして消去したのか。
どうしてTwitterをやめたのか。
高邁な信念はどこへ消えたのか。

 当の本人がこれでは、周囲の人たちも援護できない。
腰砕けになってしまう。
真相はどうだったのか。

 Yが反原発運動に参加したため、番組を降板させられたというのは、事実だったのか。
それともYのただ単なる思い込みだったのか。
Y自身が沈黙してしまった以上、これ以上のことは、私にもわからない。

 だから「藪の中」(J-cast)。

(注※)シネマトゥディより

 Yは、27日21時半ごろのツイッターで、「事務所辞めました! 今日。これ以上迷惑か
ける訳いかないから。辞めるな、と社長、スタッフの皆さん何度も引き止めて下さった。
最後には僕のわがままを聞いて貰いました。13年もいたS社は正義感強く情に厚い事務
所。もう関係ないから事務所への電話しないでね。他の役者に迷惑かかる(原文ママ)」と
報告した。

 福島第一原発で起こった原発事故のあと、「反対。って言うと、芸能界で仕事干されるん
です、 御存知でした?でも言ってやります、反対!」とYは、脱原発を自身のツイッター
で声高に訴え、デモに参加するなど原発反対運動を続けてきた(以上、シネマットゥデイ・
5月30日より)。

(注※2)J-Castより

  「本人がツイッターで発言した内容については『事実ではない』とお答えするように、
と担当者から言われています」と電話に出た女性は繰り返した」(J-Cast)と。

福島第一原発の事故以来、積極的に反原発運動に参加していた俳優のYさんが2011年
5月25日、ツイッターで「原発問題発言」が原因で、「7月8月に予定されていたドラマ
を降板させられた」と発言した。ところが事務所は27日、Yさんの発言内容について「事
実ではない」と否定した。

 話題になったのは、Yさんの以下の発言だった。

■降板の作品名などは明かさず

  「今日、マネージャーからmailがあった。『7月8月に予定されていたドラマですが、
原発発言が問題になっており、なくなりました。』だって。マネージャーには申し訳ない事
をした。僕をブッキングする為に追い続けた企画だったろうに。ごめんね」

 Yさんはこれまでツイッターを中心に、原発反対を繰り返し訴えている。4月には「(反
原発運動に関わると)芸能界で仕事干される」と明言し、高円寺で行われた反原発デモに
参加、5月23日にも福島県の父母たちとともに、文部科学省前で子どもに定められた年
間許容被ばく量「20ミリシーベルト」の撤回を叫んだ。

 Yさんは「外されたドラマでも、現場には迷惑掛けられない」として具体的な作品名な
どは明かさなかったが、ネット上では「降板させたテレビ局、スポンサーに抗議活動を」
との声も上がり、さまざまな憶測が飛び交っている。

■「舞台終了まで、Twitterやめます」

 ところがYさんの所属事務所「S・カンパニー」ではJ-CASTの取材に対し、Yさんの
発言を全面的に否定した。

  「本人がツイッターで発言した内容については『事実ではない』とお答えするように、
と担当者から言われています」

と電話に出た女性は繰り返した。

 現在、発端となった「降板」発言は消去され、見られない状態となっている。またYさ
んは26日深夜、「舞台終了まで、Twitterやめます」と投稿しており、「降板」の真相は藪
の中だ(以上、J-Castより)。


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